2014年12月30日火曜日

年の瀬で思うこと -その4-

いよいよ、明日は大みそか。
年の瀬のつぶやき、そのラストとして。

新年のことを考え、日本の未来について話してみたくなりました。

毎年のように、この時期となると。
来年の経済はこうなる、日本の未来の姿はこうなるなど。

社会情勢や景気動向について、いろいろな予測がテレビや新聞などに出ます。

それらの予測に使われる根拠、考え方には。
さまざまな統計や理論が使われていますが。

社会や経済の未来予測で、唯一と言っても良いほど当たるもの。
それは人口統計、中でも確実にその国の将来を推測できる人口動態です。

ご存じのように、これから世界経済は「アジア時代」と言われていますが。
これもアジア各国の人口統計から、確実に予測できるシナリオの一つです。

少子高齢化が進み、消費人口(経済市場)が確実に減少する日本を尻目に。

人口動態から確定しているのは、アジアの40歳代前後の消費人口世代は。
確実に欧米の何倍も存在して、生活の欧米化と共に中産階級層が増えます。

総人口でいえばEUの4倍、アメリカの8倍になるのがアジア市場です。

中国があと十年ほどで、明らかに日本以上の少子高齢化になる一方で。
変わってインドがけん引、中国とインドで世界人口の4割を占めるようになります。

もちろん、だからといって。
このブログをご覧の2代目経営者のみなさんに。

アジアに出よう!という話ではありません。

すでに、その国に「お客様」がいれば別ですが。
国内がダメだから海外は、どんな商売も通じないでしょう。

その一方で、アジア地域でのインターネットの発達や円安も追い風となって。
日本の商品やサービス、生活文化に興味のあるアジア人は増え続けています。

このような状況で、アジアの人たちや国々とタッグを組みアジア進出する。
または人や商品、お金、情報などを日本国内に呼び込むようなビジネスは。

地方都市で小規模な会社であっても、その可能性が高まっていると思います。

加えて、主に国内市場で日本人をお客様とする中小企業経営者としては。
少子高齢化による日本の未来の「正体」も、頭におく必要があると考えています。

まず1点目は、少子化の「正体」です。

日本の15才未満人口、子どもは「少子」が進んでいると騒がれていて。
たしかに年々減少、今年は約1600万人という統計発表がありました。

ところが。この1600万人は、オランダ一国とほぼ同じ。
スウェーデンの約1.7倍、デンマークの約3倍もの規模なのです。

たしかに、過去のように黙っていても勝手に売れるような市場でなく。
また団塊の世代ように、物欲が高い世代だとは言えない世代層ですが。

売り上げが、何千億円という規模のビジネスや大企業は別として。
数億円から数十億円の中小企業ならば、まだ打つ手がある規模になるでしょう。

次に2点目として、少子高齢化による未来の姿の「正体」です。

ヨーロッパ一国分の子どもが、少子化とはいえ存在する上に。
全体の人口でも、世界のトップ10に「まだ」ランキングされる日本では。

今さかんに喧伝されている、政治家や官僚による消費税の増税の根拠。
財政破綻を避けながら、年金や医療、社会保険制度を維持するという話が。

もう、すでに多くの方が感じておられるように。
根本的にムリであり、極めてバカげた話!という点に気づきます。

そうです。

少子高齢化で、人口が減ったといっても総人口1億人もいる日本なのです。
少子とはいえ、数十年後にヨーロッパ一国分が次々に高齢化を迎える国です。

中小企業の経営と大企業の経営が、同じ手法や制度でないのと同じです。
多くの老人を生み続ける日本では、今の社会制度の維持はまず不可能です。

そのことに気づきながらも、あえて国民に伝えないようにしているのか?
政治家や官僚の無責任さ、自己保身の姿勢が今の政治と行政に見られます。

すでに多くの方が実感されているように、これからの日本は。

その人口規模や人口動態から、今後の数十年は。
社会制度が整っているようなヨーロッパ型社会でなく。

医療保険もなく、100ドル(約1万円)の治療費が払えなくて。
虫歯の菌が脳にまわって、死亡するような子どもが多数いる社会。

アメリカ型の格差社会の拡大に直面しざる得ません。

その点、どこかの「頭でっかち」の政党が掲げているようなこと。
中産階級層、いわゆる中流層の所得を増やすという社会の実現は。

ハッキリ言って、絵に描いた餅どころか。
現実を知らない学者さんたち、または「お坊ちゃまたち」の理想論です。

今後も中流層が下流化する社会が進む一方で。
高所得者、上流層の人たちが増えるという流れは続くでしょう。

また人口動態から予測すれば、ますます加速するとも思われます。

もし変えるなら、移民の受け入れをはじめ人口構成を変えることですが。
それは急にはムリな話、アメリカの移民は数百年も続いてきた流れです。

この点を踏まえれば。

国内市場を商圏とするビジネスで、経営や商品を考える上で。
経済格差が拡大、富が偏る社会が進んでいくという前提は。

外してはいけない視点だと考えています。

そもそも根本的に、資本主義という経済制度そのものが富の偏りによって。
川やダムのように、高い所から低い所へ流れることで成り立つ制度です。

高低がない、フラットな社会、つまり社会主義的な国家は消滅して。
また、ゆりかごから墓場までという充実した社会制度のある国家は。

一定以上の市場(人口)規模の資本主義のもとでは。
幻想というか、言いすぎかもしれませんが非現実的で稚拙な主張。

そのことをロシア、かつてのイギリスが示しています。

もちろん。個人的には、立派な社会制度や高い福祉制度は必要だと思います。
資本主義の歪みを正そう、弱肉強食の社会はイヤだ!とい考えも理解できます。

しかし私たちは経営者であり、ビジネスマンであります。

私たちの住む日本、ビジネスをしている日本という国は。
資本主義というか、アメリカ型の消費社会にあこがれて。

その深みに、戦後70年間もハマってきた国でもあります。

自社の維持と発展なくして、社会制度や福祉制度の維持を語るのは。
会社や組織のリーダー、また社会人としても控えた方が良いでしょう。

最後に。
今さら、言うまでもないことですが。

政治家や官僚といった、日本でも一番の「国内内需型」の商売をしている人たち。
資本主義に基づく自由化や規制緩和が入ると、自分たちの仕事を失う人たちの話は。

信じることも、頼ることもなく。

少子高齢化が進む日本で、自立した商売を展開すること。
それが昔も、今も、未来も必要不可欠であることをお伝えして。

今年一年、2代目横丁をごひいきにして頂いた感謝と共に。
2014年のブログを締めくくりたいと思います。

本年は、本当にありがとうございました。
みなさん、良いお年をお迎え下さい。

2014年12月25日木曜日

年の瀬で思うこと -その3-

さてさて。今日はクリスマスですね。

今夜あたり。

家族と過ごす方、恋人と過ごす方、友人と過ごす方もいれば。
恐らく、もともとクリスマスなんて関係ないよ!と思う方もいれば。
仕事が忙しくてクリスマスどころじゃない!という方もおられるでしょう。

それらすべての方に、お伝えしたいのが。

にぎやかなクリスマス・パーティーの中でも。
一人で静かに過ごす、また黙々と仕事をしている中でも。

あなたの態度、反応、行動など。
あなたのありさま、姿、様子、状態を。

必ず誰かが見ているし、感じているという話です。

すると。

「え?誰かと一緒に、パーティーしているわけでもないよ。
誰も周りにいないし、部屋にオレ一人しかいないんだけど・・・。」

「もしかしたら、一人でいる私を神様が見ているとか?
クリスマスだからって、そんなことあるわけないでしょう。」

「おいおい、まさか・・・私が見守ってあげています!的な話?
別にそんなこと頼んでもいないし、ウットウしいこと言うなよ!」

と思われる方も、おられるかもしれません。

もちろん。神様が見ているとか、私がそっと見守っているとか。
サンタさんがそばにいるとか、そんな話をするつもりはないのです。

それでも、ちゃんと。

もし一人でいても、あなたを見ているんです。

ズバリ。それは、あなた自身です。

しかも。あなたは、他の人以上、まるで神様みたいに。
詳細に、済から済まであなたの「ありさま」を見抜いています。

というのも、人は誰でも。

いろいろな人の前や環境によって、態度や反応や行動が必ず変わります。

誰でも好きな人と嫌いな人の前では、大きく変わるのではないでしょうか?
会社でのあなたと家でのあなたは、何かが変わっているのではないですか?
大切なことをしている時とどーでもイイ時も、変わっているとは思いませんか?

こうして人は、いくつもの「顔」を使い分けているわけで。
別の言い方をすれば、人は「多重な人格」により構成されているのです。

だから。他の人から見たあなたの態度、反応、行動など。
あなたの「ありさま」は、その人が見たり、感じたりしたことであって。

あなたにとっては何分の一の断面、いくつかの人格の一つ。

それはまるで「白雪姫と7人の小人」のお話のように。
中心となる白雪姫に、泣き虫や怒りん坊、笑い上戸などの小人がいる状態。

相手や環境によって、甘えたくなりやすい、怒りっぽくなる、楽しくなる。

お話で7人の小人は「ハイホ~ハイホ~!仕事が好き!」と歌いながら。
白雪姫と一緒に暮らす家から森へ出かけ、そして仕事が終わると帰ってきます。

森の中で、それぞれの役目を果たして。
主たる人格、白雪姫のもとに戻るのです。

白雪姫は7人の小人が森で何をして、どう振る舞ったか?すべて知っています。
7人の小人の性格や行動や態度の良い点も悪い点も、すべて見抜いています。

このように白雪姫は「愛情」をもって、7人の小人をずっと見守っているのです。

そう。あなたは、いつでも、どこでも、どんな場面でも、どのような状況でも。
一人きりでも、大勢の中でも、あなた自身を愛する限り、見守り続けています。

仕事の時も、プライベートの時も、若い時も、年をとった時も。
あなたの「ありさま」を見続けている、1番の観察者であり、理解者です。

だから、実感されている方もいると思いますが。

たとえば仕事でも、プライベートでも、どんなことでも、どのような場面でも。
うまくやりたい!成功したい!相手に好かれたい!など、望みをかなえようと思って。

テクニック的なこと、やり方や進め方によって。
短期的にうまく行く、成功することはありますが。

良い関係も成功も、長続きせずに消え去っていくことが多い。
特に男女の恋愛や人間関係で、このようなことが起こりやすいのは。

テクニック、進め方、やり方より、普段の「ありさま」にフォーカスして。
自分の「あり方」はどこにあるのか?を意識しない結果だと言えるでしょう。

まさに今年の流行の「ありのままで」という言葉は。
このように、自分の「ありさま」や「あり方」が大切だ、と伝えると共に。

一方で、決して自分の「わが道を行けばよい」ということでなく。

自分自身を愛して、自分の「ありのまま」を大事にすると同じくらいに。
他の人の「ありのまま」も大事にする行動や姿に、言葉の本質があると思います。

というのも。白雪姫と7人の小人のお話では、白雪姫自身もまた。
王子さまからの「愛情」により、死の淵から復活を遂げることになるからです。

恐らく、人は誰でも一度や二度ならず。
自己嫌悪に陥ったり、こんなはずじゃない!と思ったり、悔しい思いをしたり。

自分を愛せなくなったり、他の人や環境の責任にしたりしたことがあるでしょう。

同時に思い起こせば、このような時や状況で。

他の人からの「愛情」を感じたり、また「ねぎらい」があったりしたことで。
救われた、助かった、今思えば役に立つ経験になったなどの思いが。

やはり一度や二度ならず、何かしらあるのではないでしょうか。

こうして人は。使い分けているいくつもの人格を含めて、自分自身を愛すること。
自分自身にOKを出して「ありのまま」を受け入れること、このことを基本に。

他に人にもOKを出して、他の人の「ありのまま」を受け入れることで。
安定した長期的な良い関係や成功が続く、仮につまづいても復活できる。

このことは、男女の恋愛に象徴される人間関係で感じることが多いでしょうが。
仕事も、社会生活も、すべて人間関係で成り立っているわけですから同じです。

言い換えれば、2代目経営者が必ずといって良いほど背負わされる経営上のテーマ。
引き継いだ会社の永続した長期的な繁栄や継承、継続という課題を考えた時に。

自分自身の考えや「ありのまま」を押し出すのと同じくらいに。
先代や社員の考えや「ありのまま」も受け入れていく柔軟性があって。

そのどちらも欠けることなく、バランスを失うことなく、経営を進めていく。

その結果、はじめて成しとげられることを示していると思います。

ではでは。みなさん、メリー・クリスマス!

あなた自身にカンパイ!
そして。まわりのすべての人にカンパイ!

2014年12月22日月曜日

年の瀬で思うこと -その2-

え~年の瀬、というお題を頂きまして。

今日は、趣向を変えて。
小話を一つ、お話しまひょ。

それは、年の瀬も押し迫った、ある忘年会の席どした。

江戸屋さん、大阪屋さん、尾張屋さんの若ダンさんが。
水炊きをつつっき、お酒飲んでワイワイガヤガヤしとりました・・・。

酔いも回った江戸屋の若ダンさん、こんなことを言い出します。

「大阪屋さん、聞いとくれやす、ウチの店な、なかなかお客さんが来てくれへん。
おとなりのお店は、店はピカピカの新築、ベッピンさんの売り子はおるわ、
ウチは、店も古い、売り子も・・・古漬けやしなぁ~・・・。」

すると、大阪屋の若ダンさん。

「江戸屋さん、ほしたら、お店も新しくして、売り子さんも雇ったらエエやないの。」

と。目の周りトロッ~とした顔で、答えはったんどす。

ところが、言い出した本人さんの江戸屋さんが。

「エエんや、ウチはコツコツと小さく商いできればそれでエエ。
そう先代のオヤジも話してましたわ~、ワテもそう思ってますのや。」

な~んてことを言わりますモンどすから。

「ほう~、えらく謙虚ですなぁ~江戸屋の若ダンさんは・・・。」

大阪屋さんもあきれて、イヤミ半分に答えたんどす。

ところが江戸屋の若ダンさん、ぜんぜん他人(ひと)の話を聞いとりません。

「いや~ほうなんです、謙虚につつましく、
これがウチの家訓ですわ!ワハハハハッ・・・。」

な~んてことをかえすわけでして。
カチ~ン!ときた大阪屋の若ダンさん。

「そら~謙虚とは違いますやろ、江戸屋さん、
変えられることを変えようと努力してないだけとちゃいますか~ね!尾張屋さん!」

と。黙って二人の話を聞いとった尾張屋の若ダンさんに、話をふったんどす。

そしたら、根がマジメな尾張屋さん。
お酒の席の話、流しとけばエエもんを。

シャキ!とされた顔をして、う~ん・・・としばらく考えてから。

「まぁ、たしかにそうかもしれまへんな。ハッキリ言わせてもらえば・・・。
江戸屋さん、あんさんは、自分を甘やかしとんちゃいます?」

と言ったモンですから、話はややこしくなって。

「そりゃ~キツイ言葉どすな~尾張屋さん!
もともとウチの店は小さいし、確かにお客さんも少ないけど。
長いことコツコツやってこれましたんや!
ほんで、大店にすするつもりもないし、
謙虚にやれれば、それでエエんどす!」

と江戸屋さんが応戦したから大変どす。

尾張屋さんも、赤い顔をもっと赤くして。

「ほうでっか、ワテには江戸屋さんは、先回りして自分を卑下して、
自分を甘やかすために、謙虚と言わはってるように聞こえますなぁ~」

と言いかえすわ、江戸屋さんも江戸屋さんで。

「ナニ言うてますやん!尾張屋さん!謙虚のどこが悪いんでっか!」

とかえすわで、せっかくの酒の席がドンドンと悪くなりまして。
こりゃ~いかん!と思いはった大阪屋の若ダンさんが仲に入ります。

「まぁまぁ、江戸屋さんも、ほんで尾張屋さんも、落ち着きなはれ。
謙虚とか、そやな、堅実というのもそうかもしれへんな、言葉としてはエエんやけど。」

と切り出したところ、またまた江戸屋さんが。

「そやろ!大阪屋さんも、そう思われるん?謙虚でエエやないの!」

と口をはさむモンどすから、大阪屋さんもムッ!としながら。

「まぁまぁ、江戸屋さん、話の腰を折らんと、聞いておくれやす!
謙虚というもんは、言葉としてはエエけど。
ヤルこと ヤラんと、口にすることもありますねん。」

と話すモンどすから、火に油。

「ヤルことヤラんて!ほなワシが商いに手ぬいてるって言うんかいな!」

と江戸屋さんは、目むいて。

「まぁ、ハッキリ言わせてもらえば、そうだとワテは思いますよ!」

と・・・。今度は尾張屋さん、横から口を突っ込むモンどすから・・・。

もう忘年会どころやおへん、ワテは帰らせてもらいます!と。
江戸屋の若ダンさん、プィ!とお座敷を出ていってしまいはりました・・・。

酔っぱらったとはいえ、この3人の若ダンさんたち。
つまらんことで感情的になって、若、といいうよりアホダンさんたちどすなぁ~。

たとえば、彼らの話に出てくる「謙虚」とか「商い」のあり方どすが。

何が正しいんか?間違(まちご)うてるんか?
何がエエんか?何が良くないんか?

