2014年10月14日火曜日

第二創業!飛躍する2代目、つまずく2代目

なるほど。

たしかに2代目経営者として、活躍している人たちについて。
本や経済誌、テレビ、新聞記事などで目にすると。

引き継いだ事業でなく、異業種の新規事業を立ち上げたりとか。
引き継いだ市場でなく、別の商圏や海外市場に進出したりとか。

それとも、先代から引き継いだ事業や市場と同じであっても。
今まで業界になかったような新商品や画期的なしくみを創造したりなど。

このように、新しいことに挑戦して。
会社を成長させている話が数多く出てきます。

よく「第二創業」といわれて。
2代目経営者が目指すべき方向だとされている事例です。

しかし反対に、新規事業や新市場、新商品とか。
新たなやり方やしくみなどに、ハンドルをきったばかりに。

引き継いだ会社を倒産させてしまう話も、同時によく耳にします。

では、このように「第二創業」で成功する2代目と。
「第二創業」を目指したために、失敗する2代目と。

この両者のどこに、違いがあるのか?
なぜ彼らは成功して、なぜ彼らは失敗したのか?

というご質問ですね。

いろいろな考え方や捕らえ方があると思いますが。
私なりの考えをお話しすると、まず失敗した事例を見てみると。

新聞やテレビ、本や経済誌、また調査会社のレポートなどで。
よく目にしたり、耳にしたりする失敗した会社の原因には。

あたり前のことですが、第二という言葉がついても。
創業とは、冒険(ベンチャー)であり、投資(賭け)ですから。

冒険に旅立つための準備や調査、地図(計画)の用意とか。
投資として、しばらく成果が出なくてもつぎ込める資金や人員とか。

この点の見通しや外部からの調達などが甘い、不確かなままに。
人やお金、技術など既存事業の経営資源が流失したり、脆弱になったり。

結果、第二創業の成果が得られないまま会社が倒れてしまった。
このような点を指摘したものが、ほとんどではないかと思います。

しかし、一方で成功した事例を見てみると。

2代目経営者に多いケースは、先代経営者が倒れるとか。
会社に「見えなかった負債」があって、継いでみて始めてわかったとか。

失敗した人と同様に、冒険に旅立つ準備や調査、地図もないままに。
投資に向ける資金や人員も不足した中、第二創業へ走りざる得なかったが。

苦境を乗り切り第二創業に成功した、という話が少なくありません。

さらに。このような倒産の危機や大ピンチを乗り越えて成功するという話は。
またまた第二が付いているだけで、ほとんどの会社の創業物語に必ずあります。

つまり、第二であっても創業である以上は。
準備や計画、資金や人員の見通しや調達が甘かったというのは。

あくまでも表面的なもの、結果論にしか過ぎないと考えます。

では、その向こう側にあるもの。

第二創業で、飛躍する2代目経営者、つまずく2代目経営者の違いはどこにあるか。

ズバリ!一言でいえば、それは「目的意識」の違い。

個人的には、このように考えています。

というのも。

第二創業であれ、業務のカイゼンであれ、未知なもの、未経験なものに挑む時。
また経験のある仕事でも、さらにプライベートのデートや旅行をしようと思う時でも。

大きくわければ、次の4W2Hで方法や計画を立てると思います。

Who(だれが?)
When(いつ?)
What(なにを?)
Where(どこで?)
How(どのように?)
How much(いくらで?)

進めるか?という具合です。

そして、これら4W2Hのかなめ。
4W2Hすべてのバックボーンにあるのが。

Why(なぜ?)という目的意識です。

何のために、第二創業をするのか?
なぜ今、第二創業に取り組むのか?

もっと言えば、さらに根本的なWhy。

何のために先代から会社経営を継いだのか?
なぜ自分は先代から会社経営を継いだのか?

これらは、たとえば第二創業で地域ナンバーワンになろうとか。
売り上げや利益を2倍にしようとか、年収1億円になろうとか。

このような目標ではなく、根源的な目的です。

しかも。ご存じのように第二創業、といわれるレベルの大改革は。

正直なところ、一般的に経営資源の乏しい中小企業では。
成功して、会社が飛躍したケースが相当に少ないと思います。

たぶん、第二創業に成功したといわれる2代目経営者は。
5人に1人?10人に1人?もいないのではないでしょうか?

直感的には。おそらく20人に1人、つまり100人中5人、5%くらい。
だからこそ、第二創業や改革に成功した2代目は目立つわけでして。

第二創業の成功!という栄光のウラには。
多くの失敗や挫折、大きな危険性があるわけです。

だからこそ、強い目的意識が必要不可欠であって。

この目的について、自覚して意識的であろうが、無自覚で無意識であろうが。
自分の心に刻んである、思い出せるような習慣や思い出す場面を持っている。

たとえその目的や行動の方向性が、仮に利己的なものであったとしても。

目的意識がある人、または目的意識を持ち続けられる人。
目的意識がない人、または目的意識を持ち続けられない人。

これが第二創業で、成果が得られる人と得られない人の違いだと思います。

同時に。経営やビジネスに限らず、何ごとにおいても。
光が強ければ影も濃く、光が広くあたれば影も広くなります。

光と影はセットで、すぐとなりに存在しています。

そう。第二創業においても。

光と影と同様に、飛躍して強く光り輝く2代目と。
つまずいて深い暗闇に引きずりこまれる2代目は。

表裏一体であり、その目的意識の差もわずかなのものではないでしょうか?

しかし、ちょっとした紙一重の差が大きく結果を分ける。
災害や事故などの現場では、生死さえも分けてしまう。

これもまた経営やビジネスに限らず言えることだと思います。

そういう意味では、目的意識が弱い人、強い人が存在するのでなく。
今は弱い人でも強くできる、反対に今は強い人でも弱くなる時もあるわけで。

もしよろしければ、自分で自分に質問してみて下さい。

自分は、第二創業をしたいのか?
したいとしたら、なぜしたいのか?と。

そして、第二創業をどうやってするか?どんな成功事例があるか?
どんな人が成功してその時のポイントは何か?を考える前に。

自分の意志、第二創業の目的意識をしっかり見極めてみて下さい。

それも、1回や2回でなく何回でも。
それも、表面をサラッ!と流すのでなく深く、より深く。

異業種に進出して、見事に第二創業に成功したある2代目経営者の方は。

「自分自身の血液型を変えるくらいの意識で臨んだ」と話してくれました。

それくらい、人が変わったね!と言われるくらいの行動や姿勢が。
第二創業を成し遂げるには、大事な要素となるとお考え下さい。

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