2月に、身内の不幸があって。
年度末から新年度と仕事に追われて。
久しぶりに帰ってきました!
本日は、時おり忘備録として2代目横丁メンバーに送っているもので。
自分がイイ話だな!イイ言葉だな!と思うものをブログにもアップします。
本日の言葉:
=================================================
人は、非があり、欠点があり、未熟であるから、
周りの人の心が離れていくのではない。
人は、自分の非を認めず、欠点を認めず、
自分には非が無い、欠点が無いと思い込むとき、
周りの人の心は離れていく。 by 田坂広志 氏
=================================================
つい最近、目にしたのですが。
かの勝海舟は、お家のため、お国のため、生きる、死ぬると。
よく口にするヤツがいるが、それは「うぬぼれ」だと言っています。
結局、そういう話をする本質には、お家も国もないのだ、と。
そんなことを口にするのでなく、ただ黙々と事に当たればよい。
誰も知らず、誰にも伝わらなくても。
誰かのため、何かのために行ったことは。
自分の財産となり、いつかは自然と知れること。
このように、自らも「うぬぼれ」を戒め、実際に行動した海舟は。
手ひどい2度の裏切りで、苦難に落とされたにも関わらず。
明治時代になっても、徳川慶喜に最後まで忠誠をつくします。
人は自分のために、XXのため、と口にします。
人は自分のために、非を認めず、欠点がないと思い込みます。
所詮、XXのため、と口する、公言する、その本質には。
自己利益以外に何もなく、XXも、何もない。
そういうヤツに限って、某都知事みたいに公と私の区別がない。
所詮、非を認めず、非がない理由を並べれば並べるほど。
周りの心は離れ、かえって非が際立って見えて来て。
そういうヤツは、某都知事みたいに信用をドンドン落とすのです。
最近、10年以上前に触れた「砂漠の商人」の言葉。
一般には、オグ・マンディーノの「史上最強の商人」の言葉ですが。
ふと、読み返して、手帳に挟み込みました。
これも原点に返り、おのれの「うぬぼれ」を戒め、非を振り返るため。
新年度も、アッ!という間に2ヶ月が経ちましたが。
商人、経営者としての再生。
商売、ビジネスの再構築。
を考えて、行動しておりまする。
ではでは。また。
2代目横丁ドットコム-暖簾を守る!広げる!改革する!-
2代目による2代目のためのHOT!でホンネが語れるコミュニティ広場!こちらは2代目経営者や2代目社長の方のための実践とお役立ち情報満載!「2代目横丁」です。お気軽にお立ち寄りください。
2016年5月26日木曜日
2016年1月18日月曜日
フォースを使え!2代目横丁の大予言【解説編】
小正月が終わり、お年始の挨拶も一段落。
2代目横丁の本部がある関東は、今年初めての大雪となりました。
今日はいろいろな会社で、定時に出社が出来た人、出来ない人。
また来ても仕事にならない人などなど、開店休業の状況もあれば。
大雪や災害などあっても、業務継続計画(BCP)のもとで。
こんな日も、しっかりと仕事になっている会社も数多くあると思います。
偶然とはいえ、何やら暦の上では。
本日は土用であり、土木工事の着手は凶とのこと。
その中での道路や歩道、また電車の架設や線路の除雪作業など。
大雪の予報があり、昨日の真夜中から対応に追われて。
交通やインフラの整備や維持に努力している多くの方たちに。
心から感謝と声援をおくり、また無事故を祈っております。
さて、今年最初の投稿。
「2016年 2代目横丁の大予言」と題したものは。
あの「1999年 ノストラダムスの大予言」を意識して。
形式として、詩編のようにしたのですが・・・。
あまりに抽象的で、わかりづらい!というご感想が寄せられていて。
申しわけありませんが、解説を加えて改めて本日、お話したいと思います。
まず今年、一年の流れというか。
2代目横丁のテーマとしたいのが。
一言でいうと「付和雷同せず取捨選択をする年」ということです。
なぜなら、2016年は次の新しい時代への分岐が具体的に始まる年。
経済70年周期説からすれば1946年と同様になりますが、この1946年は。
日本では、前年の1945年に戦争が終結したことを受けて。
憲法公布をはじめ、具体的な施策が始まった年です。
戦前や戦中の社会から、戦後の社会へ。