だいだい世の中に広まっているこのような基準は。
どこかの誰かさんが、他のもんを押さえようとして。

世間にばらまいたり、言い訳に使(つこ)うたり。
時には自分らの権利や力を維持するために利用したり。

このように常識、とされているもんは。
実は誰かが誰かを型にハメようとして。

作ったもん、と考えてみると。

それは謙虚も、ほんで商いも同じとちゃうか?と思うんどす。

それにしても、この若ダンさんたち。
人間形成、人間関係に大切なコミュニケーション能力が。

つくづく、アカンな!低レベルや!と思うわけどすが。

たとえば社長と社員、親と子、友人や恋人でも。
人と人の会話、やり取りといったコミュニケーションも。

正しいも間違いもおへん気がします。

ほんでも、人のコミュニケーションは、時にして。
自分の意図とは違うところへ旅をします。

そうどす。コミュニケーション、というもんは。
他の人と自分だけ、とは限りまへん。

他の人に話した言葉は、そのまま自分もきいておるわけどして。

他の人との会話は、自分と自分の会話、自己内対話に。
西洋の言葉で言うたら、セルフ・コミュニケーションになるんどす。

ある意味で、他の人とのコミュニケーションより。
大事なんは、自分とのコミュニケーションかもしれまへんな。

そういう点で、謙虚という言葉は。
ええ言葉や!と思いますが。

一方で。自分をシバる、行動しないイイ訳、手抜きの材料などに。
意外と2代目の若ダンさんは、使うてるお人が多い気がするんどす。

謙虚、コミュニケーションの常識といわれるもの。
何が正しくて、間違うとるんか、何がエエもんで、悪いモンか・・・。

その意味や効果をしっかりと考えはって。

来年も、商いにお気張(ば)りやす!

2014年12月17日水曜日

年の瀬で思うこと -その1-

先週、知人の2代目経営者と食事をしながら。
今年一年間の日本経済や経営のことを話しました。

もう、かれこれ15年くらいになりましたが。

彼とは、経済、経営、ビジネス、2代目経営者のあり方など。
いろいろな角度から、好んで「深い話」をする間柄です。

その時、彼から出た言葉。

「世の中に流行しているものに真実はない」

という一言に刺激を受けました。

この言葉は、私が。

「最初に、たとえば金持ちになるとか、会社を大きくするとか。
他には幸せになるとか、夢を実現するとか、改革をするとか。

何か目標や目的があって、そのためにはどうすればよいか?
どういう考え方や進め方をすれば、うまくいくようになるのか?

という順番で、自分を含めて多くの人は考えていると思う。

そして、本やセミナーなどの「成功」や「自己啓発」に関係したものは。

その多くが、やはり「目標や目的を立てる、明確にする」から始まって。
そのための「計画」や「準備」や「行動」は、これがイイですよ~って。

まず目標や目的があって、その次に行動があると話している。

ところが本当は逆で、自分の行動や思いの先、その結果として。

お金が手に入った、会社が大きくなったとか。
幸せになれた、夢が実現した、改革が成功したとなるわけで。

たしかに人一倍に意志の強い人、成功への意欲が強い人など。
最初に目標や目的を立て、その後に自分の行動を合わせていける人もいるだろうけど。

そのような人は、目標や目的を達成した人の中では多くないと思う。

まず自分が思うように行動する、自分がやれる、やりたいことをしていった結果。
目標や目的が達成できた、という人の方が多い気がするんだけど・・・。」

という話をしたところ、かえってきた言葉でした。

そして、彼は続けて。

「世の中に流行していること、多くの人に受け入れられていること、多くの人が進む道には。
真実、本当の姿や実体はなくて、人が通らない道、知らない部分に隠れていると思うよ。

多くの本やセミナー、また新聞やテレビなどの情報は。
多くの人に受け入れられたい、多くの人にそう思ってもらいたくて出されている。

ところが、真実や実体は別のところにあって。

たとえば、本が何万冊も売れようが、情報に触れた何千万人がイイね!と言おうが。

現実には、本を読んだ人の千分の一か、イイね!と思った人の何万分の一か。
まぁ、その程度の人しか本や情報のとおりにはなれない、手にすることが出来ない。

だから。目標や目的が先にあって、現実や現在とのギャップを埋めるとか。
目標や目的を達成するための行動を決めるとか、多くの人が支持している順番は。

実のところ、真実ではなく。順番が反対じゃないかな。」

そう。人が、今まで(過去)も、今(現在)もできないことへ。
自分の夢に思うことへ踏み出す動機、きっかけとなるのは。

夢に向かって目標を立て、動き始めるより。
むしろ、危機に直面して、誰かに背中を突き飛ばされて動く。

こんなことの方が多いし、長く続く気がします。

この時期、もし来年のことを考えて。
自分の抱く目標や夢を手にしたいなら。

まずは、自分の思うように行動すること。
その結果として、何かを手に入れること。

この繰り返しの先に、はじめて目標や夢が達成できる。

このように考え、目標や夢を決める前に。

よし!こんなことをやろう!
こんなことなら出来る!などなど。

行動を決め、取り組むことが良いかもしれませんね。

2014年11月7日金曜日

2020年型「2代目社長の5つの指針」

6年後、2020年。

お祭り騒ぎの熱病のような東京オリンピックが終わって。
東日本大震災の復興は道半ば、そして超高齢化社会に本格的に突入していく日本。

大胆な政策や方策の転換が生まれない限り、不透明で将来展望が見えづらい時代へ。
恐らく2020年以降は、低成長経済化で社会保障等の高負担社会となっていく。

これは今の経済政策、円安や株高による大企業や投機筋の優遇と格差拡大の容認。
マクロでの日本経済全体を支えるため、ミクロの弱者は倒れても仕方ないという考え方。

この政策により、一歩ずつ確実に進んでいる方向であって。
内需型産業であり、国内市場で商売する中小企業、特に地方都市の会社は。

原油や原材料の値上げ、賃上げできずさらに加速する人手不足。
そして社会保障費負担の毎年の増加など、今日までと同様に。

政府や大企業の「エサ」となり続ける。

以前、超大手の自動車会社の購買担当は。
学校を出たばかりの新人でもできる、という話を耳にしました。

「昨年より安いですか?他社より安いですか?」といった2つの日本語。
これさえ話せれば、誰でも勤まるからと下請けから揶揄されているです。

こんな関係に支えられた最高益を少しくらい、仮に還元されたとしても。

働き手も買い手も減少する社会、内需が縮小する少子高齢化が加速する中では。

どう見ても、その場しのぎに過ぎず政府に「格好をつけている」だけ。
すでにグローバル化した大企業に、国内に後戻り選択肢があるはずもない。

このようにお考えの2代目経営者の方は、いらっしゃらないでしょうか?

多くの国民の雇用と社会保障費を支え、特に地方都市に存在する中小企業の経営環境は。
2020年を目指して、加速度的に大きな曲がり角に差しかかると思われます。

そのような2020年以降も、無事に会社を経営するために。
あと6年の間に「2020年型経営」を確立させたい。

こうした意識やお考えを持つ2代目経営者の方を対象に。
2020年以降も生き抜くための「2代目社長の5つの指針」を考えてみました。

一言でいえば「原理原則」や「基本」に立ち返ること。

そういう意味では「な~んだ!あたり前のことじゃん!」とか。
どこかで耳にした話で「別に2020年型と言わなくても」とか。

このように思われる方も、おられるかもしれませんが。

2020年に向けて、中小企業の経営環境が大変な時代になるからこそ。

シンプルな原則や基本の徹底が重要になると考えます。

すでに取り組んでおられる2代目経営者の方は、再点検の意味もこめて。

5つの方針を読んでみて下さい。

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1.ガンバラない(3割バッター社長の時代:ヒットを重ねて得点)
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野球でいえば。どんなボール、変化球が来るかわからない2020年から先の時代。

最初から「ホームラン」をねらっても、三振する可能性が高い状況です。

そこで2020年型の中小企業の社長には。

ガンバル!という姿勢で、全力や全速でスイングするよりも。
ボールを見きわめて、ヒットを狙っていく経営スタイルが主流となるでしょう。

何ごとにもこだわらず、次々とやってくる変化球にバットを合わせていく。

そう。10打席で3本ヒットを打てる「3割バッター社長」を目指して。
バット(経営の指揮棒)を振り続ける工夫と努力が大事になるのです。

相手が投げる様々なボール、つまり様々に変化する経営環境についていく。
広範囲に、多種多様に変化するボールを確実に打ち返してヒットを重ねる。

その結果、イチローが広角打法で3000本安打を達成したように。
その地域、市場などでトップクラスの成績を残すようになれるのです。

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2.10年精神で(思うような経営や会社での采配には、10年かかる)
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2代目が社長になって、誰もが異口同音に一番に苦労したというか。
2代目が社長になって、多い経営上の悩みは「人」の問題ではないでしょうか。

たとえ2020年以降でも。

あたり前のことですが、ビジネスや商売には。
業種や経営環境に関係なく、人と人との良好な人間関係が欠かせません。

いや2020年に向けて、、ネットやIT技術が発達すればするほど。
ますます人と人とのつながり、密接なコミュニケーションは重要になっていく。

特に2020年以降は、それが顕著になる可能性が高まると考えられます。

一方で、いつの時代でも。

人間関係を良好にして、スムーズに自分の依頼や要望を通すには。
気心(きごころ)を知るためにも、通常は一定の年数が必要になります。

そこで。自分の思うように人を動かして、会社経営ができ始めるには。
やはり10年ほどかかるだろう、と考えておいたほうが良いと思います。

特に。多くの2代目社長が、10年経って象徴的に実感する出来事とは。
社員に対して、思うままに「モノが言えるようになった」ということです。

御幣のある言い方をすれば、どんなガンコな古い体質の会社でも。
どうにか10年にわたり、曲がりなりに新・社長を続けていれば。
その頃には、新・社長の「人となり」の会社になっているのです。

なぜなら、会社が消えることなく社長を10年間続けることができたのも。
激しい経営環境の変化の中でも、社長の決断と行動がそれなりにできたからで。

社内でも、新しい2代目社長に対する評価や一種の社長像が完成して。
社内文化や風土も、ようやく新社長になじんだという結果とも言えるでしょう。

そこで、10年はかかる!10年はかける!という気持ちで。
変化が激しい時代だからこそ、じっくりと進めることが大切になると思われます。

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3.経営の「真北」を作る・探す(好みだけではなく、究極の目的をつくる)
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ちょっと過激な話ですので、社内では決して口にしないでほしいのですが。

劇的に社内の体制が2代目社長を中心に変わったと、社員が痛感するのは。
幹部社員の退職や解雇、そして先代からの社員のリストラの実行などです。

混乱も生じやすいので、慎重に進めないと「百害あって一利なし」ですが。
2020年型の経営環境を考えると、人と人のつながりを強く深める一方で。

社員の入れ替えやリストラなど、積極的な人事策も進めた方が良いでしょう。

なぜなら、2020年型の中小企業の組織形態を考えてみると。
社会補償費の負担の増大、ますます流動化する労働市場、慢性的な人不足など。

究極の「少数精鋭」組織でなければ、生き残れないと考えられるからです。

しかし。たとえば、社員と性格があわないから解雇したとか。
実際は違っていても、このように社員に思われる、社内で評判がたつと。

かえって社内の士気が落ちますし、組織崩壊の一因にもなります。

とは、言うものの・・・。人は、社長という立場にあったとしても。
重要な決断も、結局は好みや感情で判断してしまうことがあります。

もし古参幹部や社員が。何かと批判したり、反抗的な態度だったりすれば。
やはり感情的におもしろくありませんし、クビだ!と言いたくもなります。

そこで。2代目社長として、究極の目的「真北」を意識して頭において。
できる限り、感情や好き嫌いなどの判断を冷却することにしましょう。

「真北」とは、会社を成長させるといった究極の大きな目的や方針です。
戦略や個人の性格を超えた、会社への私心なき忠誠とも言えるものです。

「真北」と照らし合わせ、先代や古参幹部や社員の古い体質であっても。
アレはアレで、会社のためにやっていると理解するようにしていきます。

また。このような人事に関すること以外でも「真北」を応用します。

たとえば。進出したい新規事業を選んだり、立ち上げたりするときに。
「利益が出そうだ」ではなく、私心なき「真北」を判断基準にします。

「真北」とは、社員ならば誰でも共感できるシンプルなものでOKです。
2代目社長となったなら必ず「真北」を作る、または探す時間を設けましょう。

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4.社外の同志でチームを(ビジネスや経営の同志を集め、チームにする)
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現在のアメリカや欧米の中小企業では、社内の人材や資源だけでなくて。
プロジェクトごとに、複数の会社が手を組むビジネスモデルが主流です。

人数や技術やビジネス資源などが、小さくて体力の弱い中小企業では。
成長の速度や売上げや利益の向上に、おのずから限界があるからです。

日本でも2020年型の中小企業のビジネスモデルとして。
今でもすでに始まっていますが、今後はますます拡大していくでしょう。

そこで2020年型の2代目社長として、社外の人とのチームづくりは。
経営上の主要な指針の一つに、取り上げていくことをオススメします。

ただし、そのような社外の人とチームをつくるときには。

忘れてはいけない、はずす事のできない、大事なポイントがあります。

その主なものは、次の5つになります。

○能力や知識力も大事だが、志(こころざし)を共有する同志とつくること
※志とは、私的な目的や目標ではなく、社会的意義や公的な目的や目標!

○最初は、自分より「上」または「高い」人が多いチームに入るようにする
※上または高い人とは、自分が尊敬できる、あこがれる感覚を持てる人!

