2015年8月28日金曜日

史上ワースト・ワン!ある2代目のセリフ

自分で商売をしている人、たとえば商店主や経営者や部門長など。
リーダーとして自覚や積極性があり、自ら先頭に立って行こう!という人も。

他の人からの指示や指導で仕事をしている人、一般的な会社員など。
主に他動的であり、あえて先頭には立たちたくないな!という人も。

商売をしている、仕事をしている以上は誰でも。
利益や売上げなどの結果や新商品の開発や経費節減などの成果を求められる。

そう。職業として、プロとして何かを行なう上で。
自らも他の人からも、社内からも社外からも、そして世間からも。

必ず求められるのが、結果や成果ではないでしょうか?

別の角度から言えば、結果や成果を求めないとしたら。
商売や仕事でなく、趣味やボランティア、またプロでなくアマチュアの話。

このように解釈ができるかもしれませんが、よくよく考えてみれば。

趣味でもコンクールの入選とか、自分自身の満足感、他の人からの評判とか。
ボランティアやアマチュアであっても、何かの結果や成果を求めて活動するわけで。

だから、たとえばスポーツやトレッキングなど体を動かすことでも。
俳句をつくる、小説を書く、絵を描くなど頭や感性を使うようなことでも。

そして、商売や仕事などビジネスの分野は言うまでもなく。

結果や成果が得られるやり方や考え方など、いわゆるノウハウ本とか。
結果や成果を得た人の体験や行動パターンなど、いわゆる成功者本とか。

出版不況と言われて、活字離れや本離れが進んでいるとされても。
印刷された本でもデジタル化された文字でも、書店でもネット販売でも。

ノウハウ本やノウハウの情報、成功者本や成功者に関する情報は。
今の世の中にあふれ、ということは多く人が欲しているのだと思います。

ちがう言い方をすれば、どんな行動についても結果や成果がすべて。
100%すべてとは言わないまでも、結果や成果に対する欲求は高い割合を占める。

そのため、結果や成果が気になる、思うような結果や成果を得たい。
成功したい、評判を得たい、反対に失敗したくない、批評は受けたくない。

これが多くの人が持つ心理であって、たとえば。

もし今のやり方を変えて、商売が傾いたらどうしよう?仕事に失敗したら?
もしこんなプライベートの姿を他の人に見られたら?こんな趣味を知られたら?
もしかしたら他にもっとイイ方法とか、もっと短期間で成果が出るやり方があるのでは?

などなど、このように思うと。

商売も仕事も、自分のプライベートも、なかなか行動に移せない。
行動が狭くなる、制限される、ある意味で行動に臆病になるなど。

誰でも、それなりに結果や成果に対する不安感みたいなものを抱いていると思います。

中でも、特に2代目といわれる人たちには自分の行動について。
子どもの頃から、イイ子でいなさい!これはダメ!こうしなさい!など。

いろいろな面で制限をされていることが多く、行動に対して慎重というか。
世間体や近所や地域の評判を気にする、気にしすぎるという傾向が強くて。

石橋を叩いても渡らない人、先代から継いだものを守ることに熱心な人がいる一方で。

世間体や他の人の評判、さらに先代に対する評価や実績を気にするあまりに。
無謀な行動や放蕩に走り、引き継いだ資産や良い評判を壊す人も少なくありません。

「2代目師匠さん、オヤジが言った約束はオヤジのこと、オレはオレですよ
死んだオヤジに言いたいことがあるなら、位牌があるから庭先に出しますよ
それで文句があるなら位牌にXX(とても書けません!)をかけてもらって結構です!」

と言った同業者の2代目社長は、先代が亡くなり会社を引き継いでしばらくすると。
いつの間にか会社の資産を外部に引っ張るだけ引っ張って、計画的に倒産します。

こうして社員、そして取引先や仕入先に多大な迷惑をかけながらも。

今も経営規模を縮小して、同じ商売やっているので。
その後の「失われた20年」での大きな苦労や試練を避けて。

経営者とすれば、早めに「うまく逃げ切った」??「リストラに成功した」??

・・・と思っている人も、いるかもしれません。
また商売を続けているという点では、結果や成果を出しているのかもしれませんが。

経営者というか、2代目というか、それ以前に人として。
私とはハダが合わない、相容(あいい)れない人でした。

そう。言うにこと欠いて、まさか先代の位牌に・・・。

実は、この先代には若い時から可愛がって頂いて。
商売のことを教えてもらったり、いろいろな商売のやり取りもあったり。

プライベートでも、いろいろと目をかけてくれた方でした。

その上で。

「2代目師匠くん、ウチの息子はどうだい?他の若い2代目と比べてさ
うまく商売をやっていけそうかい?オレの跡を継がせて大丈夫かな?」

と言われた時、すでに他の2代目や共通の仕入先や取引先から。
あまりパッとしない評判を耳にして、実際に彼の行動にもクエスチョンがつくもの多くて。

ホンネでは「ヤバいかな?」と思っていたのですが、この先代に心配をかけたくなくて。

「大丈夫ですよ、彼なら立派に跡を継ぎますよ!
それに社長のところは、経営が安定していて資産も豊富じゃないですか!
よほど市場や経済事情が大きく変わらない限り、おかしくなることもありませんよ!」

と応えて、そうかそうか!と目を細めてお酒を飲んでいた先代の顔を思い浮かべると。

彼の「先代の位牌を・・・」というセリフは、先代の思いを知っているつもりだけに。
2代目経営者から耳にしたセリフ、ダントツのワースト・ワンと言わざるを得ません。

結果を出す、成果を得る、たしかに大事なことです。

商売や仕事、プロである以上、いくらプロセスや理念が立派でも。
結果や成果につながらないことは、意味がないのかもしれません。

さらにプロセスや理念が立派なら、必ず結果や成果がついてくるほど。
商売や仕事は、簡単なものでも、キレイ事で済むことでもないと実感もしています。

そんな思いがある中で。
昨日、ある言葉を目にしました。

「物ごとのやり方を決めるのは、人間ではなく自然である」

一見、表面上は。
いや実際に、現実の社会では。

人は商売や仕事、趣味やプライベートで、自分で考え行動して。
望む結果や成果を得るために、ノウハウや成功事例を探して。

やり方や考え方を決めていると思うのですが。

物ごとのやり方は「人間でなく自然が決めている」と考えたら。

商売や仕事の結果や成果も、自然の産物であって。
100%完全に、予測も計画もコントロールもできない。

このように思えて、ワースト・ワンのセリフを吐いたあの2代目も。
それに嫌悪さえ覚えながら、キレイ事ばかりでないと骨身にしみている私も。

やり方を自然の中に身を委ねて決めている、と考えることができて。

結果や成果も自然の中、気にしすぎてはいけないと。

改めて、思ったのでした。

ではでは。また。


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