いろいろな取捨選択が始まった年でもあります。
その上で、月がどーだとか。
太陽がどーだとか、書きましたが。
これらは変化がおとずれる、場面がかわる時期を示していて。
具体的には、暦の立春・春分・夏至・秋分・冬至を示したものです。
そう。多くの方たちが手にする「日本の暦」に基づいて。
立春から新年、つまり2016年が始まるものとして。
今年一年を分けて、考えを述べたのです。
別の言い方をすれば、今年は例年とちがって。
暖冬ゆえに山間部に雪が少なく、平野部で大雪が降るように。
陰陽、光と影が交錯する年。
今日は、それ象徴するような始まりの日となっています。
こんな日こそ、あえて緊急性はないが重要なことにフォーカス。
今年一年のテーマについて、その解説をお伝えするには良い日。
こういう考えもあって、記事を書いています。
加えて、昨年末から「陰陽の年/光と影の年」を見越したように。
一つのシンボル的なものが世界中で、そして日本でも話題になっています。
それは。世界中の神話を集めて、シナリオを書いたことで知られている映画。
あの「スターウォーズ」の最新作が、世界で上映されてヒットしているということです。
特に、この映画のストーリーの大きな骨格を成す「フォース」という存在。
そう。あの「ルーク、フォースじゃ!フォースを使え!」のフォース。
ジェダイが使える、宇宙にあまねく存在するというフォースです。
映画を過去にご覧になった方は、ご存じかもしれませんが。
このフォースには陰陽、ダークサイド(暗)とライトサイド(明)の明暗があります。
光あるからこそ、闇が存在して。
光が強ければ、闇も濃く強くなる。
これは何も、宗教や哲学、占いや気功の話でなく。
宇宙には太陽や月があり、無数の星たちが輝くと共に。
ダークマター、暗黒物質があるというのが理論物理学の話です。
その点、残念ながらスターウォーズの最新作は。
まだ見ていないのですが、勝手にシナリオを想像すると。
ルークあたりが、ダークサイドに身を投じて。
自分の娘?それとも姪にあたるレイアとハン・ソロの娘?を相手に。
彼女のフォースを目覚めさせてやる、な~んてことを考えてます。
つまり、ダークサイドがあって。
はじめてライトサイド、正義のジェダイが存在するのです。
それだけに。
フォースが高まり、前へ進みやすいであろう時間帯と。
フォースが低下して、現状維持になりやすい時間帯。
新しい何かを始めるタイミング、スタートのきっかけと。
ルーティーンを淡々とするタイミング、ペースをつかむきっかけ。
ペースアップして、アクセルを踏み込む時期と。
ペースダウンして、ゆっくりと慎重に行動する時期。
このような、陰陽、明暗、ダークサイドとライトサイドを意識して。
今年は、取捨選択の年にした方が良いと考えています・・・。
「ふ~ん、暦とか占いっぽいというか、縁起かつぎ?みたいな話ですね」
「フォースなんて、映画のフィクションの話で現実世界にはナイっしょ!」
といった声が聞こえてきそうですが、暦や占いや縁起を信じよう!とか。
フォースを信じよう!とかでなく、次の2つの話に集約されることをお伝えしたいのです。
1つは映画、フィクションだから指標となるということ。
実は。多くのハリウッド映画、典型的な代表作の「スターウォーズ」も。
そのシナリオは「神話の法則」に基づいて、ヒットするように書かれています。
古今東西、人の行動や心をとらえる神話にある共通したストーリーがあって。
経済活動も社会現象も、人が考えて行動して生み出したものですから。
時代のトレンドや社会現象、それによる経済や社会の流れを予見するには。
実際に利用されているように、ヒット映画や流行が一つの尺度となるのです。
その上で。もう1つは、次のような言葉。
「百万長者は占いを信じないが、億万長者は占いを利用する」に象徴されること。
ヒット映画に限らず、暦でも、占いでも、縁起でも。
信じる、信じないでなく、利用すれば良いとうことです。
ちなみに、この占いに関する話は。
あのJ.P.モルガンの創始者が口にしたとか。
まさに。経済活動は人の感情が生み出して、動かしている。
その経済活動の最たるもの、株取引の専門家が言ったというのがおもしろいですね。
というわけで。2代目横丁の大予言も、今回の解説も。
信じる、信じないは別として、ご利用いただけるところは使ってもらえれば。
こんな気持ちをこめて、ご提供しております。
ぜひ今年は「フォースを使って、取捨選択する」一年に!