○「集まれば何かできる」という考えでは、何も生まないで不満足におわる
※何をしたいのか、何をつくりたいのか、先に具体的な目標がありき!!

○「会社などの援助なしで、個人で新しい道を切り開く」という人とつくる
※会社命令ではなく、みずから進んで取り組む気概を持てる人を集める!

○チームには、ムードメーカー・和みのある人・女性なども必ず入れること
※チームの効果を足し算ではなく、掛け算にするために必要なメンバー!

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5.師と出会う(自己限定を壊し、背中を押してくれそうな人に会いに行く)
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「師」というと、いろいろな説明や定義や考え方があるでしょうが。
ここでは「自己限定を壊し、背中を押してくれる人」としてみます。

自己限定とは、たとえば「カマス」という他の小魚を食べる魚がいます。

カマスを透明な仕切り板で二つに分けた水槽の一方に入れます。
そして仕切り板のむこう側に、エサの小魚を何匹か入れてやると。

小魚を食べたいカマスは、スゴイ勢いで透明な仕切り板にぶつかります。
そして何回か、鼻先をぶつけて。しばらくすると、おとなしくなります。

その後。この透明な仕切り板をとって、同じように小魚を入れてやると。
今度は、目の前をエサの小魚がゆうゆうと泳いでいるのにもかかわらず。

このカマスは小魚に襲いかかることもなく、そのまま動かずにいます。
しかも。このまま何もしないと、飢え死にさえしてしまうのです。

これが自己限定。自分で決めつけた自分の限界やカベ、思い込みなどです。
自分にその能力や資質があっても、できない!と信じて動かない状況です。

では。エサの小魚を食べなくなった、このカマスを一体どうやったら。
エサの小魚を襲うカマスへと、変身させることができるでしょうか?

それは。元気に小魚を追いかけ回し、食べてしまう別のカマスを。
同じ水槽に入れてやれば、それだけでこのカマスも食べ始めます。

このように「師」とは、あなた自身が気づかない自己限定を壊して。
背中を押してくれる経験や気づき、きっかけをもたらすような人です。

古今東西、またビジネスという分野に限らず、「師」という存在は。
新たなチャレンジ、自己成長になくてはならないものですが。

多くの場合、この「師」との出会いは。
必要な時にタイミング良く自然にやってきます。

心理学ではシンクロニシティとも言いますが、本当にシンクロしています。

たった一通のメールで、一本の電話で、他の人からのひと言で。
「師」と出会う、色々な糸口があなたの身の回りに必ずありますので。

どのような「師」を求めているか、常に自分で意識しておきましょう。

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【番外編】日本経済の崩壊に注意!(借金はしない)
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最後に、番外編として。

2020年以降を生き抜く2代目社長の指針として、大事なことなので。
改めてこの場でも、みなさんにお伝えしておきたい話があります。

それは、日本における2020年型の中小企業の2代目社長として。
金融機関からお金を借りる、資金調達をする、借金については。

今まで以上にもっとシビアに、注意深くなってほしいという話です。

とても危険なことなのに、真にその怖さを自覚している人は少ないのですが。
今の日本という国では。個人の住宅ローンでも、会社の借入金であっても。

法律の上で、債務が一生、個人を追いかけられるしくみです。

日本では「借金をする=人生をカタにとられる」しくみなのです。

たとえて、言うならば。

江戸時代は「士・農・工・商」といった身分の格差がありましたが。
現在は「政官・金融・大企業・その他」といった格差があります。

また資本主義経済のピラミッドの頂点には。
資本家、それを取り巻く金融屋がいるのが現実です。

そして資本主義の原理原則とは、他人からの搾取です。

それが投機的、というかバクチと詐欺のように国際間で行われて。
国内でも、さまざまなしくみや体制で実施されているのが日本という国です。

※このことについては、別の記事で後日また書きたいと思います。※

言いかえれば、資本主義の根本的な考え方は。

他人のふところに手をつっこんで、お金を自分のふところに入れて。
その他人のお金で自分のお金を増やす、お金でお金を増やす思想です。

ローンや借金、あとは税金や社会保障という制度は、その典型的な手法で。
どんな美辞麗句を並べてあっても、その本質は搾取の方法の一つなのです。

ある意味では、自分でコントロールや積極的に削減が出来る借金やローンと違って。

ご存じのように、今も今後も一年ごとに自動的に社会保障負担は上がり続けます。
また高速料金、宝くじなど「目に見えない税金」のしくみはアチコチに存在します。

そのため最低限の話として、いわゆる「過払い」にならないように。
できれば無借金経営と共に、無税経営の会社体質になれるように。

このような経営指針を持って、2020年までに体制を整えることは。
思っている以上に、2020年以降を生き抜くために重要になるでしょう。

2014年11月4日火曜日

成功者の物語に学ぶ「やめる力」

企業統計を見る限り、また個人的な感覚では。
少し一息をついている感がある、今年の日本国内の景気動向ですが。

市場が成熟した業種に属していることの多い老舗の中小企業で。
2代目・3代目と、事業継承をした立場の経営者の方にとっては。

ただ先代から引き継いだビジネスや会社の改革を進めるのでなく。
業種転換、M&Aによる売却や事業譲渡、自主廃業、会社整理など。

「やめる」という判断が、結果として有効だったケースが増えています。

しかし、一般的な2代目経営者をみてみると。

やめることができず、ズルズルと時代に流されていってしまったとか。
反対にやめて、新しいやり方や新規業種に手を出して大失敗したとか。
やめるにやめらない、と景気やまわりの責任にしてグチをこぼすとか。

このような話を口にする2代目は、決してめずらしい存在ではありません。

そうです。やめるにしても、続けるにしても、的確に決断しなければ。
どの道を行っても、待っているのは大きな失敗や落とし穴です。

一方で、時代の流れを上手につかんで業種転換で企業を成長させたとか。
先を見越して大きな失敗をしない、また失敗しところから立ち直すとか。
スパッ!と現状の事業に見切りをつけて企業規模を拡大していったとか。

成功を手にしたり、成果を上げたりしている経営者をみると。
引くことをしない「イケイケ」タイプに見える経営者もいますが。

やめる、撤退する、手放すといった決断が上手な経営者のほうが。
より多く存在し、単発ではなく継続的な成功や成果を手にしていると思います。

そこで。

成功を手にした人たちが、異口同音に話している成功物語(道すじ)から。
成功にいたる4つのエピソード(出会い、できごと)を判断の基準として。

継続的に成功や成果を手にしている経営者が。
的確に「やめるか?続けていくのか?」という判断をした場面を参考に。

もし、先代から継承した会社事業を。
あなたが「やめたい!」と感じているならば。

一度、次の4つのエピソードをポイントにチェックしてみて下さい。

○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○

■エピソード1:出発(旅立ち)の時の「使命」

成功者たちが共通して経験しているのが、成功への「旅の出発」です。

多くの場合、突然のピンチやメンターと言われる「師」との出会いとか。
自分の意志とは、ある意味で関係ない事情やできごとにより出発します。

その出発(旅立ち)にあたり、成功者は「使命」を手にしています。

たとえば、子どものころ貧しかったからお金持ちになりたかったとか。
世の中の○○を解決するため、ビジネスを最初は細々と起こしたとか。
△△が好きで、その世界のAさんにあこがれて今の仕事を始めたとか。

つまり仕事やビジネスを始めた使命感、動機、真の目的といったものです。

旅立ちの時の「使命」をもう一度、じっくり自己内対話してみて下さい。

その結果、今の自分の気持ちや状況や価値観が「使命」とズレているとか。
すでに「使命」が達成できたとか。今の「使命」は、変化したと思うなら。

やめる判断をして、今のビジネスやしくみや会社を手放したとしても。
やめたことがよい経験や糧となって、新しい一歩がふみ出せるでしょう。

そして、新たな「使命」をもって。

次の事業、新しいビジネス、新しい業種へと「新たな旅立ち」を迎えて下さい。


■エピソード2:必ずやってくる「最初の(比較的に小さな)挫折」

成功への道は、ご存じのように。
決して平らな舗装されたものではありません。

成功者たちも必ずと言ってよいほど、つまずきや失敗を経験します。
しかも、旅立ちから比較的に早い時期に「最初の挫折」がおとずれます。

最初の、といっても。一つだけ、ドカーン!と起こるとは限りません。
小さな挫折が何回か起こる、ある期間はずっと続くということが多いのです。

意気揚々と旅に出てみたら、予想外の事態で足止めをくらいました。
たとえ小さな失敗でも、初めての経験ですから精神的につらいものです。

この「最初の挫折」には、2つの意味合いがあります。

それは、これが自己成長や成功への経験値を高めるために出現したのか。
または、やめたほうが良いとの警告のために出現したのかという2点です。

つまり「最初に挫折したから」と言って、早々にやめるのも。
逆に「負けるもんか!」とばかり、ムリして続けるのも。

その判断は難しく、ケース・バイ・ケースなのです。

そこで、反する2つの意味を持つエピソード(ステージ)をむかえた時は。

自分ひとりで「やめるか?続けるか?」を考えずに。
信頼のおける師匠や友人などに相談した方が良いでしょう。

なぜならどの程度の挫折か、どちらの意味か。
自分では、よくわからないことが多いからです。

この人の言うことなら、失敗でもよいという人から助言を受けて。

もちろん、最後に決断するのはあなた自身ですが。

もし、他人の言葉が素直に耳に入らない状態では。
どちらかというと「やめる」ほうが無難かもしれません。


■エピソード3:途中で得られるやすらぎ「途中の成功」

旅立ちから最初の挫折を通過すると、一定の成果や手ごたえがあります。

これは言いかえると、ホッ!と、やすらぎを得た感じがする成功です。
ビジネスが軌道に乗った、成功へのメドがついたという気持ちになります。

しかし。この「途中の成功」では油断せずに、再点検。

一息ついたところで、よし!続けてやるぞ!と思うことも多いでしょうが。

この成功は思ったとおりのものなのか?使命とのズレはないか?とか。
満足感はどうか?など、予想していた成功との度合いを比べて下さい。

というのも、手にした成功や成果は「結果オーライ」であっただけで。
本来の目的や道すじとズレた考え方で、得られたかもしれないからです。

もし、この成功や成果が「たまたま良かった」だけだとしたら。
そのまま続けると、大きな失敗で致命傷を負うこともあります。

実は。一見すると成功体験に思えるこの「失敗への罠(わな)」は。

真の成功や成果を手にする前に。
あなたの進む道を試すように、出現しているのです。

そして再点検の結果、成功だとしても、予測とズレが大きいとか。
どうも不可解な不自然な結果ではないか?という判断をしたならば。

いさぎよく、きっぱりとやめることをオススメします。

これも、自己内対話や自分ではわからない場合が多いので。
信頼のおける師匠、友人などからのアドバイスをうけてみましょう。


■エピソード4:あきらめようと思うほどの「最大のピンチ」

成功の旅もクライマックス、真の成功を手にできる直前になりました。

この場面でおとずれるのが「最大のピンチ」と言える最後の試練です。
もうやめたい、逃げ出したい、手放したい、と思えるできごとです。

そのようなことは避けたい!オレは絶対にそんなことにはならない!
石橋を叩いて渡る性格だから大丈夫!など、もしこのように思っていても。

残念ながら、成功への旅の最後の「一里塚」となると。
必ずと言ってよいほど、巨大なピンチが訪れるものなのです。

ちがう言い方をすれば、真の成功のために不可欠なのが。
実は「最大のピンチ」というものだと考えてもよいでしょう。

ここが、本当の「やめどころ」と「続けどころ」です。

これまでのすべてを振り返りましょう。

それは、旅立ちの「使命」の再確認や今の使命感との対比であったり。
「最初の挫折」を乗り越えたときの方法や助言や得た感情であったり。
「途中の成功」のときに見えた真の成功の姿や助言や情熱であったり。

ここまで体験したこと、行動したこと、方法、手法、助言などはもとより。
それぞれのエピソードのときの気持ち、感情、心のゆれなどもしっかりと。

まさに、脳の中に残るすべての記憶や思いを吐き出すようにして下さい。

自分自身でやってみるなら、大きな紙を用意して。
とにかく何もかも「書きなぐる」方法もあります。

自分ひとりでは大変だ、ムリだ、混乱していると感じているならば。
やはり、信頼のおける師匠、友人などからアドバイスをうけましょう。

その上で、当然のこととして「やめる」判断をしたのは良いとして。

たとえば、凍結する、遠回りする、逃げるなど負担の軽減を図りながら。
出来る限りの時間や心の落ち着きを手にして、試行錯誤、検討した中で。

もし「続ける」と判断して、結果的に乗り越えられたならば。
その体験によって、あなたとあなたの旅の仲間、チームは。

きっと、一まわりも二まわりも成長できます。

そして、その成長が次の旅への糧や財産となって。
新しい「旅立ち」への意欲と自信と「使命」をもたらす。

こうして、継続的に成功への旅が続いていくのです。

○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○

ところで多くの2代目は、先代から会社や事業を引き継いだ場合に。
エピソードの1と2、旅立ちの「使命」と「最初の挫折」に関しては。

どちらかというと、たとえば「使命」というほど大げさなものでなく。
物心ついたころから自然で、そんな自覚がないままに旅を始めてしまったとか。

先代や先代からの幹部の考え方や方針で「挫折」ということもなく。
コントロールされた、守られた中で経験を積んできたとか。

エピソード3から、自分の旅は始まったと感じることが少なくありません。

中には。先代が倒れた、会社が倒産の危機に直面したなど。
エピソード4に、いきなり出会う場合も同様に少なくないでしょう。

ちがう角度からすると、エピソード1の「使命」がもろかったり。
エピソード2の「最初の挫折」の経験不足で判断できなかったり。

その結果、やめるにしても、続けるにしても。
的確性や実現性に問題が残った決断をしてしまう2代目もいます。

その一方で、エピソード3やエピソード4を経験していく中で。
エピソード1とエピソード2を経験することもできます。

たとえば大ピンチをどう乗り越えたか?により、強固な「使命」に気づく。
途中の成功に甘えて失敗したことが、大きい「最初の挫折」となるなど。

たとえ「使命感」に薄く「挫折の経験」も不十分だと感じても。

エピソード3や4の場面を経験して、的確な判断にチャレンジした上で。
やめるか?続けていくか?を考えて、より良いビジネス展開を目指してみて下さい。

2014年10月30日木曜日

情報が洪水のように氾濫する時代に

先日の日曜日、2代目仲間の社長さんと昼食を共にして。
最近の銀行金利の話、投資の話などをしている時に。

インターネットがもたらした情報社会について。
その功罪が話題になりました。

いつの頃からでしょうか?

