2015年9月3日木曜日

経営者の苦闘とは

かなり以前、経営に思い悩んでいる時。
すごく考えさせられた記憶があるのですが。

『企業の継続年数というのは、
その企業がどれだけ困難に「耐えたか」の指標であり、
また経営者が精神的困難をどれだけ乗り越えたかの指標でもあります』

先日、このような言葉を。

起業家に投資するベンチャーキャピタルの方が書いた本から目にしました。

たしかに、会社を継続するというのは数値的に見ても困難です。

統計や計算したもの、諸説いろいろある中で。
企業生存率を一番高めに出している数値でも。

創業後10年続く会社は、100社中70~80社くらいと言われて。
それが、長年にわたり2代目、3代目・・・と存続していくとしたら。

創業者から2代目に継ぐ時期になるであろう、創業後20~30年では。
100社中50社前後となり、それが3代目に継ぐ段階の創業後50年となると。

100社中16社ほどになっています。

さらに3代目が経営を全うするあろう、創業後100年ともなれば。

わずか1000社に1~3社程度だと言われています。

もちろん今、2横ブログをお読みの創業者や2代目や3代目以上の経営者の方なら。
こんな数字を目にするまでもなく、経営をする困難、企業を継続する困難をハダで感じて。

それに伴う「経営者の精神的困難」は、骨身にしみているはず。

経営には困難がつきものであり、困難なことでもあり。
企業の継続年数は、まさにそれに耐えた証(あかし)であって。

企業が困難に耐えるとは、経営者が精神的困難を乗り越えたことに他ならない・・・。

経営者の末席にいる私としても、このように。
日々の経営活動で感じ、骨の髄までしみ込んで思うのです。

その上で、企業をゼロから立ち上げた創業者や起業家はもとより。
2代目や3代目といった、企業の継続年数を重ねる役目の経営者も。

創業者や起業家、また世間から見れば、甘いのかもしれませんが。
それでもその姿は、まさに苦闘、苦しみ、戦うことの連続のようにも思えます。

そんなシビアな創業者や起業家の苦闘について、冒頭の言葉と共に。

・苦闘とは、そもそもなぜ会社を始めたのだろうと思うこと

・苦闘とは、あなたはなぜ辞めないのかと聞かれ、その答えを自分もわからないこと

・苦闘とは、自分自身がCEOであるべきだと思えないこと

・苦闘とは、自分の能力を超えた状況だとわかっていながら、代わりが誰もいないこと

・苦闘とは、全員があなたをろくでなしだと思っているのに、誰もあなたをクビにしないこと

・苦闘とは、失敗ではないが、失敗を起こさせる、
               特にあなたが弱っているときにはそうだ、弱っているときは必ず

と語っていたのが、次の「ハード シングス」という本です。



もしこの創業者や起業家向けの「苦闘とは」の言葉を。
2代目経営者に、置き換えるとすれば。

・苦闘とは、そもそもなぜ会社を継いだのだろうと思うこと

・苦闘とは、あなたはなぜ2代目社長をしているのかと聞かれ、
その答えを自分もわからないこと

・苦闘とは、自分自身が2代目社長であるべきだと思えないこと

・苦闘とは、自分の能力を超えた状況だとわかっていながら、
先代の跡を継いだり、代わったりりする人が誰もいないこと

・苦闘とは、周りがあなたをボンボンやオジョウちゃんと思っているのに、
誰もあなたをクビにしようとしないこと

・苦闘とは、失敗ではないが、失敗を起こさせる、
特にあなたが弱っているときにはそうだ、弱っているときは必ず・・・。

となるのではないでしょうか?

その一方で、世の中には。
経営者としての苦闘とは無縁に、先代の財産や資産を回すだけで。

2代目社長です!と胸を張り、いつしか先代の遺産がなくなることに気づかずに。
そのままズルズルとジリ貧になっていく、そんな2代目がいるのも現実です。

そういう2代目は、得てして。

周りの人に、大きく見せようとか、強く見せようか。
えらく見せようとか、力や金があるところを見せようとか。

こんな立ち居振る舞いをしているわけで、特に男性の2代目経営者に。
こういう人が少なからずいて、その多くが自滅に至っている気がします。

一方で、反対に卑下するような態度の2代目も。
やはり男性の2代目経営者の中に、少なからずいますが。

内実はバカにされたくないだけ、本質は変わらないとも感じます。

もちろん、苦闘、苦悩すれば一人前!という話をしたいわけではありません。

また私自身を含め、誰もが苦闘や苦悩なしに生きられたなら。
苦闘や苦悩なしに、会社を継続できて次の代へバトンタッチできたなら。

こんなにイイことは、ないとも言えるでしょう。

しかし、冒頭の言葉とおり。
会社の継続、会社経営には。

困難がつきものであり、困難から生じる苦闘や苦悩がつきものであって。
2代目経営者として苦闘や苦悩がないのは、ただ単に困難に目をつぶって先送りしているか。

創業者や起業家と違って、2代目経営者の場合は。

社内の他の誰かが、先送りする2代目経営者の尻を叩いたり。
その人なりの立場や力で、2代目に代わって困難に立ち向かったり。

誰かに苦闘や苦悩を押し付けている状態も、決して少なくない気がします。

最後に。

この本で語られていた「つらいときに役に立つかもしれない知識」をご紹介します。

・ひとりで背負い込んではいけない
・単純なゲームではない(苦闘は戦略が必要なチェスだ)
・長く戦っていれば、運をつかめるかもしれない
・被害者意識を持つな
・良い手がないときに最善の手を打つ

この言葉のように、つらい時には。

世の中からは、創業者や起業家から見れば。
苦労や苦闘も苦悩もしていない、楽な立場と言われて。

実際に、楽ばかり追い求めているヤカラも。
2代目経営者にいることも、実感していますが。

日本のどこかで、額に汗して、ワキに冷や汗をかいて。
今日も東奔西走、マジメに経営に取り組む2代目のために。

苦闘する姿や苦悩する心を少しでも分け合うことができる場になれば・・・と願って。

2代目横丁は、存在しているのです。

ではでは。また。

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