ではでは。また。
2代目横丁の本部がある関東は、今年初めての大雪となりました。
今日はいろいろな会社で、定時に出社が出来た人、出来ない人。
また来ても仕事にならない人などなど、開店休業の状況もあれば。
大雪や災害などあっても、業務継続計画(BCP)のもとで。
こんな日も、しっかりと仕事になっている会社も数多くあると思います。
偶然とはいえ、何やら暦の上では。
本日は土用であり、土木工事の着手は凶とのこと。
その中での道路や歩道、また電車の架設や線路の除雪作業など。
大雪の予報があり、昨日の真夜中から対応に追われて。
交通やインフラの整備や維持に努力している多くの方たちに。
心から感謝と声援をおくり、また無事故を祈っております。
さて、今年最初の投稿。
「2016年 2代目横丁の大予言」と題したものは。
あの「1999年 ノストラダムスの大予言」を意識して。
形式として、詩編のようにしたのですが・・・。
あまりに抽象的で、わかりづらい!というご感想が寄せられていて。
申しわけありませんが、解説を加えて改めて本日、お話したいと思います。
まず今年、一年の流れというか。
2代目横丁のテーマとしたいのが。
一言でいうと「付和雷同せず取捨選択をする年」ということです。
なぜなら、2016年は次の新しい時代への分岐が具体的に始まる年。
経済70年周期説からすれば1946年と同様になりますが、この1946年は。
日本では、前年の1945年に戦争が終結したことを受けて。
憲法公布をはじめ、具体的な施策が始まった年です。
戦前や戦中の社会から、戦後の社会へ。
いろいろな取捨選択が始まった年でもあります。
その上で、月がどーだとか。
太陽がどーだとか、書きましたが。
これらは変化がおとずれる、場面がかわる時期を示していて。
具体的には、暦の立春・春分・夏至・秋分・冬至を示したものです。
そう。多くの方たちが手にする「日本の暦」に基づいて。
立春から新年、つまり2016年が始まるものとして。
今年一年を分けて、考えを述べたのです。
別の言い方をすれば、今年は例年とちがって。
暖冬ゆえに山間部に雪が少なく、平野部で大雪が降るように。
陰陽、光と影が交錯する年。
今日は、それ象徴するような始まりの日となっています。
こんな日こそ、あえて緊急性はないが重要なことにフォーカス。
今年一年のテーマについて、その解説をお伝えするには良い日。
こういう考えもあって、記事を書いています。
加えて、昨年末から「陰陽の年/光と影の年」を見越したように。
一つのシンボル的なものが世界中で、そして日本でも話題になっています。
それは。世界中の神話を集めて、シナリオを書いたことで知られている映画。
あの「スターウォーズ」の最新作が、世界で上映されてヒットしているということです。
特に、この映画のストーリーの大きな骨格を成す「フォース」という存在。
そう。あの「ルーク、フォースじゃ!フォースを使え!」のフォース。
ジェダイが使える、宇宙にあまねく存在するというフォースです。
映画を過去にご覧になった方は、ご存じかもしれませんが。
このフォースには陰陽、ダークサイド(暗)とライトサイド(明)の明暗があります。
光あるからこそ、闇が存在して。
光が強ければ、闇も濃く強くなる。
これは何も、宗教や哲学、占いや気功の話でなく。
宇宙には太陽や月があり、無数の星たちが輝くと共に。
ダークマター、暗黒物質があるというのが理論物理学の話です。
その点、残念ながらスターウォーズの最新作は。
まだ見ていないのですが、勝手にシナリオを想像すると。
ルークあたりが、ダークサイドに身を投じて。
自分の娘?それとも姪にあたるレイアとハン・ソロの娘?を相手に。
彼女のフォースを目覚めさせてやる、な~んてことを考えてます。
つまり、ダークサイドがあって。
はじめてライトサイド、正義のジェダイが存在するのです。
それだけに。
フォースが高まり、前へ進みやすいであろう時間帯と。
フォースが低下して、現状維持になりやすい時間帯。
新しい何かを始めるタイミング、スタートのきっかけと。
ルーティーンを淡々とするタイミング、ペースをつかむきっかけ。
ペースアップして、アクセルを踏み込む時期と。
ペースダウンして、ゆっくりと慎重に行動する時期。
このような、陰陽、明暗、ダークサイドとライトサイドを意識して。
今年は、取捨選択の年にした方が良いと考えています・・・。
「ふ~ん、暦とか占いっぽいというか、縁起かつぎ?みたいな話ですね」
「フォースなんて、映画のフィクションの話で現実世界にはナイっしょ!」
といった声が聞こえてきそうですが、暦や占いや縁起を信じよう!とか。
フォースを信じよう!とかでなく、次の2つの話に集約されることをお伝えしたいのです。
1つは映画、フィクションだから指標となるということ。
実は。多くのハリウッド映画、典型的な代表作の「スターウォーズ」も。
そのシナリオは「神話の法則」に基づいて、ヒットするように書かれています。
古今東西、人の行動や心をとらえる神話にある共通したストーリーがあって。
経済活動も社会現象も、人が考えて行動して生み出したものですから。
時代のトレンドや社会現象、それによる経済や社会の流れを予見するには。
実際に利用されているように、ヒット映画や流行が一つの尺度となるのです。
その上で。もう1つは、次のような言葉。
「百万長者は占いを信じないが、億万長者は占いを利用する」に象徴されること。
ヒット映画に限らず、暦でも、占いでも、縁起でも。
信じる、信じないでなく、利用すれば良いとうことです。
ちなみに、この占いに関する話は。
あのJ.P.モルガンの創始者が口にしたとか。
まさに。経済活動は人の感情が生み出して、動かしている。
その経済活動の最たるもの、株取引の専門家が言ったというのがおもしろいですね。
というわけで。2代目横丁の大予言も、今回の解説も。
信じる、信じないは別として、ご利用いただけるところは使ってもらえれば。
こんな気持ちをこめて、ご提供しております。
ぜひ今年は「フォースを使って、取捨選択する」一年に!