ネットが発達して、情報が多すぎる「過多の時代」といわれて。
やがて情報の「氾濫の時代」といわれるようになったのは。

まるで洪水のように、スマホやパソコンを開けば。
ありとあらゆる情報が、ドドドッ!と私たちを飲み込むように迫ってきます。

おもしろいもので私たちは、情報を自分も気づかないうちに。
一種のフィルター、色つきメガネで取捨選択しています。

たとえば「XXは危険だ!」という情報と。
反対に「いや!XXは危険でない!」という2つの情報があったとします。

この時に、無意識のうちに「XXは危険」という感覚や価値観など。
反対に、無意識のうちに「XXは危険でない」という感覚や価値観など。

氾濫する情報から、意識しないまま自分の視点に合致する情報を求めて。
そのような情報に触れることで納得して、結論を導き出しているのです。

このように、客観的に正しいか?正しくないか?とは関係なく。
主観的に決めているにも関わらず、多くの人が納得や賛成していると。

まるで、それが客観的に正しいように感じてしまう。

情報が瞬間的に、しかも個人個人が思いのままに拡散できる時代。
何を言っているか?どんなことを言っているか?その情報の中身よりも。

自分とは正反対の感覚や価値観を受け入れる。
誰が言っているか?本当に信頼できる人を見極める。

このような自分磨きが、2代目経営者には求められていると思いますが。

「さすが2代目は先代より器が大きい!ココは思い切って投資です!」
「そうですよ!新しい時代は、2代目の若い発想で経営も進めなきゃ!」
「そろそろ2代目のカラーも出しましょうよ!社員さんも、それを望んでいますよ!」

などなど。的確な情報提供や助言なら良いですが、得てして私たち2代目に多いのは。
おだて、お世辞、ヨイショの類であり、それに対する2代目側の極端な毛嫌いです。

別の言い方をすれば、2代目ゆえのアセリや先代などに対するコンプレックス。
そこから生まれる無用なプライド、心の壁、過大な警戒心やひねくれた見方。

ココにつけ入ろうとする人たち、そのような人たちと真摯な人もゴチャゴチャに見る2代目。
2代目経営者に限らず、古今東西の権力者やリーダーが陥りやすい落とし穴です。

昔と比べものにならないほど、速く、広く情報が拡散して氾濫を起こしている今の時代。

ますます大切になっているのは、先ほどお話したことに付け加えると。

自分とは正反対の感覚や価値観を受け入れるため、経験の幅や深さ、度量を広げる。
誰が言っているか?本当に信頼できる人を見極めるため、自分の心を磨く、心理学を学ぶ。

ということになると思いました。

その一方で。これまでは、情報の共有や交流がなかなか出来なかった人たち。
遠く離れた人、世代を超えた人たちなどにアプローチできるようになったことで。

たとえば、近隣や地域内では把握や連携が難しかったこと。
また、マニアやマイナーな存在として周囲から認識や認知されなかったことなど。

少数で、力が比較的にない、たとえば地域に密着した中小企業にとって。
情報社会の発展は、大きな可能性をもたらしたと思います。

もちろん、そのような共有や交流、連携や認識にも。
多彩な感覚や価値観の受け入れ、信頼できる人の見極めは欠かせません。

そしてネットだけでなく、リアルにいろいろな人と会うこと。

経営者だけでなく、セールスやマーケティングの担当者にとっても。
リアルにお会いした、息づかい、表情、視線などが大事な情報となる。

このような時代にも、なってきたと思いました。

2014年10月27日月曜日

張りぼて社長で終らずに

新規事業のアイデアを考えるとか、何か新しいことにチャレンジするとか。
自分に変化を求めるとか、気分を一新してフレッシュな状態にしたいとか。

このような時は、意外と形や見た目から入るとよいかもしれません。

旅行に出る、部屋の片付けや模様替えをする、普段は着ない真っ赤なシャツを着るなど。
環境、服装、仕草、雰囲気が変わることが、今の自分を変えてくれることにつながるでしょう。

その上で、いつまでも形や見た目のままでいると。
それは張子の虎であり、見かけだおし、中身のないニセものになると思います。

たとえば、見た目はオシャレでカッコいい男性でも。
キレイな服を着て、スタイルが良い女性でも。

話してみたり、食事をしたりしてみたらガッカリした。
このようなことは、普段の生活でもよくあることです。

考えてみれば。2代目を継ぐために会社に入る、そして社長になることは。
要するに見た目、形が次期の経営者、社長になったことを意味するのではないでしょうか?

そこから先、経営者や社長として中身をどう詰め込むか?
周囲から信頼されるホンモノの経営者や社長になれるか?

そのために、どれほどの覚悟をもって行動しているか?
時間、手間、プレッシャー、精神的な苦労など、エネルギーをつぎ込めるか?

それでもなお、結果が出ない、失敗した時に。
逃げ出すことなく、取り組めるか?などなど。

一言で言えば、本気になって真剣に社長業に取り組む。
わき目も振らず、目的や目標にフォーカスして経営にまい進する。

このようなことができないまま、先代からの財産や遺産で食いつなぐだけ。

たとえば。典型的な名ばかりの2代目社長、ナンチャッテ2代目社長には。

イイ年になっても、会長であるオヤジの言いなりのバカ、失礼!若社長。
先代が一線から身をひいたことを幸いに、金遣いが荒くなり遊興にふけるボンボン社長。

このような中身のない張りぼて社長、残念ながらそんな2代目社長を時おりみかけます。

もちろん、大切なことは「他人のフリ見て我フリ直せ!」です。

張りぼて社長を反面教師として、社長としての中身を充実させるために。
先代社長が元気なら、段階的に社長の「重荷」を背負うように取り組まないといけません。

その方法は、効果的な筋力や体力のトレーニングの方法に似ていると思います。

筋力トレーニングでは、たとえばジムのマシンとか、バーベルなどで。
10回程度が限界の重さ、負荷を筋肉に加えて、負荷と回復を繰り返しながら筋肉を鍛えます。

体力トレーニングでは、たとえば走るとかサーキットトレーニングなどで。
ある一定の運動量をインターバルを置きながらこなして、持久力や体力の向上をはかります。

というのも筋肉や体力は。

ケガにならない程度に破断やムリをさせ、それが回復することによってのみ。
筋肉は増大して、より太く、より丈夫に、体力はより強く、より回復力がつく。

このような性質があるからです。

これらと同様に、社長の中身も。
今の自分の行動や時間の使い方などを。

意識的に破断させ、病気やケガにならない程度の疲労感を感じて。
そこから回復すること中身が増大して、より丈夫に力強くなると思います。

もちろん。先代社長が健在のうちに、そのような取り組みができれば良いですが。
社長の「重荷」を一気に、突然に背負う立場となる2代目経営者も少なくありません。

中には、過大な負荷が筋肉を破断でなく破壊するように。
ムリな体力づくりが、かえって病気やケガを呼び込むように。

引き継いだ会社を倒産させたり、自分が病気で倒れたりして。

会社も自分の健康、心、体、大きく言えば人生も。
破滅や破壊させしまうような場合もあります。

これは。ある意味で、限られた特殊なケースかもしれませんが。

父親が会社の資産状況を詳しく教えないというか、後で考えてみれば意図的に。
隠した中で息子さんに社長を引き継がせて、自分は会長におさまった人がいました。

きびしい言い方をすれば、どんなカタチでも社長を引き継いだ以上は。
父親の言うことより、社員や現場の声に耳を傾けて。

会長の説明でなく、現実の数字をよく見るべきだとは思いますが。

社長を引き継いで数年後に、この会社は倒産しました。

しかし、どうしたことか。

債権者会議などに、最後まで会長である父親は顔を出さないまま。
精神的にも体力的にも追い詰められながら、すべて社長の息子さんが一人で対応。

会社を整理したあとは、家族を抱えながらどうにか再就職できたのですが・・・。

その息子さんは健康を害して、倒産から3年ほどで。
40歳代の若さで、残念ながら他界してしまいました。

このように社長の「重荷」とは、どんなカタチで引き継ぎ、背負うとしても。
命を削るほど、命をかけるほどの負担となる場面や場合もあると思います。

だからこそ。真剣に取り組み、自分を鍛え、社長として中身を充実させないといけません。

その覚悟も自覚もないまま、張りぼて社長でいることは最悪なことだとしても。
一方で。決して、ムリしてもいけないということも自覚しておいてほしいと思います。

2014年10月23日木曜日

新しい行動に出られない、行動を変えられない

なるほど。周囲の2代目経営者の仲間から。

成功した、うまくいった、と自分で思えないならば。
自分で満足する結果が得られていないならば。

その上で、成功したい、うまくなりたい。
自分で描いた結果を得て、満足したいと思うなら。

今の行動を変えなければ、何も手にできないし。
新しい行動を起こさなければ、何も変わらない。

と言われても、自分自身を振り返ると。

社員を思う心、家族を大切にする心、これこそ経営者として大事なこと。
このように思っているし、行動を変え、新しい行動を起こすというのは。

社員や家族に負担をかけるという面もあって。
新しい行動に出るときの足かせ、強力な磁力なる。

そして心のブレーキとなって、新しい行動に踏み出せない自分がいる。

このように思い、悩んでいるわけですね。

そうですね、たしかに経営者の新しい行動は。
社員にも、そして家族にも、同時に。

行動の変化や新しい行動を求める場合が多いと思います。

特に中小企業の場合、経営者と会社や社員はいわば運命共同体。
また家族も、たとえば銀行への個人保証など生活そのものが関係しているので。

もしかすると、行動の結果として会社が傾く、社員が路頭に迷う。
家族が家を失い、収入も減り、大きな負担を抱えることもあるなど。

新しい行動そのものより、行動の結果に対して。
不安があり、心にブレーキがかかっているのかもしれませんね。

他にも、新しい行動や新たな成功や結果を求めるよりも。
たしかに不満はあるが、それなりに現状には満足しているとか。

無意識のうちに、信じ込んでしまっていることによって。
頭でわかっていも、新しい行動に踏み出せない、行動を変えられないとか。

いくつかの原因が考えられますが、まず何よりはじめに。

心にブレーキをかけて、新しい行動が出来ない自分に対して。
OKを出す、または大切な人や信頼のおける人から「ねぎらい」をもらう。

このような行動に、少しだけ踏み出してみてほしいと思います。

というのも。新しい行動を起こそうとする、行動を変えようと思っても。
なかなか行動を起こせない、どうしても変えられないという状況は。

新しい行動を起こそう!行動を変えよう!としている自分と。
何かしらの原因で、行動を起こせない、変えられない自分が。

同時に存在している状態だからです。

つまり、新しい行動へGo!とアクセルを踏みながら。
同時に、それは止めとけ!とブレーキも踏んでいること。

そのため行動が空回りして、動けないのです。

では、どうすればよいでしょうか?

もし運転免許をお持ちなら、坂道発進を思い浮かべて下さい。

マニュアル車ならアクセルを踏みながら、ハンドブレーキを外してやればよい。
オートマチック車ならブレーキペダルから、足を離してやればよいのです。

そう。人は誰でも、もともと前に向かって生きていこうとする意識を持っています。
言い換えれば自動的に、オートマチックに前へ進もうとする生きものなのです。

だから。心のブレーキペダルから、少しだけ足をどけてやれば。
ゆっくりでも、スルスルと前進できるようになれるのです。

自分にOKを出す、または「ねぎらい」をもらうというのは。
このような行動であり、アクセルと同時にブレーキを踏んでいる自分に。

心のブレーキから足をそっと外す、そのような意味のある行動なのです。

まずは、まるでシャワーを浴びるように。

「いいんだ!今の自分で!新しい行動や行動を変えない自分で!」
「いいのよ!今のアナタで!新しい行動や行動を変えないアナタで!」

というように、OKサインや「ねぎらい」を全身に感じて下さい。

反対に、止めた方が良いのは。

「どうした!ガンバレ!新しい行動に出ろ!行動を変えろ!ガンバレ!」
「新しい行動に出よう!行動を変えよう!出なきゃダメだよ!変えなきゃいけないよ!」

とアクセルを踏み込むようなことです。

ブレーキをかけながら、それでもアクセルを踏み続ければ。
いつしか、突然にブレーキのワイヤーが切れて、暴走することになります。

暴走すれば多くの場合、衝突事故となり相手や周囲を傷つけたり。
自分自身が負傷したり、時には生命の危険に陥ったりするかもしれません。

そのようにならないためにも、まずは心のブレーキペダルから足を離す。
足を離せないまでも、足の力を抜くだけでも効果があるものです。

ぜひ、そのようなことから始めてみて下さい。

2014年10月20日月曜日

社長の不安と不満から生まれるグチ

創業者でも2代目経営者であっても、特に会社のトップ、社長である以上は。
会社経営の不安と不満が消えることは、社長でいる限り、恐らくないと思います。

もちろん、当然ながら不安や不満の大小や感じ方は人それぞれですし。
もし不安も不満もなく、社長として会社経営ができているなら、それはそれで素晴らしいこと。

業界や地域、もしかすれば日本や世界で一番に成功している社長として。
多くの方々から、評価されているような成果を手にしている方だと思います。

でも、私を含めて多くの平均的な社長。
しかも地方で日々、仕事にアセを流しているような中小企業の社長ならば。

今年度は売り上げも利益も好調だが、来年度はどうなるたろうか?とか。
次の主力の商品はどうしよう?市場の動向や景気はどうなるのだろう?とか。

大小の違いがあっても、何かしらのことに不安を感じて。
予想を立て、考えて、選択肢を作り、決断して、経営を進めていく。

また。

ウチの営業体制は今ひとつだな!それに生産部門もテコ入れが必要だ!とか。
なんて会社だ!そんな手を打ってまでわが社の顧客を奪うなんて!とか。

社内か?社外か?の違いはあっても、何かしらのことに不満を感じて。
状況を見て、考えて、対策を立て、実行して、経営を進めている。

このような毎日を送っていると思うのです。

ちょっと、突っ込んで話せば。
中小企業の社長ならば、必ずと言ってよいほど。

よほど自信がある、あえていえば過信していない限り不安は消えず。
よほど人格ができている、あえていえば甘い性格でない限り不満は消えないでしょう。

不安は、未来や将来について感じるもの。
だから人前でのスピーチ、スポーツの試合、音楽の演奏会の本番などと同じく。

準備や練習をつむことで、軽減できて。
実際の経験をつむことで、解消されていくものだと思います。

不満は、現在や現状について感じるもの。
だからある面では、成長や上達や進歩の糧であって。

社会や他の人の評価、自己評価を得ると軽減するが。
成長や上達を目指し、評価基準をあげると増加するものだと思います。

そして、不安も不満も。
一瞬にして消し去り、軽減してくれるのが感動ではないでしょうか?

感動は、期待や予想と結果や結末とのギャップに起こります。

だから不安も不満も、期待や予想をコントロールすることで。
小さくしたり、消したり、必要最小限にしたりできます。

また、不安や不満を。
長い時間かけて、少しずつ変えるのは習慣だと思います。

習慣は、期待と予想と結果や結末との一致により身につきます。

だから不安も不満も、期待や予想を適正に判断していくことで。
上手につきあいながら、年限や経験を積むことで軽減できるようになります。

その上で。ぜひ気をつけたいのは、不安や不満は。
つい、口にして自分自身や誰かに「グチりたくなる」ものだということです。

不安や不満、そこから生まれるグチは。
風邪やインフルエンザのように、知らないうちに感染を広げます。

ですから、あたりかまわずグチをこぼすのは止めましょう。

そして、もし。

あなたの周囲でグチを口にする人とか、口にすることが多い人がいるならば。
その場をソッと離れる、なるべく疎遠になるようにしていくことが懸命でしょう。

特に。トップである社長は、周囲に対する感染力も強いですから。
グチを自分が口にするのも、他の社長さんが口にしているのも危険です。

そこでグチりたくなっても、グチを聞くにしても。
まず相手と時と場合を選んで、感染対策を考えながら行うか。

どうしてもグチりたくなる衝動にかられる時には。
一人きりの時、誰にも聞こえない場面やところで。

グチるレベルでなく、大声で。

バカヤロー!ふざけんなよ!などと叫んでみることをおススメします。

繰り返しますが、よほどの人物でない限り。
不安や不満から生まれるグチは、完全にゼロにすることはできません。

それも。自分の家族や恋人だけでなく、多くの人たちの不安や不満を解決して。
自らは不安や不満をおさえる必要や場面の多い、社長などリーダーの人は。

不安と不満、そこから生まれるグチとは。
斬りたくても、斬れない縁があると自覚した方が良いでしょう。

なぜなら、不安や不満など、不安定な感情とそこから生じるストレスは。

先ほどもお伝えしたように、大声で叫ぶとか、スポーツをするとか。
行動で解消するしかないので、グチもそれらの行動の一種だからです。

上手に不安や不満をコントロールする、さらに利用する。
そして上手にグチをこぼす、何かの行動で解消する。

これも、社長には必要不可欠なスキルとして。
ぜひ身につけるようにしてみましょう。

ではでは。また。

2014年10月16日木曜日

2代目に大切な1つの道筋と問題解決の3つの方法

私たちのような中小企業の2代目経営者だけでなく。
政治家、そして歌舞伎や華道や茶道などの伝統文化にも。

創業者や創始者、初代、また3代目以降なら先代から何かを引き継いだ人。
継承者という立場の人が、ビジネス以外の世界に数多くいらっしゃいます。

そのようなすべての2代目が、さまざまな問題や課題を解決しながら。
先代から引き継いだ会社や家元組織などを守り、繁栄し続けるために。

お手本としたい1つの道筋があります。

能の世界で、世阿弥が父である観阿弥の教えをまとめたもの。
有名な「風姿花伝」の書にある「守・破・離」という考え方です。

守、まず先達の教え守り
破、教えを自分なりに破り
離、最後は先達から離れ自分の道を行く

だいたい、このような意味だと考えて良いかと思いますが。
この「守・破・離」の前に「型」をつけて「型・守・破・離」とする話もあります。

型、基本となるもの

さらに、私の臨床心理の師匠は。
その前に「師」とつけておられました。

師、いろいろなこと(型)を示してくれる人

ということで、合わせますと「師・型・守・破・離」となります。

まさに2代目とは、先代を良き「師」として。
場合によれば「反面教師」として、跡を継ぐ立場です。

その「師」が作り上げた、今のしくみや方法など。
その良い点も、また悪い点も、基本となる「型」として。

まずはしっかりと理解して「守」しなければ。
自分なりの「破」も、その先の「離」もできないのですが。

得てして私たち2代目には、先代に批判的な視点を持つ人も多くて。
基本となる「型」を学ぼうとしない、手を抜く傾向があると思います。

そして、自分なりの「破」を押し通す。
自分では、先代から「離」したとカン違いする。

その結果として、経営や芸事などで失敗する。

だからこそ、2代目はしっかりと「型・守」をするために。

厳しいことを言う方、先代と比べて甘さを指摘する方、苦言を告げる方など。

たとえば経営者なら、先代経営者である父親とか、社内の古参幹部とか。
外部の識者や先輩の経営者など、耳に痛い話をする人を遠ざけてはいけません。

「型」の「守」なくして、社内の改革や業務のカイゼンに走れば。
それは柱の細い1階に、無理やり2階を建てるようなものです。

もし柱が細ければ、どこが弱いのか?十二分に理解した上で。

社内の資材や人材で、補強してから2階を建てるとか。
補強する資材も人材もなければ、外から調達するとか。

そうしなければ、建物ごと倒れてしまうのです。

そして2代目が、経営や芸事で成功した事例を見ていくと。
2代目自身でなく、周囲の人、他のお弟子さん、先代の幹部さんなどが。

しっかりと「型・守」している場合もあります。

ところが「型・守」によって、先代からのやり方を守っていても。
周囲の環境、時代の変化や市場の変化は必ず起きますので。

先代からの引き継いだ「型」が通用しなくなる、成果が出なくなって。
やがて環境の変化や時代の流れについていけない、取り残される事態となる。

たとえば創業者の一代だけで、2代目、3代目と続かない会社とか。
2代目以降が「守」ばかりに走り、ジリ貧となって消えていく会社とか。

これらは、典型的な「破」が進まなかった事例だと思います。

そのため、必ず2代目は「破」の段階に進む場面になるのですが。

自分や会社などを取り巻く、さまざまな環境を「水」と考えて。
今の問題や課題(砂糖や塩)を解決(ソリューション:溶解)する。

「破」は、このような発想で整理して考えると良いと思います。

すると「破」の方法、現状の問題や課題を解決する方法には。
大きく分けて、次のような3つの方法があることになります。

1.少しずつ(塩や砂糖を)小分けにして溶かす

問題や課題を少しずつ、溶かすように解決していく方法です。
問題や課題を次のようなキーワードでとらえてみます。

分解・分別・小さく・少なく・たたむ・削る・減らす・砕く・割る・折る・引く・絞る、など

2.溶かす媒体(水)の量を増やす

水の量を増やすように物量を増やして、解決する方法です。
今の環境(水)を次のようなジャンルと発想でとらえていきます。

時間・人・予算・アイデア・テスト、など+増す・多く・足す・転換・連合・連携・合併、など

3.溶かす媒体の熱(エネルギー)を高くする

水の温度を上げお湯にするように能力やエネルギーを高めて、解決する方法です。
今の環境(水)を次のようなジャンルと発想でとらえていきます。

効率・手法・意欲・工夫・ツール、など+変える・交代・高くする・上げる・一新する、など

 実は、この3つの方法は。

会社や事業、家元組織や芸事を継承するためでなく。
プライベートにおいても、大きくいえば人生においても。

自分のカラを破り、問題や課題を克服する方法として役に立ちます。
もし今、プライベートの問題や課題があるとしたらお試し下さい。

そして、いよいよ。
「破」まで進めば、最後は「離」となるわけですが。

一言でいってしまうと「離」とは、すなわち自分が新たな「師」となること。
つまりマスター、名人と呼ばれるような存在となることと同じだと思います。

こうして、次の代の人が「師・型・守・破・離」を改めて継承していくのです。

ではでは。また。

2014年10月14日火曜日

第二創業!飛躍する2代目、つまずく2代目

なるほど。

たしかに2代目経営者として、活躍している人たちについて。
本や経済誌、テレビ、新聞記事などで目にすると。

引き継いだ事業でなく、異業種の新規事業を立ち上げたりとか。
引き継いだ市場でなく、別の商圏や海外市場に進出したりとか。

それとも、先代から引き継いだ事業や市場と同じであっても。
今まで業界になかったような新商品や画期的なしくみを創造したりなど。

このように、新しいことに挑戦して。
会社を成長させている話が数多く出てきます。

よく「第二創業」といわれて。
2代目経営者が目指すべき方向だとされている事例です。

しかし反対に、新規事業や新市場、新商品とか。
新たなやり方やしくみなどに、ハンドルをきったばかりに。

引き継いだ会社を倒産させてしまう話も、同時によく耳にします。

では、このように「第二創業」で成功する2代目と。
「第二創業」を目指したために、失敗する2代目と。

この両者のどこに、違いがあるのか?
なぜ彼らは成功して、なぜ彼らは失敗したのか?

というご質問ですね。

いろいろな考え方や捕らえ方があると思いますが。
私なりの考えをお話しすると、まず失敗した事例を見てみると。

新聞やテレビ、本や経済誌、また調査会社のレポートなどで。
よく目にしたり、耳にしたりする失敗した会社の原因には。

あたり前のことですが、第二という言葉がついても。
創業とは、冒険(ベンチャー)であり、投資(賭け)ですから。

冒険に旅立つための準備や調査、地図(計画)の用意とか。
投資として、しばらく成果が出なくてもつぎ込める資金や人員とか。

この点の見通しや外部からの調達などが甘い、不確かなままに。
人やお金、技術など既存事業の経営資源が流失したり、脆弱になったり。

結果、第二創業の成果が得られないまま会社が倒れてしまった。
このような点を指摘したものが、ほとんどではないかと思います。

しかし、一方で成功した事例を見てみると。

2代目経営者に多いケースは、先代経営者が倒れるとか。
会社に「見えなかった負債」があって、継いでみて始めてわかったとか。

失敗した人と同様に、冒険に旅立つ準備や調査、地図もないままに。
投資に向ける資金や人員も不足した中、第二創業へ走りざる得なかったが。

苦境を乗り切り第二創業に成功した、という話が少なくありません。

さらに。このような倒産の危機や大ピンチを乗り越えて成功するという話は。
またまた第二が付いているだけで、ほとんどの会社の創業物語に必ずあります。

つまり、第二であっても創業である以上は。
準備や計画、資金や人員の見通しや調達が甘かったというのは。

あくまでも表面的なもの、結果論にしか過ぎないと考えます。

では、その向こう側にあるもの。

第二創業で、飛躍する2代目経営者、つまずく2代目経営者の違いはどこにあるか。

ズバリ!一言でいえば、それは「目的意識」の違い。

個人的には、このように考えています。

というのも。

第二創業であれ、業務のカイゼンであれ、未知なもの、未経験なものに挑む時。
また経験のある仕事でも、さらにプライベートのデートや旅行をしようと思う時でも。

大きくわければ、次の4W2Hで方法や計画を立てると思います。

Who(だれが?)
When(いつ?)
What(なにを?)
Where(どこで?)
How(どのように?)
How much(いくらで?)

進めるか?という具合です。

そして、これら4W2Hのかなめ。
4W2Hすべてのバックボーンにあるのが。

Why(なぜ?)という目的意識です。

何のために、第二創業をするのか?
なぜ今、第二創業に取り組むのか?

もっと言えば、さらに根本的なWhy。

何のために先代から会社経営を継いだのか?
なぜ自分は先代から会社経営を継いだのか?

これらは、たとえば第二創業で地域ナンバーワンになろうとか。
売り上げや利益を2倍にしようとか、年収1億円になろうとか。

このような目標ではなく、根源的な目的です。

しかも。ご存じのように第二創業、といわれるレベルの大改革は。

正直なところ、一般的に経営資源の乏しい中小企業では。
成功して、会社が飛躍したケースが相当に少ないと思います。

たぶん、第二創業に成功したといわれる2代目経営者は。
5人に1人?10人に1人?もいないのではないでしょうか?

直感的には。おそらく20人に1人、つまり100人中5人、5%くらい。
だからこそ、第二創業や改革に成功した2代目は目立つわけでして。

第二創業の成功!という栄光のウラには。
多くの失敗や挫折、大きな危険性があるわけです。

だからこそ、強い目的意識が必要不可欠であって。

この目的について、自覚して意識的であろうが、無自覚で無意識であろうが。
自分の心に刻んである、思い出せるような習慣や思い出す場面を持っている。

たとえその目的や行動の方向性が、仮に利己的なものであったとしても。

目的意識がある人、または目的意識を持ち続けられる人。
目的意識がない人、または目的意識を持ち続けられない人。

これが第二創業で、成果が得られる人と得られない人の違いだと思います。

同時に。経営やビジネスに限らず、何ごとにおいても。
光が強ければ影も濃く、光が広くあたれば影も広くなります。

光と影はセットで、すぐとなりに存在しています。

そう。第二創業においても。

光と影と同様に、飛躍して強く光り輝く2代目と。
つまずいて深い暗闇に引きずりこまれる2代目は。

表裏一体であり、その目的意識の差もわずかなのものではないでしょうか?

しかし、ちょっとした紙一重の差が大きく結果を分ける。
災害や事故などの現場では、生死さえも分けてしまう。

これもまた経営やビジネスに限らず言えることだと思います。

そういう意味では、目的意識が弱い人、強い人が存在するのでなく。
今は弱い人でも強くできる、反対に今は強い人でも弱くなる時もあるわけで。

もしよろしければ、自分で自分に質問してみて下さい。

自分は、第二創業をしたいのか?
したいとしたら、なぜしたいのか?と。

そして、第二創業をどうやってするか?どんな成功事例があるか?
どんな人が成功してその時のポイントは何か?を考える前に。

自分の意志、第二創業の目的意識をしっかり見極めてみて下さい。

それも、1回や2回でなく何回でも。
それも、表面をサラッ!と流すのでなく深く、より深く。

異業種に進出して、見事に第二創業に成功したある2代目経営者の方は。

「自分自身の血液型を変えるくらいの意識で臨んだ」と話してくれました。

それくらい、人が変わったね!と言われるくらいの行動や姿勢が。
第二創業を成し遂げるには、大事な要素となるとお考え下さい。

2014年10月9日木曜日

人の目と天の目

おもしろい言葉に出会いました。

その言葉は。

「人の目」というのは、気にするためではなく、利用するためにある

という一文です。

あたり前のことですが、人は社会生活を送る以上は。
老若男女、誰でも「人の目」の中にいると思います。

社長だろうが社員だろうが、幼稚園生だろうがおじいちゃんだろうが。
政治家だろうが労働者だろうが、お金持ちだろうがホームレスだろうが。

立場や年令や経験や知識など、一切関係なく「人の目」の中にいると思うのです。

もちろん、2代目という立場にいる人も。
まさに、いろいろな点で「人の目」の中にいます。

それも、たぶん取り囲まれている「人の目」が、他の人に比べると広くて深い。
しかも、たぶん尊敬やあこがれや信頼などでない目で見られていることが多い。

コイツ、ホンマに仕事できるんかいな?

大丈夫なん?こんな人が社長(家元・大看板)になるって?

何もせんでも手に入れただけで実力ないんとちゃう?

お飾りやからなぁ~ワシら現場のことは知らんやろ!

などなど。先代、社内の古参幹部、同業他社、取引先、世間一般など。
いろいろな立場からの「人の目」は、疑問やハテナマーク?のオンパレードです。

そのため「人の目」を気にしすぎる人もいれば。
反対に「人の目」を気にしなすぎる人が多いのも2代目だと思います。

ただし、残念ながら。気にしなすぎるような2代目の方へ、率直にお伝えすると。
もともと気にしていない方は、決して利用することができないと感じています。

また十中八九、この2代目横丁なんて存在を必要ともしていないでしょうし。
仮に。何かの関係でこの記事をお読み頂いているとしたら、お役に立てないと思います。

大変申し訳ないのですが、大切なお時間をムダにしますので。
ココから先は、他のブログやホームページへのご移動をお願いします。

そう。冒頭の言葉は、あくまでも「人の目」を気にしている方。
または気にしすぎている方に向けて「人の目」を利用すると言っていると考えます。

批判も、誤解も、ヤッカミも、中傷も、誹謗も。
警告も、忠告も、お叱りも、叱咤も、激励も。

気にするのでなく、利用する、プラスに、糧にしていく。
気にするのでなく、素直に受け止めてみる、耳を傾ける。

その上で。

「自分の道を迷いながら、歩いている子どものほうが、
他人の道で迷いながら、歩いている大人より好ましい」(ゲーテ)

という言葉があるように。
変化が激しい、さらに激しくなるであろう今の時代は。

周囲や「人の目」を気にしすぎないようにして。
自分の道を歩む気概と発想が必要になっている。

それが「気にする」のでなく「利用する」とした、本当の意味だと思うのです。

ところで、最近は自分の道を歩むとか。
我道を行く(Going My Way)と話すと。

ヒットした「Let it Go」の中に出てくるフレーズ。

ありの~ままでぇ~♪♫

という歌詞を思い出す方が、中にはおられるのではないでしょうか?