ではでは。また。
2016年1月13日水曜日
深夜 大人の時間!寿司屋のカウンターにて
「いらっしゃい!」
板さんの声が響く静かな寿司屋。
20名くらいは座れるだろうか?大きなカウンターには誰もいない。
いや、いくつかある小(こ)上がりの座敷にも客の姿は1人もない。
そりゃそうだ・・・。
時刻は、とっくに明日へ変わっていた。
オレはカウンターの奥目の席に身をゆだねることにした。
「二人なんだけど」
「ハイ、わかりました。お飲み物は何にしましょう?」
「そうだな、お酒をヌル燗で」
「ハイ、ありがとうございます。日本酒!ヌル燗お願いね!」
「あと、とりあえず酢ガキとウナギの肝焼きってまだあります?」
「ありますよ!」
「じゃそれと・・・あと適当にツマミで出して下さい」
「ハイ、ありがとうございます!」
出てきたヌル燗を半分ほど飲んで。
カキ、刺身、そして肝焼きを1本食べたところで。
店の自動ドアの開く音がした。
「いらっしゃい!おや、こんな時間にめずらしい!!」
あきらかに、オレの時よりテンションの高い声で。
板さんは、1人の女性客を迎え入れた。
「そうね、たまにはね!」
その女性は、そう応えながら。
コートを脱ぐとオレの隣に細い体をすべり込ませた。
「コート、かけておこうか?」
「うん、大丈夫。脚にかけておくから」
「適当にツマミは頼んでおいたけど。
ウナギの肝焼きもあったんだけど食べる?」
「うん、食べる!あとビール下さい!」
「あいよ!生ビール、一つね!」
彼女と板さんのやり取りは、妙に明るい。
深夜の寿司屋。
そのカウンターで、静かに。
ハードボイルドにキメよう・・・と思っていたオレ。
その思惑は外れ、明るい彼女に微笑ながら。
一日の疲れが飛んでいく流れに、それならそれと身を沈めて。
オレは、この雰囲気を楽しむことにした。
すると、板さんが声をかけたのか。
それとも、会話の声から察したのか。
奥から、主人が顔を出して。
「あれ?いらっしゃい!」
と言いながら、カウンター中央に陣取った。
「そういえば、Rちやん、会社を辞めたんだって?」
「そう、本人が申し出てきたから」
「へえ~そうなんだ」
「まぁ私としては、メンドウ見てきたと思っていたけど。
本人には、通じなかったみたい・・・
ワガママも色々と聞いて上げたんだけどね・・・」
「ふーん、そう」
「結局は、会社の他の子も巻き込んで。
その上、お客との約束もドタキャンして。
やりたいこと勝手にやって!って感じだったのよね。
それもこの4ヶ月、色々とあったのよ!ホントに!」
「そっか、それじゃ仕方ないね」
「だって、それで次はドコドコに決まっているから!
なんて、次に行く場所まで出されたら!おかしいでしょ?
それで引止めらんないと思ったし、第一、止める気もなくなったわ!」
・・・大将と彼女は、先ほど大将の前に陣取った一組の客が。
常連らしい客がいることも気にせず、大きな声でやり取りを続けた。
「そうなんだ、いや、辞めたってきいたから。
てっきり業界から、脚を洗ったと思っていたよ・・・」
「ちがうのよ!もう、同じ業種の会社で働いているの!
それでもこの間、外で顔合わせたから。
こっちから、明るく声をかけたんだけど。
ヘンなことに、ロクにあいさつも返さないのよね!」
「そりゃ、そうだね。挨拶できないって言うのはネ・・・」
「そうでしょ!おかしいでしょ!?
辞めたって挨拶くらいはできなくっちゃ!
自分にうしろめたい所がなければ挨拶できるでしょ!」
オレはオレで、直接的にも間接的にも。
この話を知っていたので、黙って酒を飲みながら聞いていた。
しかし。
「そうだね、Rちやんがイイ、悪いでなくて。
2人が合わなかった、そういうことじゃないかな?
甘いものが好きな人もいて。
辛いものが好きな人もいるわけで。
それで離れたんだから、それはそれで良かったじゃないの?」
と口をはさんだ。
「・・・たしかに・・・そうよね・・・」
「それに。血圧が上がるような話は、よくないんじゃない?」
「そうね、せっかく美味しいものを食べに来たんだから!」
「そうそう!お腹は大丈夫?何か握ってもらう?」
「うん、まずは何か巻物がいいかな・・・」
「そっか、じゃあ例の太巻きのY巻きとかどう?」
「そうね、N巻きも頼もう!板さん、お願いね!」
「はい!どうしましょう?Y巻きは食べやすいように。
いつもより細くも巻けますけど?どうします?」
「へえ~!出前の時もそうだっけ?」
「ハイ、出前の時も少し細めにしてまして。
それよりも細く、普通の巻物くらいにもできますけど?」
「それじゃ具材も少なくて、Y巻きじゃなくなるんじゃない?」
「大丈夫ですよ、安心してください!ちゃんと入れますから!」
「うん!それでも少し細めくらいで!お願いするわ!」
「はい!了解しました!」
そんな板さんと彼女のやり取りに釣られて。
「そうそう!板さん、愛情も一緒に巻いてあげて!」
と軽口をたたくオレ。
もうハードボイルドも何も、あったもんじゃない。
「ハイ!もちろん!愛をこめて巻きますから!」
「もう~そんなこと言って、この板さんはね、
他の子にも同じようにしているから!」
彼女も、オレの軽口に乗ってきた。
「それじゃ、愛のように真ん中に心じゃなくて。
下に心、下心だよなぁ~この板さんの!」
「そうね!下心ね!フフフフ!」
・・・こうして、いつもの笑顔に戻った彼女を見ながら。
そう、どんな会社でも、お店でも。
一度、辞めると言い出した人を引き止めるのは難しい。
ましてや、次に行くところを決めているとしたら。
それはあり得ない、というか筋が通らない話であって。
そんな筋が通らない人を雇っておくのは、危険過ぎる。
仮にその人が長年勤め、業績に貢献して、能力があっても。
また信頼も厚く、信用もしていて、頼りにしていたとしても。
そのため、辞めると社員やスタッフに動揺が走ったり。
何かしらの影響があったり、業績が低下したりしたとしても。
そして何よりも、その人が辞めることに。
他の誰より、自分自身がストレスや痛みを感じるとしても。
すべてを乗り越えて、辞めさせるべきだとさえ思う。
そうなのだ・・・Rちゃんの話をしているうちに。
血圧が上がってくるのは、相当のストレスがあった証拠だ。
彼女にストレスをもたらす、もう1人の自分。
そんな自分には、バイバイ!さよなら!だ。
・・・やがてオレたちは、楽しく飲み、話して、お腹も満たされて。
タクシーを1台呼んで、いつものように帰りの途につくことにした。
すっかり元気になった彼女と。
やや?酔いがまわったオレ。
このあと・・・。
2人の夜、というより明け方近くなっていたが。
オレたちの時間は。
2人が深い眠りにつくまで、しばらく続くのであった・・・。
板さんの声が響く静かな寿司屋。
20名くらいは座れるだろうか?大きなカウンターには誰もいない。
いや、いくつかある小(こ)上がりの座敷にも客の姿は1人もない。
そりゃそうだ・・・。
時刻は、とっくに明日へ変わっていた。
オレはカウンターの奥目の席に身をゆだねることにした。
「二人なんだけど」
「ハイ、わかりました。お飲み物は何にしましょう?」
「そうだな、お酒をヌル燗で」
「ハイ、ありがとうございます。日本酒!ヌル燗お願いね!」
「あと、とりあえず酢ガキとウナギの肝焼きってまだあります?」
「ありますよ!」
「じゃそれと・・・あと適当にツマミで出して下さい」
「ハイ、ありがとうございます!」
出てきたヌル燗を半分ほど飲んで。
カキ、刺身、そして肝焼きを1本食べたところで。
店の自動ドアの開く音がした。
「いらっしゃい!おや、こんな時間にめずらしい!!」
あきらかに、オレの時よりテンションの高い声で。
板さんは、1人の女性客を迎え入れた。
「そうね、たまにはね!」
その女性は、そう応えながら。
コートを脱ぐとオレの隣に細い体をすべり込ませた。
「コート、かけておこうか?」
「うん、大丈夫。脚にかけておくから」
「適当にツマミは頼んでおいたけど。
ウナギの肝焼きもあったんだけど食べる?」
「うん、食べる!あとビール下さい!」
「あいよ!生ビール、一つね!」
彼女と板さんのやり取りは、妙に明るい。
深夜の寿司屋。
そのカウンターで、静かに。
ハードボイルドにキメよう・・・と思っていたオレ。
その思惑は外れ、明るい彼女に微笑ながら。
一日の疲れが飛んでいく流れに、それならそれと身を沈めて。
オレは、この雰囲気を楽しむことにした。
すると、板さんが声をかけたのか。
それとも、会話の声から察したのか。
奥から、主人が顔を出して。
「あれ?いらっしゃい!」
と言いながら、カウンター中央に陣取った。
「そういえば、Rちやん、会社を辞めたんだって?」
「そう、本人が申し出てきたから」
「へえ~そうなんだ」
「まぁ私としては、メンドウ見てきたと思っていたけど。
本人には、通じなかったみたい・・・
ワガママも色々と聞いて上げたんだけどね・・・」
「ふーん、そう」
「結局は、会社の他の子も巻き込んで。
その上、お客との約束もドタキャンして。
やりたいこと勝手にやって!って感じだったのよね。
それもこの4ヶ月、色々とあったのよ!ホントに!」
「そっか、それじゃ仕方ないね」
「だって、それで次はドコドコに決まっているから!
なんて、次に行く場所まで出されたら!おかしいでしょ?
それで引止めらんないと思ったし、第一、止める気もなくなったわ!」
・・・大将と彼女は、先ほど大将の前に陣取った一組の客が。
常連らしい客がいることも気にせず、大きな声でやり取りを続けた。
「そうなんだ、いや、辞めたってきいたから。
てっきり業界から、脚を洗ったと思っていたよ・・・」
「ちがうのよ!もう、同じ業種の会社で働いているの!
それでもこの間、外で顔合わせたから。
こっちから、明るく声をかけたんだけど。
ヘンなことに、ロクにあいさつも返さないのよね!」
「そりゃ、そうだね。挨拶できないって言うのはネ・・・」
「そうでしょ!おかしいでしょ!?
辞めたって挨拶くらいはできなくっちゃ!