また「Let it:ありのまま」と耳にすると「Go」でなく。
それは「Let it be」では?とを思う世代の方もおられるかもしれません。

さらに直訳すると「Go」という方が「好きに我道を行く」という感じで。
「be」の方が存在そのもの、まさに「ありのままで」と思う方もおられるでしょう。

おもしろいことに、この2つの有名な大ヒット曲。

「Let it Go」と「Let it be」の英文の歌詞を読むと。

一つの共通点が見つかります。

実は「Let it Go」の前段には。
「Heaven knows I tried」という歌詞が出てきます。

前後の歌詞からして。私が冷たい風や嵐に挑戦してきた、耐えてきたことを。
「Heaven:天(神様)」は知っている、となると思います。

一方で「Let it be」では。
もっとダイレクトに「Mother Mary:聖母マリアさま」が現れて。

賢人の言葉として「Let it be」と話してくれたとなっています。

なるほど!この2つの有名な歌からすれば。

「人の目」を気にせず「Let it:ありのまま」であっても。
天や神様といった「天の目」があって「天の目」が認めてくれるから。

はじめて「Let it:ありのまま」で「Go:行く」であり「be:存在する」のだと。

このように解釈できるように思えるのです。

人が見ていなくても、天や神様が見ている。
日本風に言えば、お天道様が見ている。

このような感覚があってこそ、私は私よ!「ありのまま」でいられる。

特にリーダー、経営者、上司とか。
中でも、世間からきびしい目が向けられやすい2代目経営者という立場の人は。

天や神様、お天道様のように首尾一貫した価値観や考え方を。

やはり天や神様、お天道様と同じように。
どんな場合でも、どんな人にも、どんな時でも降り注いで。

自分の態度や行動にブレがないようにする、このことが大切ではないでしょうか。

余談ですが、女性から見て「ダメだ!コイツ!」と思われる男性は。
たとえばデートで自分にやさしくても、店員さんやタクシー運転手さんとか。

このような人に横柄な態度を取る人、首尾一貫していない人、だそうです。

そういえば。2代目経営者の中に多いのは、普段は紳士的なのですが。

夜の飲み屋さんになると、お店の女性に横柄な行動や態度に出る人。
先代や先輩経営者と違い、社員や後輩に対すると行動や態度が変わる人。

このような2代目の人は、天や神様、お天道様も見ていますが。
何より「人の目」が見ていて、さらに「人の口」には戸を立てられないものです。

金融機関の評価に「風評」という項目があるように、たとえ「風の評判」でも。
そして「人の評判」でも、中小企業の場合は信用を失うことがあるのでご用心を。

ではでは、また。

2014年10月6日月曜日

「のれん」を守る!広げる!改革する!

先月の半ばのことですが。

日本経済新聞の電子版でこんなタイトルの記事を見つけました。

-守るべき「のれん」間違えた和菓子の名門-

【参考記事ページ】
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77096180V10C14A9000000/?dg=1

書いている方は、帝国データバンクの藤森徹部長さんです。

内容としては。

500年以上も続く老舗中の老舗、上場企業でもある名門・和菓子屋さんが。
創業家20代目である社長が逮捕されるという不祥事を10年前に起こして。

その後は業績が上向かず、人事のゴタゴタも続いて。
最後は資金面でも、創業家からの無担保・無利息の支援に頼っていたのですが。

とうとう今年の6月、民事再生も不調に終わり破産になったという事件を受けて。
代々続いた老舗の「のれん」を守れなかった背景についてレポートしています。

実は、拙著である2代目横丁で配布していた小冊子。

2代目解体新書「なぜ2代目は失敗するのか?9割の人がハマる落とし穴」














  【A5版 27ページ】

に書いたのですが。

東京商工リサーチの調査によれば、今から13年ほど前の2001年に。
『「日本の企業倒産史上、特筆すべき現象の発生」があった』のです。

そう・・・・・・この老舗の和菓子屋さんの社長が不祥事を起こす3年ほど前。

2001年、業歴30年以上のいわゆる老舗企業の倒産が。
統計史上はじめて10年未満の新興企業を上まわりました。

これは、バブル崩壊直後の1991年には。
新興企業が、老舗企業の9倍も倒産していたことから考えても。
10年間で、老舗と新興企業の急速な格差の縮小と逆転があったことを示しています。

そして、今年2月の同じく東京商工リサーチの最新の調査によれば。

昨年2013年に倒産した業歴30年以上の老舗企業の倒産件数に占める割合は31.6%で。
前年より0.4ポイントアップ、過去15年間で構成比は最高を記録したといいますから。

新興企業との倒産比率が逆転した2001年以降も、着実に老舗企業が倒産する比率は増加。
一方で業歴10年未満の新興企業は構成比23.2%と2年連続でダウンしたというのです。

このような「老舗・冬の時代」の初期に、藤森部長さんが取り上げた和菓子屋さんの社長は。
業績低迷による株価下落から、上場廃止を避けるため架空の増資に手を染めてしまいます。

この事件の構図を藤森部長さんは。
『「のれん」の果たす役割』と題して、次のように述べています。

----以下、記事から引用----

この事件の構図は、歴史を背負うはずの社長の見通しが甘く、
海千山千の投資コンサルタントに目をつけられたことが発端に見える。

これは「だまされた」とする会社側、経営側の主張でもある。
しかし、本質は「信用」の意味を見失ったことにある。

上場維持による信用と、500年を超える「のれん」の信用。
どちらがより重要で、守るべきものなのか、取り違えてしまった。

古くから続く老舗菓子屋は多いが、上場しているところはわずかだ。

「のれん」の果たす役割の一つに「保証」がある。

「あののれんを掲げる店の羊羹は間違いない」

味、品質、といったものだけでなく、
作り手の信用までイメージさせる、強力なマーケティングツールだ。

しかし一方で、少しでも問題を起こすと、それは大きなしっぺ返しとして、
消費者からそっぽを向かれてしまうリスクもはらんでいる。

だからこそ老舗は「信用=のれんに恥じないこと」にこだわる。

---- ここまで ----

私たち、2代目横丁は。

「全力で暖簾(のれん)を「守る・広げる・改革する」を応援します」

をモットーにしています。

まさに、藤森部長さんが話しているように。

私たちも「のれんを守る」とは「信用を守る」ことだと思います。
しかし単なる社歴の長い「のれん」だけでは、決して「信用」は得られないのです。

考えてみれば。

一昔前、といっても四半世紀、25年くらい前までなら。
老舗という「のれん」だけでお客様や金融機関から高い評価を得ていました。
ところが、先ほど述べた倒産の統計でも明らかなように。

今の世の中、世間では起業家がもてはやされ、国も独立や起業を支援していますが。
老舗を継続させるのは、起業するより高度で困難な状況に13年ほど前からなっています。

世間では、よくボンボンだ!オジョウちゃんだ!甘ちゃんだ!などと言われますが。
2代目経営者は、起業家以上に厳しい自助努力が必要不可欠となったのです。

その結果、事業を継がせようとする親も、事業を継ごうとする子どもも減りました。
子どもに苦労をさせたくない、親とすれば当然の考え方でもあります。
子どもにしても、苦労が目に見えているのに継ぐのは蛮勇に思えます。

こうして老舗の「のれん」の多くが、引継ぎ手もなく。
日本中で、静かに降ろされ続けているのです。

同時に、きちんと信用を大切にしてきた老舗の「のれん」は。
今でも多くの方に支持されて、いろいろな「信用」も生みます。

この倒産した和菓子屋さんも、再生のために地域の方たちに署名運動をお願いしたところ。
わずか10日間で、1万2千人もの方たちの署名が集まったと言います。

もちろん、だからといって再生ができる保証はありません。
失った信用、地に落ちた「のれん」を再生する道は、厳しいものになるでしょう。

このような老舗の「のれん」の大切さと重さ。

私たち2代目経営者は、ひと時も忘れてはいけないものではないでしょうか。

2014年10月1日水曜日

「ザクとうふ」の哲学

「ウチは先代(父親や義父など)の頭が固くて困る!」

「ウチは古参の専務がうるさくて、言うことを聞かないんだ!」

「ウチは株主の身内(母や義母や先代の娘=妻)が何かと口をはさむんだ!」

などなど。中小企業の2代目や3代目などが、創業者や先代から会社経営を引き継いで。
自社の改革や新しい事業展開など、やるべきだと思うこと・やりたいことを進めようとする時。

このような言葉を口にする場面に、よく出会うことがあります。

個人的な経験からすると。

この手の話をするのは、圧倒的に先代の息子さんや娘ムコさんなど男性経営者です。
先代の娘さんやお嫁さんなど、女性経営者の方から耳にすることはまずありません。

一方で、他の家族から猛反対された義父の夢を引き受けて。
奥さま(先代の娘さん)に支えられながら、年商を越える投資を実行して。

大規模な工場を軌道に乗せて、その後もM&A手法を駆使しながら。
会社の売り上げを6年間で4倍に、そして日本一のお豆腐の製造メーカーにした方がいます。



作者の鳥越淳司さんは、いわゆる「おムコさん」であり。
あの「ザクとうふ」で有名になった相模屋食料の3代目社長さんです。

相模屋さんでは、お豆腐と縁遠いと思われていた20歳~30歳半ばの女性へ向けて。
チーズのようにクリーミーなお豆腐を作り、イベントのランウェイでモデルに持たせたり。

京都の有名な料亭とコラボレーション、味を極めたお豆腐を作ったり。
誰もなし得なかった、衛生管理の行き届いたオートメーション工場を実現したり。

地方の一中堅メーカーであった相模屋さんを。
今や「飛ぶ鳥を落とす勢い」に育て上げたのが、作者の鳥越さんです。

もちろん、鳥越さんが歩んできた道は平坦ではありません。
実に多くの紆余曲折があって、支えてくれた数多くの人たちがいます。

いわゆるイノベーターとして、業界では非常識だ!とされていることへの挑戦。
販売先のスーパーの幹部からは、会長(義父)のつくり上げた会社をツブ気か!と言われます。

ただ実際に、このスーパーの幹部さんの言うとおり。
工場を作ることに夢中で販売先まで考えていなかった!という現実もあったのです。

このような状況を変えてくれた、相模屋さんと「心中する」とまで言ってくれた新規の取引先。
年商を超える投資に、単なる数値分析でなくメインバンクとなり融資をした地方銀行など。

鳥越さんご自身も、この本の中で「助けてもらって大きくなった」と述べています。

たしかに、人に感謝する、助けてもらった恩義を持ち続ける、というこのような考え方は。
すべての経営者、特に2代目経営者にとって大切な姿勢だと思います。

一見すると。

このような周囲への感謝や恩義を大切にしたから、改革を進められて。
周囲から協力や理解が得られ、改革がなし得たとも考えられますが・・・。

一方で、少し?だいぶ?ひねくれた見方をすれば。
それは、成功したからこその結果論!かもしれません。

実際に、2代目経営者が現状の打破や成長を目指して。
業界や社内の常識や慣習を変えたり、止めたりと改革を進めれば。

悪気があるとか、ないとかに関わらず自然な現象として。

人は誰でも、自分の環境や現状を変えることに大小の不安を持ちます。
また自分の実績や成果、やり慣れたことに手を突っ込まれることに不満も感じます。

2代目が改革を進めようとすれば、必ず抵抗や反対が起こるのです。

そして、多くの2代目経営者は。
冒頭のような言葉を口にして。

なぜ先代や古参幹部、社員、また周囲の関係者から抵抗されるのか?
ではどのように考えて、どのように周囲に接して進めていけばよいのか?などと悩み続けて。

周囲から理解されないまま、周囲を理解できないまま、改革を頓挫させてしまうのです。

ズバリ!抵抗や反対する人たちに感謝できるか?と質問されたなら。
私ならムリ!と思えて、やはり感謝の気持ちで改革は成功しない気がします。

では、鳥越さんは抵抗を受けながら、なぜ抵抗を乗り越えられたのか?

一言で言えば、個人的には「覚悟があった」からだと思いました。

覚悟とは、やはり私なりの解釈では「自覚+悟り」です。

自分へ向けた決意であり、自分や周囲を冷静に見つめ受け入れる気持ちです。

周囲の人に「覚悟しろよ!」と押し付ければ、それは脅迫になります。
困難や不利なこと、危険なことだと「自覚しながら悟って」受け入れるのが「覚悟」です。

この本を読む限り、鳥越さんは。

まずサラリーマン時代に「覚悟」を身につけたと思います。
クレームの嵐の中、土下座をしたり、罵声を浴びせられたりした経験をしているのです。

また娘ムコとして、相模屋さんに入社してからは。
生産現場に立ち、寝る間も惜しんでお豆腐作りを徹底的に学びます。

2代目として、先代が育て上げた会社をキチンと継ぐ「覚悟」を身につけたのです。

そう、やはり「覚悟」を身につけるには。

このようにドロをかぶり、ドロまみれになる経験が必要不可欠ではないでしょうか。

頭にアセをかき、わきに冷アセをかき、恥をかき、メンツを捨て、それでも進もうとする。
そんな「覚悟」を持った人には、周囲の人たちも必ず手を差し伸べてくれると思うのです。

先代や古参幹部や身内、社員、また景気の動向や業界の衰退や成熟化などを嘆く前に。
何より先に自分の「覚悟」のありようを考えて、もう一度、周囲や経営環境を見直してみると。

新たな改革の道筋が見えてくる、そんなヒントをもたらせてくれる一冊だと思いました。

2014年9月26日金曜日

リーダーが陥ってはいけない5つのこと

本日は、かの「孫子」の言葉から考えたことです。

将(リーダー)が陥ってはならない5つの状態についてです。

1.必死は殺され、
2.必生は虜(とりこ)にされ、
3.分速は侮(あなど)られ、
4.廉潔は辱められ、
5.愛民は煩(わずらわ)さる

『将に五危あり
 必死は殺されるべきなり
 必生は虜にされるべきなり
 忿速は侮られるべきなり
 廉潔は辱められるべきなり
 愛民は煩わされるべきなり』

つまり、上記のような性格を持つリーダーとか。
戦いに臨んで、このような態度や感覚になるリーダーのもとでは。

将も兵も、リーダーもチームも、言いかえれば経営者も会社も。

1.必死になりすぎるリーダーは、殺される
(駆け引きができない、バリバリ!イケイケ!タイプ)

結果として。

心にゆとりがない、冷静でない、大局が見えないと。
リーダーも部下も、結局は犬死となって全滅する。

2.反対に生に固執するリーダーは、捕虜にされる
(生きることばかりで、勇気がない卑怯ものタイプ)

結果として。

部下ばかり戦わせて、自分は涼しい顔、逃げ隠れする。
挙句には、リーダーも部下も捕虜となり、奴隷となるか処刑される。

3.気が短く直情的なリーダーは、計略に落ちる
(感情的で短気、根本的に器が小さいワンマンタイプ)

結果として。

優秀な部下ほど、裏切ったり、去っていったり。
最後は、部下がイエスマンだけの無能な組織となり、だんだんと衰退する。

4.清く正しくあろうとするリーダーは、バカにされてだまされる
(自尊心が強く、メンツやプライドが高いタイプ)

結果として。

敵からも、部下からもだまされやすく、他人のミスは厳しく、自分には甘い。
理想主義的な言動で、部下が離散したり、おだてに乗ったりして自滅する。

5.情に厚すぎるリーダーは、部下を育てられない
(部下に振り回される、甘いタイプ)

結果として。

部下に力がつかず、厳しさが身につかないで。
リーダーは忙殺されて、やがて部下は逃げていく。

・・・誰とは申しませんが。

周囲にいる経営者には、時にこのようなタイプの人がいて。
お!と顔が浮かぶような人もいますが、大事なことは。

この5つの状態に、自分が場面や状況によってなりやすいこと。

どのような場面で、必死になりすぎてムリを重ね傷を広げたか?
どのような状況で、生にこだわり勇気なく手放せず引きずり過ぎたか?
どのような状況で、カッ!と感情的になり相手のペースにはまったか?
どのような場面で、メンツにこだわりせっかくのチャンスを逃したか?
どのような場面で、社員に振り回されすぎて大局を見失ってきたか?