自分にうしろめたい所がなければ挨拶できるでしょ!」
オレはオレで、直接的にも間接的にも。
この話を知っていたので、黙って酒を飲みながら聞いていた。
しかし。
「そうだね、Rちやんがイイ、悪いでなくて。
2人が合わなかった、そういうことじゃないかな?
甘いものが好きな人もいて。
辛いものが好きな人もいるわけで。
それで離れたんだから、それはそれで良かったじゃないの?」
と口をはさんだ。
「・・・たしかに・・・そうよね・・・」
「それに。血圧が上がるような話は、よくないんじゃない?」
「そうね、せっかく美味しいものを食べに来たんだから!」
「そうそう!お腹は大丈夫?何か握ってもらう?」
「うん、まずは何か巻物がいいかな・・・」
「そっか、じゃあ例の太巻きのY巻きとかどう?」
「そうね、N巻きも頼もう!板さん、お願いね!」
「はい!どうしましょう?Y巻きは食べやすいように。
いつもより細くも巻けますけど?どうします?」
「へえ~!出前の時もそうだっけ?」
「ハイ、出前の時も少し細めにしてまして。
それよりも細く、普通の巻物くらいにもできますけど?」
「それじゃ具材も少なくて、Y巻きじゃなくなるんじゃない?」
「大丈夫ですよ、安心してください!ちゃんと入れますから!」
「うん!それでも少し細めくらいで!お願いするわ!」
「はい!了解しました!」
そんな板さんと彼女のやり取りに釣られて。
「そうそう!板さん、愛情も一緒に巻いてあげて!」
と軽口をたたくオレ。
もうハードボイルドも何も、あったもんじゃない。
「ハイ!もちろん!愛をこめて巻きますから!」
「もう~そんなこと言って、この板さんはね、
他の子にも同じようにしているから!」
彼女も、オレの軽口に乗ってきた。
「それじゃ、愛のように真ん中に心じゃなくて。
下に心、下心だよなぁ~この板さんの!」
「そうね!下心ね!フフフフ!」
・・・こうして、いつもの笑顔に戻った彼女を見ながら。
そう、どんな会社でも、お店でも。
一度、辞めると言い出した人を引き止めるのは難しい。
ましてや、次に行くところを決めているとしたら。
それはあり得ない、というか筋が通らない話であって。
そんな筋が通らない人を雇っておくのは、危険過ぎる。
仮にその人が長年勤め、業績に貢献して、能力があっても。
また信頼も厚く、信用もしていて、頼りにしていたとしても。
そのため、辞めると社員やスタッフに動揺が走ったり。
何かしらの影響があったり、業績が低下したりしたとしても。
そして何よりも、その人が辞めることに。
他の誰より、自分自身がストレスや痛みを感じるとしても。
すべてを乗り越えて、辞めさせるべきだとさえ思う。
そうなのだ・・・Rちゃんの話をしているうちに。
血圧が上がってくるのは、相当のストレスがあった証拠だ。
彼女にストレスをもたらす、もう1人の自分。
そんな自分には、バイバイ!さよなら!だ。
・・・やがてオレたちは、楽しく飲み、話して、お腹も満たされて。
タクシーを1台呼んで、いつものように帰りの途につくことにした。
すっかり元気になった彼女と。
やや?酔いがまわったオレ。
このあと・・・。
2人の夜、というより明け方近くなっていたが。
オレたちの時間は。
2人が深い眠りにつくまで、しばらく続くのであった・・・。
2016年1月8日金曜日
2016年 2代目横丁の大予言
2016年の2の月 龍が左爪で空を縦に裂いた日
真の新しい年は始まるが まだ その夜は早く眠らないといけない
そして3の月 太陽と月が対等となる日 この日こそ出発の時
前の日からその日の明け方まで 多く人たちが旅に向かう
しかし自らの信念で旅に出て 自らの道を歩む者には
新しい年は微笑み 思いかげない強運をもたらすが
運に頼る者 他人に流される者には
かえって新しい年は 災いを成すことだろう
こうして 吉凶が 陰と陽のように入り混じる世の中は
6の月 太陽が一番に輝く日まで続き 人々の歩む道は分かれていく
波に乗り 運気をつかみ 階段を上り始める道と
波に流され 運気に見放され 階段を転げ落ちる道
このどちらかの道を歩む 2つの種類の人たちが 2つの塊をつくる
迷いの森から抜け出し 自分の道を見つけた者とその塊は
9の月 ふただひ太陽と月が対等となる日まで 力をつけてゆくであろう
反対に迷いの森を彷徨(さまよ)い 付和雷同に身をおいて
自分の道が定まらない者とその塊は 互いに食い合うようになる
そして9の月のその日を境に 2つの種類の人々とその2つの塊は
同じ気質をもった仲間を増やして より巨大な塊を作り上げていく
やがて12の月 月が闇を支配する日まで 塊は膨らみ続けて
大きな格差を生み 道が定まらない者は 互いを食い尽くし滅ぶ
一方 道を定めし者とその塊は
遠く海の向こうまで飛んでいける力を得る
だから2016年は 2の月 龍の左爪の日から
3の月 太陽と月が対等となる日までに 道を考え 道を定めて
旅の準備を終え 自らのコンパスを持ち 地図を作り上げ 旅立ったら
6の月 太陽が一番に輝く日まで降りかかる 凶と誘惑を断ち切りながら
9の月 ふたたび太陽と月が対等となる日から 同志を増やして
12の月 月が闇を支配する日を迎えても 恐れることもなく
次の年 2017年に訪れる 大きな飛躍の羽を手に入れるため
遠く海の向こうまで飛び 深く海の底まで見通す力を得られる
そんな一年になるのである・・・。
真の新しい年は始まるが まだ その夜は早く眠らないといけない
そして3の月 太陽と月が対等となる日 この日こそ出発の時
前の日からその日の明け方まで 多く人たちが旅に向かう
しかし自らの信念で旅に出て 自らの道を歩む者には
新しい年は微笑み 思いかげない強運をもたらすが
運に頼る者 他人に流される者には
かえって新しい年は 災いを成すことだろう
こうして 吉凶が 陰と陽のように入り混じる世の中は
6の月 太陽が一番に輝く日まで続き 人々の歩む道は分かれていく
波に乗り 運気をつかみ 階段を上り始める道と
波に流され 運気に見放され 階段を転げ落ちる道
このどちらかの道を歩む 2つの種類の人たちが 2つの塊をつくる
迷いの森から抜け出し 自分の道を見つけた者とその塊は
9の月 ふただひ太陽と月が対等となる日まで 力をつけてゆくであろう
反対に迷いの森を彷徨(さまよ)い 付和雷同に身をおいて
自分の道が定まらない者とその塊は 互いに食い合うようになる
そして9の月のその日を境に 2つの種類の人々とその2つの塊は
同じ気質をもった仲間を増やして より巨大な塊を作り上げていく
やがて12の月 月が闇を支配する日まで 塊は膨らみ続けて
大きな格差を生み 道が定まらない者は 互いを食い尽くし滅ぶ
一方 道を定めし者とその塊は
遠く海の向こうまで飛んでいける力を得る
だから2016年は 2の月 龍の左爪の日から
3の月 太陽と月が対等となる日までに 道を考え 道を定めて
旅の準備を終え 自らのコンパスを持ち 地図を作り上げ 旅立ったら
6の月 太陽が一番に輝く日まで降りかかる 凶と誘惑を断ち切りながら
9の月 ふたたび太陽と月が対等となる日から 同志を増やして
12の月 月が闇を支配する日を迎えても 恐れることもなく
次の年 2017年に訪れる 大きな飛躍の羽を手に入れるため
遠く海の向こうまで飛び 深く海の底まで見通す力を得られる
そんな一年になるのである・・・。
2015年12月21日月曜日
バー・カウンターでジントニックとシガーを
「いらっしゃいませ・・・」
「どうも・・・後から連れが1人来るんですけど」
「かしこまりました」
「それで、そうだな、今日はジントニックからお願いします」
「かしこまりました」
そう言うと彼、いや「彼」と言ってしまわない方が良い。
オレに16才の頃から、酒の味、文化、雰囲気を教えてくれた人。
そう、オレの酒の師匠とも言える人に「彼」はなかったな・・・。
この地域では、一番のベテラン・バーテンダーのKさん。
最近は「マスター」と呼ぶお客が多いが、馴染み客は名前で呼ぶ。
オレたち仲間にとっては、ガキの頃からずっとKさんだが。
Kさんは静かに手短な返事をすると、ボンベイサファイアのボトルに手を伸ばした。
その日も、突然の訪問だった。
もっとも、オレはバーに予約を入れるほどヤボじゃない。
そしてオレはいつもの席、一番奥のバーカウンターチェアに身を置いて。
となりの席に荷物を置くヤボなこと、コレもまた、いつもならしないのだが。
カウンターに「マスター」と呼ぶ輩(やから)が団体?で5名ほどいて。
バーカウンターにしては、騒がしくしているその連中との間に。
3席しかなかったので、あえて連れの席をキープするためカバンをおいた。
・・・バーに来て、男5人でカウンターね・・・・・。
しかも男にしては、おしゃべりでうるさいヤツラだな・・・・・・・・。
オレは心の中でつぶやいたが、「男にしては」と書けば。
バーカウンターが似合う女性に「ソレって女はおしゃべりってコト?」と怒られそうだ。
いやいや。そんなことを言うつもりは、ぜんぜんない。
またバーカウンターでは「男は黙って酒を飲め!」と言うつもりも、毛頭ない。
バーだっておしゃべりして、男も女も楽しくにぎやかに過ごして良いのだが。
にぎやか過ぎるのは、バー以外のレストランや飲食店でも迷惑な行為だと思う。
それほど彼らの話声は、他の人と隣接するカウンター席にしては大き過ぎて。
マル聞こえの内容に具体的な会社名など出ていて、ヤボな連中だっただけだ。
たとえて悪いが、ベテランのママを目当てに鼻の下を伸ばしたオッサンが。
カウンターを陣取るスナック、それはそれで味があるとしても、この店はちがうんだ。
いや、何よりも。スナックでもバーでも、カウンター席で。
男5人で連れ立って横並びなんて、絵にならない、ハッキリ言ってヤボだ。
「おまたせしました、ジントニックです・・・」