など、場面や状況により「五危(5つの危険)」に。
必ず遭遇する、陥りそうになる、または陥っていた自分がいる。

このように自分に置き換えて、自分が弱い点や場面を想定して。
五危をチェックポイントに、より良い判断や決断を進めることだと思います。

ではでは。また。

2014年9月23日火曜日

あのトヨタ自動車の4代目でも!

日本一、いや世界一の企業。
天下のトヨタ自動車のお話です。

言わずと知れた、トヨタ自動車の創業家4代目・豊田社長さん。

この方もまた、他の2代目経営者と同様に。

入社以来「創業家だから特別なんでしょ!」と言われ続けて。
創業家のプリンスとしての噂が独り歩き、色眼鏡で見られていました。

ところが社長就任後、まだ1年もたたない時、ある大事件が起きて。
その矢面に自ら立って、戦う姿が社内の評判を変えたのです。

日経BB記事より
↓↓↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140820/270131/

この時、豊田社長は。

自らの頭で考え、自ら原稿を作り、自らの言葉で語り、自らの足で歩いて。
経営トップとして、事件解決の矢面に立ちました。

あれだけのチョー巨大な組織、そして社内の陣容からすれば。
彼が矢面に立つ必要もなく、反対に危険性もあったはずです。

「就任1年足らずで、社長を退任か・・・」

という覚悟さえ、したと言います。

そして、象徴的な言葉を自ら述べます。

「I love car!(私は、クルマが好きなのです!)」

これにより、大ピンチを乗り越えた豊田社長。
社内の評判や噂が変わり、はじめて社長として認められました。

振り返ると。トヨタ自動車より、はるかに。
どーみても、規模や実績の小さい会社の2代目や3代目が。

いつまでもオヤジさんや古参幹部に背中に隠れている。
矢面に立つどころか、尻を追いかけて口だけ挟んでいる。

オヤジは働かないとボケるから、ウチは幹部に任せているからと。
うそぶきながら、実は遊びに行く口実に使っているなど。

こんな2代目や3代目が多い気がします。

もちろん、ヒトのふりみて我フリを直すわけでして。
この2代目横丁をお読みの方は、矢面に立った経験が何回もあると思いますが。

自分の失敗が原因の時はもちろん、先代の負の財産や社員の失敗でも。
自分では、どうにもならないような社会や市場の変化も含めて。

そこから生じる矢面に立つ場面、というより豊田社長のように。
矢面に立ちざる得ない場面は、ウェルカム!と考えていきたいものですね。

ではでは。また。

2014年9月19日金曜日

「フォロワー」のための競争戦略

この本では、多くの中小企業が分類される市場での位置づけ。

フォロワー:トップ企業や2番手企業などの動きを追いかけるその他の企業

の競争戦略について論じています。



大多数のいわば平凡な中小企業、フォロワーは。
市場(お客様、お客様の候補)から見て。

差別化して特長やセールスポイントが明確で競争力のある企業とか。
絞り込んだ市場で特化して、競争力を身につけた企業など。

ニッチャー:業界他社とすみ分けが出来ている企業

とは違って。

市場の差別化も絞り込みも出来ていない、競争力に乏しい状態だと言えるでしょう。

このような多くの中小企業は、よく耳にする次のような戦略。

ランチェスター戦略(弱者の戦略):一点集中、局地戦、細分化

市場シェアNo.1・No.2戦略(GEのジャック・ウェルチ):選択と集中、弱い市場は撤退

という戦略が取れていないわけですが。

そもそもフォロワーに、このような選択と集中の戦略は。

「そのままでは当てはまらない」と著者の手塚貞治さんは述べています。

選択と集中は、根本的にハイリスク・ハイリターンな考え方であるので。
あくまでも、トップかトップと競い合えるNo.2という立場の企業だからこそ活きる戦略。

そこでフォロワーは、リスクを抑える考え方が不可欠であって。
リスクを抑えながら戦略を選択するべきだと手塚さんは指摘しています。

そのためリスクを抑えるというか、むしろリスクをさける戦略が優先。
つまり「競争回避」の戦略を最善策と示してくれていますが。

この意見には、わが意を強くしました。

というのも、誰かと競争するという発想をベースに会社経営の戦略を考えると。
どうしても固定的な考え方や一定の方向性しか見えなくなる危険があります。

しかし会社の経営、やお店での商売というものは。

もともと、市場(お客様)や社会に迷惑をかける、ダマすなどの行為がない限り。
決まりきったカタチも、やり方も、地域や国の境もなく、自由ではないでしょうか。

そのため、発想を自由に「戦わずして勝つこと」も選択肢に必ず入れておく。

特にフォロワー、中小企業や小さなお店は。
競争を避けることから発想したほうが、より良い結果が得られると思っています。

その上で、もし競争するとなった場合には。

顧客ロイヤルティ:顧客から選ばれる立場になる

持たざる強み:小資本ゆえの環境変化への対応性・低コストの強みを活かす

ポートフォリオ:リスク分散を顧客・ブランド・社員で進める

試行錯誤:小さな失敗を素早く重ねて成功していく

の4つの方向性と、その方向性に沿ったリスクをさけるための12の戦略が。
実際の成功事例を元にして、この本では解説されています。

ただ、この4つの方向性や12の戦略にしても。
あくまでも、フォロワーから脱した成功事例を分析しているので。

いわゆる「結果論」と言われると、その通り!となってしまいます。

そのため、単に「この戦略なら誰でも成功する!」とは言えないと。
手塚さんも、自らこの本の中で述べているように。

これらの4つが出来るなら、フォロワーに留まっていない!わけでして。
魔法のツエを期待して、模倣しただけではうまくいかないでしょう。

また現実に。

この本で成功事例として取り上げられている、あるネット系の人材紹介会社は。
最近の労働市場の変化に、かなり苦戦しており新規の戦略が必要となっています。

この点に関しても、手塚さんも「外部環境はめまぐるしく変化する」と書いていて。

変化のはげしい環境では、当たり前といえば当たり前ですが。
差別化や絞り込みなど「選択と集中」の戦略には、大きなリスクが伴うと指摘しています。

まさに、今の日本では。

国の財務や社会保障費の問題から、大多数の国民の雇用を支える中小企業に厳しくて。
人手不足や社員の高齢化が進む一方で、人を雇用する負担感がドンドン高くなっています。

また若い人を中心にした働き手の意識も変わり、経済の見通しも不透明感が漂います。
さらに多くの業界で、常に新しく、より安い商品やサービスが提供され続けています。

このような外部環境の変化に生き残り、永続的に企業やお店を続けるために。
フォロワーは戦わずして「競争回避」することが、ベスト戦略ではないでしょうか。

その上で。同業他社と比べることのない、競争を意識しない視点で。
すみ分けや差別化を進め「プチ・ニッチャー」となるのが現実的な戦略だと思いました。

2014年9月16日火曜日

ライバルを見なさい!と言われても・・・

なるほど。

コンサルタントの方に、ライバル分析が大事!
ライバルを見ずして経営なし!というように。

何かにつけて「ライバル!ライバル!」と言われて。
でも自分は「ライバルでなくお客さんを見たい!」と思って。

ピン!来ないで違和感があるのですね。

ズバリ!結論からいえば。普通の中小企業は。

ライバルと競い合う、という視点や発想に主眼を置くのでなく。
ライバルと違う点、別の位置や「道」をとるという考え方で良いと思います。

そのためには、やはり「ライバルよりお客さん」を見たほうがイイでしょう。

仮にもし、ライバルや同業他社の動きを見る、分析するとしたら。
他社が見ている「市場やお客さんの動向」に着目すればどうでしょうか。

そもそも、商売やビジネスに「決まりきった勝ち負け」はなくて。
本当は競争する、競争相手としてのライバルという発想や考え方もなく。

一定のカタチも、やり方も、順番も、勝ち負けのルールも。
決まったものがあるようで、実のところはないと思うのです。

ですから、勝ち負けも、カタチも、やり方も、順番も。
経営者自身や自社で決めれば良いのであって。

自分や自社に後悔がないように、または後悔を最小にする。
お客や市場、社会に後悔させないように、または後悔を最小にする。

この点を守れば、商売は続けていけるとも思います。

それと、もう一つ。コンサルタントに関する話ですが。

世の中で「コンサルタント」と名乗っている人たち。
特にビジネスに関するコンサル業界の特色について。

私自身、何千万円もの会社のお金を使い多種多様なコンサルを受けて。
何百万円の個人のお金をつぎ込んで、教える側のコンサルタントの経験から。

そのウラ側、コンサルタント業界の実態を。
肌で感じ、学んだことについてお伝えしたいと思います。

まず、バッサリ!と切り捨てれば。

ビジネスのコンサルの人たちのルーツ、経営でも組織でも営業でも。
XXコンサルと名がつくような人たちが、教えている発想や手法は。

欧米の思想、さらに細かく言うと将官と兵隊といった軍隊におけるもの。
つまり勝つことが最大の目的であり、それ以外に価値はないというものです。

そういう意味では、根本的に軍隊の洗脳発想であり、兵隊も消耗品です。
将官の命令の元、兵隊はイェッサー!以外に口にしてはならないのです。

まさに戦争の戦略であり戦術、競争の戦略であり戦術であって。
ライバル、敵国を倒すことこそが目的であり、焼け野原にしてしまうことです。

だから敵、ライバルの弱みや強みを知り、弱点をつくため徹底的に分析する。
または自社の弱みと強みといったSWOT分析などがハバをきかせているのです。

このような発想の元に、経営や組織や営業などを展開する考え方が。
マネージメントという横文字とともに、戦後の日本に入ってきたのです。

戦争で負けた当時の日本人にとっては、このような欧米人のやり方は。
最先端のノウハウと考え方として、一気に受け入れられて広がります。

そして、そんな欧米の教えを日本式に変えていく中で。

コンサルのノウハウや発想そのものでなく。
誰から教わるか?ということに価値をおく。

このような日本人的な発想から、今度はノウハウも経験も低いまま。
コンサルタントを依頼してくる人、クライアントを弟子などと称して。
自分に従属させようと、虚像をつくりあげる人たち増えています。

そういう点では、確かにコンサル選びも人物であって。
自分と価値観が同じ、自分との相性が一番大事です。

だから、もしピン!とこないなら。
そのようなコンサルからは、そっと離れるほうが賢明です。

というのも。実績があり、優秀なコンサルタントの方は。
必ずクライアント、コンサル先を自分が選びます。

反対に、コンサルを受けたくても。
なかなか受けられないということになるのです。

こうして経験がない若造が、誰かの受け売りで。
机上で勉強した頭でっかちの人たちが、実践の経験もなく。
横文字のノウハウとか、分析立論法などをやたらと喧伝する。

こんなヤカラがきわめて多いのが、コンサル業界の実情でして。
多くのコンサルの提供する商品が、欧米系の競争原理に基づくのですから。

当然、ライバルに関するものも多くなるわけです。

さらに。

もっと言ってしまえば、ライバル分析やライバルの対抗策を否定されると。
教えるものがない、すなわち自分たちのお金にならないからです。

このような人たちは、本当はコンサルタントでありません。
単なる自分や自社の商品を売り込みたいセールスマンです。

え~ライバル!ライバルはいかがですか!と大声を上げているだけなのです。

同時に多くの日本人は、誰から教わるか?誰とやるか?というように。
コンサルタントだけでなく、経営者と社員、自社と取引先なども含めて。

良くも悪くも「属人」主義だと思います。

その点は欧米人、今は中国人も「属物」主義ではないでしょうか?

当然ながら、国際的なビジネスをする上では。
欧米人や中国人に対さなければいけません。

また人が多くなり組織が大きくなれば、人に任せるよりも。
ルールやしくみを整えて、マニュアルで動かす方が効率は良くなります。

ですから、大企業は「属人」から離れ「属物」の発想や方向性をとりますが。
そのため大きく成長するには、属物的にライバルをぶちのめす発想が大事で。
あたかも、欧米式のコンサルが良いように世の中では思われていますし。
コンサルたちも、大企業の事例をよく取り上げて売り込んでくるのです。

もちろん、コンサル、そしてライバル分析がすべて悪いとは言いません。
しかし繰り返しますが、万が一にも経営の本筋になることはないでしょう。

ライバルや市場の動向、売れ筋を分析したり。
SWOT分析などして、自社の弱みや強みを分析したり。

あくまでもツールであって、経営の主流にはなり得ない。
このように考えみれば、良いのではないでしょうか?

この「2代目横丁」は、ツールを提供するというよりも。
結果を出すノウハウ、勝ち負けだけを追求する発想よりも。

商売やビジネスにおけるプロセス、いわば「道」について。
いろいろなお話を提供したい、情報を発信したいと願っています。

なぜなら2代目、3代目、4代目と何十年、100年と続く老舗には。
やはり「道を考える」「道を追い求める」という姿勢が大切だと考えるからです。

これからも少しでも、あなたの「道」を照らす小さな灯火になりたい。
このような話で、お役に立てたなら幸いです。

2014年9月13日土曜日

商いに大事な2つの「確かな目」とは

商売、ビジネスというもの、商いは。
自分が飽きないでやれること。

そしてお客様から、飽きられることなく。
お客様と商いを通じて、良好な人間関係が続くこと。

この2つが、大事であって。

人や社会や地域などに、迷惑をかけたり。
ウソで強引に売りつけたり、ダマしたり。

そういうことさえしなければ、自分の発想で自由に進めて良い。
このような考え方が、商いを進める上で大切ではないでしょうか。

同時に。

商売やビジネスを始めて、お店や会社を開くとか。
または商売やビジネスを継いで、先代からお店や会社を譲り受けて。

自由な発想の中で、自分の思うような商いをしながら。
自分のお店や会社を何十年、100年と続く老舗にすることは。

自分の発想や意欲だけでは、なかなか難しいと思います。

数年前のことです。

知人のMさんが、独立してお店を始めようとした時に。
当時、というか今でも市場環境がきびしい業界でのビジネスでしたので。

多くの方から「やめた方が良い」とか「もう少し景気が良くなってから」と言われたり。
資金に余裕があるから遊び感覚で始めたとか、影のスポンサーがいるんだろうとか。
勤め先とケンカして飛び出すのか!とか、つまらんウワサを流されたりしたそうです。

そのような中、私はMさんに「やってみればどうですか?」と話していて。
先日、Mさんから「どうして、あの時に賛成してくれたのですか?」と聞かれました。

それは、Mさんには業界でのキャリアも十分にあったとか。
人柄もよくリーダーシップがあったなど、一般的な理由もありましたが。

大きな理由の一つは。

「自己資金だけでやろう、借り入れが生じるようになったら止めよう」

とMさんが考えていたからです。

商売やビジネスを始める時、またはお店や会社を継いだ時。
コレをやりたい!アレをやりたい!こうしたい!など。

何をやりたいか?何をやれるか?と誰でも考えますが。
どうなったら止めるか?と考える方は、そう多くはありません。

商売やビジネス、商いは飽きないでやれることを。
どんなやり方でも、場所でも始めることはできますが。

どんなことになったら止めるか?
これだけは歯を食いしばってもやりたくない!

このような考え方から、常に見ていないと。
手遅れになり、致命傷を負うことが多いのです。

有名な例が、超音速旅客機「コンコルド」の話です。
コンコルドは、イギリスとフランスの政府の肝いりで。
共同で開発が進んでいた「夢のジェット機」でした。
しかし、すでに開発段階から赤字になる事が判明。

ところが、それまでの投資金額が大きかったため。
開発を止めずに、完成したのはイイものの。

赤字が大幅に拡大、より巨額の損失を生む結果となったのです。

そしてもう一つ、私がMさんの考えに賛成した理由は。

Mさんが、同業ライバルと競争しよう、マネをしようとか。
ドンドンとお店の規模を大きくする、売り上げを増やすなど。

そういう考え方とは一線を画して。
自分の求めたいお店づくりを目指そうとしていたことです。

もちろん、独りよがりに。
こんな店がイイ!と考えたわけではありません。

お店づくりの根拠、裏づけとなっていたのは。
Mさんが培ってきた、長年の業界での経験による「確かな目」です。

おもしろいことに、開店から数ヶ月の間は。
毎月のように、依頼した税務事務所さんから。

「このままだと、来月あたり運営資金がつまります!」

と言われ続けたそうですが、Mさんは。

「大丈夫、今月末までは売り上げがココくらいになるから」

と答えて、実際に資金がつまることはなかったそうです。

Mさんのお店は、開店から数年が経ちましたが。
同じ地域内の同業他社が苦戦する中で。

順調にお客様を増やし、多くのリピーターを確保しております。

思うに。このような商売やビジネスを見る「確かな目」は。
やはり本や講習では、決して身につかないでしょう。

行動を起こし、自分でやってみて始めて身につくものだと思います。

しかも、大小のさまざまな失敗や問題を乗り越えて。
始めて身につくもの、それが「確かな目」なのではないでしょうか。

残念ながら、ビジネスの神様、商売の天才と言われるような人にも。
お店や会社を始めると、想像もできないような失敗や問題が必ず起きます。

大事な点なので繰り返しますが、か・な・ら・ず!起こるのです。

もっと大きな視点で見れば人生において、人は何かのことで。

行動を起こせば、必ず大小の失敗や問題が起こる。
自分でやってみると、必ず大小の失敗や問題に遭遇する。

それは、じっと動かずにお風呂に入っていて。
動き始めると大小の波が必ずたつのと同じことです。

その人の能力や環境、年令や経験に関係なく。
自然なこと、起こるのが当たり前のことと考えられるのです。

その上で。

もし商売やビジネスで、何かの失敗や問題が起きた時に。

失敗や問題を解決しよう!という意欲や行動と同じか。
それ以上に大事なのが、止める!という選択ができること。

または。コレをしよう!アレに手を出そう!とするよりも。
コレだけはしない!アレには手を出さない!と決めていること。

これこそ、何十年と続く老舗と言われるお店とか。
2代目、3代目と代々と続く会社に共通する大きな特徴だと思います。

そう。ビジネスや商売を続けるために必要な「確かな目」とは。
商いを始める、手を広げるという将来を見据える「確かな目」と共に。
商いを止める、手を出さないという現実を見据える「確かな目」も。
同じか、それ以上に大切な視点だと考えた方が良いと思います。

しかし一方で、お店や会社を起こしたばかりの創業者や起業家とか。
お店や会社を継いだ2代目や3代目など、経験が浅い経営者にとって。

止める!手を引く!手を出さない!という視点は。
先ほどのコンコルドの例のように、なかなか持ちにくい視点です。

だからこそ、止める!手を出さない!を含めた客観的に広い視点を。

キチンと示してくれるような人物が、そばにいること。
自分のお店や会社の中、または外に必ずいること。

これが老舗や100年企業となるための条件の一つだとも思います。

そして、客観的な広い視点に基づく意見やアドバイスは。

得てして、耳に痛い、腹の立つ、自分の意見と反対のことが多いもの。

それでも、ちゃんと自分に伝えてくれる信頼のおける人物を見抜く目。
お世辞やご機嫌取り、ただ単のイエスマンに過ぎない人物を見抜く目。

これもまた、商売やビジネスに必要な「確かな目」の一つではないでしょうか。

このように。

自分自身が将来や現実を見据え、客観的に判断できる「確かな目」を持つ。
または「確かな目」を持つ信頼の置ける人物を見抜く「確かな目」を持つ。

この2つの「確かな目」があれば、大小さまざまな失敗も問題も乗り換えて。
やがてお店や会社の進化の糧となって、老舗や100年企業を築く幹となる。

これは私自身、かつて会社存亡の危機に直面した時に。
痛みと共に得た発想、常に磨いておきたいと願っていることでもあります。

今回は、お店を始めて数年経ったMさんとの会話から。
Mさんのお店も、きっと老舗といわれるようになると。

改めて感じた、その中で自分を振り返ってみた話でした。

ではでは。また。

2014年9月11日木曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その4-

この状況、メンバーが仕事に追われる状況は。

2014年に入ると、ますます加速&拡大していきます。

あるメンバーは、会社の内部体制の整備に。

またあるメンバーは、大きな決断をして会社形態の大改革に。

そして別のメンバーは、新たな取引先を求めて積極的に攻めに出るなど。

自社のおかれているポジション、社内や市場の現状に合わせて。

経営者として、まさに東奔西走が続いたのです。

そんな「時間がない!」「体が2つほしい!」状態ですから。

2代目横丁の活動、勉強会も、新たな情報発信の場作りも中止。

このような状態が、今年の6月頃まで続きます。

一度、開設したこのブログも。

投稿を消して、再構成することにしました。

そして、今年はじめて開いた7月の勉強会。

ようやく、ブログの再開と「メールによる相談を広く受付よう!」と。

新生・2代目横丁がスタートしたわけです。

今後、時間を見ながら。

過去のメルマガ(150本)の開示やビジネスレポートの開示とか。

あの幻の小冊子の改訂版の復刊など。

少しずつ、コンテンツの内容を広げていければ!と考えています。

2014年9月9日火曜日

社員に気持ちが通じないのですが・・・

なるほど。

大事にしている、頼りにしている、そんな社員さんに。
自分の気持ちが通じない、ということがあったのですね。

もともと人の気持ち、人の心は。
通じにくい、わかりづらい、だから苦労や努力がいる。

それは、他の人と自分だけでなく。
自分自身、自分と自分の場合も同じ。

こーやろう!あーなりたいという気持ちや心があっても。
なかなかできない、なかなかなれない、って経験がありませんか?

時には他の人に、まったく正反対の受け止め方をされたり。
わかっているのに、なかなか行動に出られない自分がいたり。

自分自身を含め、すべての人は。
幾度となく、こんな経験を繰り返していると思います。

あえていえば、100の悩み、もがき、苦しみ、そして涙と挫折の中に。
人は1つの成功、通じた!わかってもらえた!という結果を手にできれば。

それで達成感、やる気、チャレンジ・スピリッツを感じられるもの。
意外と省エネに、人の考え方はできているのかもしれませんね。

その上で、ちよっと考えさせられる質問がありました。

1.社員や取引先と心が一つになっているけど利益が出せない経営者

2.社員や取引先と心が離れ離れになっているけど利益を出している経営者

または

a.社員や取引先から好かれて尊敬されているけど利益が出せない経営者

b.社員や取引先から嫌われ恐れられているけど利益を出している経営者

という場合、あなたは経営者として、どちらを目指すか?というものです。

もちろん、個人の人間関係、または人生という広い視野からすれば。
心が一つ、好かれている、という方が大切かもしれませんが。

ポイントは、経営者として、という点です。

そう。会社は利益集団であり、学生サークルやボランティア団体と違う。

もちろん、心が一つに、好かれながら利益が出ていれば良いのですが。
一つにしようとするあまり、好かれようとするあまり、甘くなってはアウトです。

もし、部下に気持ちが通じずに「え?ナニそれ?」とビックリしたなら。
気持ちが通じなかったことに悩むのも、その部下を心のうちで切り捨てるのも。

そのどちらも、経営者、特にトップの社長として「アリ」だと。

このように考えてみるのも、一つの手かもしれませんね。

その一方で。

もし、人を思う心、それによって自分の心が傷つくとしたら。
それは乙女チックな感性でなく、心の弱い人間がなるものでもなく。

リーダーとして大切な感性だとも思うのです。

頼りにしていた人、それが部下でも、友人でも。
また家族でも、恋人でも、相手との想いに違いがあると。

それはショックを受けます、誰でも傷つきます。
時には、土砂降りの雨の中で叫びたくもなります。

それがリーダーなら、人を束ねる立場の人ならば。
ごく自然に、まさに雨が降るように、身に降りかかることが多いでしょう。

その上で、心が雨に濡れると。

大きく分けると、自分を振り返る人、自分を省(かえり)みる人と。
相手を攻める人、相手に反省を求める人がいると思います。

その中で、時と場合によって。
自分を省みすぎたり、相手に反省を求めすぎたり・・・。

そういう意味では、どちらに偏ってもいけないとも思うのです。

今は、雨が降っても良いし。
雨の中を迷いながら歩いて、ずぶ濡れになっても良い。

ただ、そのために風邪をひかぬように。
ひきそうなら、友人や仲間が暖めてくれるように。

そんな自分をねぎらってくれるような人、またはそのような環境など。
孤独だといわれる経営者には、必要不可欠でもあります。

この2代目横丁も、そんな雨に濡れた2代目のみなさんの小さな傘。

少しでも、お役に立ちたいと思っています。

2014年9月7日日曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その3-

改築、といっても結果的には「新築・移転」となりました。

というのも、長年にわたり利用していたサーバーの会社とトラブルがあって。

過払いを要求されて、支払ったら。

そのまま預かり金とされたり、小さく書いた件で余分にお金を取られたり。

チラシや雑誌広告などにも、よくあることですが・・・。

小さく「ただし・・・」と書いてあり、実際には安そうに見えて高い!とか。

どうみても、それがなければ広告にうたった機能が使えんのでは?と。

そういう肝心なオプションが、別料金で小さく書いてあるとか。

こういう感じで、スッタモンダしたのです。

考えてみると、最初に契約した会社が某会社に買収されて。

経営母体が変わり、経営の方針も変わったのが一因かと思います。

そのため、データを引き上げ移転を決めて。

新たな情報発信の場、新たなメールマガジン配信システムなど。

いろいろな試行錯誤が始まりました。

その一方で、ちょうど同じ2012年の秋ころに。

創立メンバーから、今のメンバーへの入れ替わりもあって。

また、翌2013年は。

各メンバーも、仕事に追われる状況もありまして。

メンバー限定のメーリングリストによる発信と勉強会に終始。

こうして、アッ!という間に2013年も終わりを告げました。

2014年9月6日土曜日

今朝の話【Twitterリンク】

今朝、通勤途中の信号待ちで。

小さな女の子の手を引いて、一緒に歩くTシャツ短パン姿のお父さんを見かけた。

女の子は、3才くらいだろう。

よちよち歩きながら、何気に道端のいろいろなもの。

雑草?ただの地面?それとも電柱の根元?それとも虫?

キョロキョロ、キョロキョロ、めずらしそうに見ている。

でもお父さんは、視線を前に向けたまま。

そんな女の子に、気づかないご様子。

散歩だろうか?それとも、その信号の先のコンビニに買い物だろうか?

もし、お父さんが。

単に散歩をする、買い物に行く、でなく。

子どもとの時間、子どもと一緒に過ごすんだ、と意識していたなら。

視線を子どもに向けて、話しかけていたかな?と思った。

その時である。ふと、気づいた。

何ごとも、何かをする時には目的が大切。

ただ単に。会社を経営する、仕事をするでなく。

何のために経営するのか?何のために仕事をするのか?と。

意識を持つだけで、経営も仕事も中身が大きく変わる。

ふとした朝の光景から、学びを得た気がした瞬間でした。

2014年8月31日日曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その2-



 この創業店舗は、yahoo!検索ワード「2代目」と入れると。

徐々に検索ランキングをアップ!

そしてついに!

 2007年7月4日、2,590,000サイト中で1位となったのを手始めに。

 それから1年4ヶ月後、2008年11月17日に10,200,000サイト中で7位。

さらに2009年1月14日にも11,700,000サイト中で7位を継続。

 2009年3月6日に14,700,000サイト中で再び3位まで上昇。

2009年5月8日に11,600,000サイト中で7位にまた下降しましたが。

その後に、検索サイトのシステムが変更。

検索ワード「2代目」では上位に出なくなる一方で。

2009年6月3日には「2代目経営者」という検索ワードで。

705,000サイト中で堂々の1位を記録!

2009年12月4日には、再び「2代目」というワードで。

 20,600,000サイト中で7位に返り咲くなど、長期にわたり検索上位をキープしました。

 その間。

小冊子「2代目解体新書 なぜ2代目は失敗するのか? 9割の人がハマる落とし穴」

(A4版26ページ  定価1,000円)を自主制作。

さまざまなビジネスレポートも発行、ご希望の方に送付すると共に。

2012年9月末現在、メルマガ「2代目横丁かわら版」も発行数150本を数えました。

 そして。2012年10月、新たな次のステージを目指して。

完全ブログ形式の「2代目横丁」新店舗へ向けての改築が始まりました。

2014年8月30日土曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その1-

今思うと。すごく単純な話だったかもしれません。

 2004年。ある地方都市、中小企業の組合青年部。

勉強熱心で、前向きに会社経営に取り組みたい!と願う2代目が集まって。

ワイワイと「あーでもない、こーでもない」と勉強会を開いていました。

ボンボンだ、迫力がない、ヨワヨワしい、甘ちゃんなどなど。

社内でも、社外からも何かとそんな目で見られることが多い立場。

世の中でも、批判が多い2世と言われる若手経営者たちでした。

 東京のセミナーに参加したり、経営戦略を立案するために合宿したり。

実践的なマーケティングや組織論、経営者心理や今後の経済動向など。

いろいろなことをテーマにした勉強会を月一回のペースで進めていました。

 最初から「来る人を拒まないけれど、手を上げない人をムリに誘わない」と。

こんな精神でスタートしましたので。

自然と自主的な活動が1年ほど継続されていたのです。

そんな中、一つのテーマが話題になりました。

 「今年(2004年)の6月頃から、ブログというものがブレークするよ」 という話から。

 そのブログを利用して何かやらないか?

それもブログを使って実践形式の活動をしてみないか?

ネットによるマーケティングやセールスをテストしないか?などなど・・・。

 ただの勉強会ではなく、実際に自分たちの活動の場として。

ほとんどのメンバーが、ブログというものを全く知らない中。

無料のブログから始めて、さまざまなテストや投稿の実践経験をつみました。

同時に、私たちの専用のホームページを立ち上げたい!

しかも2代目仲間に喜ばれるモノを作りたい!という意見が出て。

 翌年の2005年、2代目による2代目のためのホームページ計画がスタート。

 その年の秋には、情報収集と試行錯誤の中でホームページの作成方法を研究して。

ブログ投稿を使える(Movable Type)サーバーの会社と契約。

 2006年2月、ついに「2代目横丁ドットコム」を開店することができました。