時間にして、こんなことを考えていたのも数分間だった。
オレのつまらんイラついた気持ちをすっーと静めるかのように。
Kさんの言葉と共に、そっと目の前にグラスがおかれた。
ジントニック。ジンとライムとトニックウォーターで構成された一杯。
シンプルだが、シンプルゆえにカクテルとしては奥が深いといえるだろう。
バーにより、それぞれの味があり、提供の仕方もちがう。
そのバーやバーテンダーさんの特徴、また好みが出やすいとも言える。
ちなみにマティーニも、同じジンベースで構成はシンプルだが。
まさに千差万別、カクテルのAにしてZ、入門にして卒業の一杯とも称される。
今、最新作が上映中の007、かのジェームズ・ボンドは。
ジンでなくウォッカで、しかもシェイクという指定までしている。
これが世に言うボンド・マティーニだが、シリーズ第1作で供された一杯が。
オマージュをこめて、最新作ではおもしろい形式で登場している。
そういえば。
先日の銀座のバーでお目当てにした一杯も、その店のオリジナル・マティーニ。
・・・そう、マティーニは、レシピがあるようでないのかもしれないな、と思い出しながら。
そのジントニックは、一口で心を静めるには十分すぎる一杯だった。
「いらっしゃいませ・・・」
「お待たせ・・・近いけどタクシーで来ちゃった・・・」
Kさんの声と共に、オレの隣に身を寄せる連れ。
タクシーで来た、少しでも早くアナタに会いたくて・・・なんて余分なセリフはない。
知り合いが見れば、不思議がるかもしれないが。
オレと連れは、二人きりの時は意外としゃべらない。
それでも、バーカウンターでの香水の話になって。
そして、それはシガー(葉巻)の話へと変わって言った。
「・・・反対に言えば、じゃなんでシガーはバーカウンターでOKなのか?
香りも強いのに、むしろ必需品として、酒のパートナーとして。
バーにはつきものだけど、香水がダメなのに!これじゃ不公平よ!って。
世の女性に言われそうな気もするね・・・」
「あら、シガーは当然でしょ?だってお酒の香りとシガーの香りのマリアージュ
きちんとしたフレンチのレストランでは、ワインとお料理と同じように
食後のお酒に合わせて、ソムリエさんがシガーをすすめてくれるわよね
・・・でも、あなたってシガーしないじゃない?いつも、お酒ばかりで・・・」
「ああ、興味があって、若い時にチャレンジしたいと思ったことがあってね
でもなんか、まだ背伸びしすぎかな、って感覚もあってさ、遠のいていたんだ
でも、そろそろ試してみようかな・・・始めるならこのKさんの店と決めていたんだ・・・」
「そうよね、アナタの師匠のお店だものね・・・でもこのお店、シガーなんてあったかしら?
目にしたことがない気がするわ?どこにあるの?見落としているのかしら?・・・」
「いや、シガーの品質を管理する意味もあって・・・
これ見よがしに、バックバー(カウンターうしろの棚)に置いていないだけさ
中には、これでもか!ってライトをあて、
バックバーのど真ん中にドーン!と飾っている店もあるけど・・・
ココはちがうんだ、シガーの状態を良好に保つためにきちんとしまってある・・・
たしか、そうですよね、Kさん?シガーのメニューもありましたよね・・・」
「はい、ウチでは品質を保つため、シガーは目に付くところにおいていません
ご興味がある、ご注文したい方にお声がけいただいて、初めてメニューをお出しします」
「そうですよね、それに銀座でしたっけ?初めてのバーでKさんがシガーを出して
アウェイ感いっぱいのカウンターが、一気に見る目が変わったという話は・・・」
「はい、銀座でなく、京都のバーの話です・・・職業柄、全国でバーはよく行きます
おもしろいもので、バーテンダーは同業者とわかるのですが、お客さんはわかりません
その日も、どこの誰が来たんだ?カウンターに陣取って・・・という目で見られていました
それがシガー大丈夫ですか?と聞いて、ポケットから出してシガー・カッターで切って
専用のライターで火をつけて味わい始めたんですが・・・ちょっとザワってして・・・・
アイツ、シガーを出したぞ!それに自分でカッター使って!専用ライターで!なんて!
何者なんだ?アイツは?・・・という感じが他のお客さんから伝わって来ました」
「なるほどね~・・・バーに通いなれた人間は、時に通っている常連よりも
バーテンダーさんに一目置かれることがあって、シガーもその一つ、って話
この間、したばかりなんですよ・・・」
・・・こうしてその日の夜も。
シガー以外にも、いろいろな話で盛り上がったが。
とうとうシガーは試すこともなく、楽しく連れと飲んだオレは。
ホームグランドをあとにした。
それでも思ったとおり、オレは酒を教わったKさんに。
次の機会に、シガーを教わった・・・少し大人の香りがする気分を味わいながら。
実に昔からのなじみのバー、いやバーに限らず通い続けているお店があるということは。
人生を豊かに、幸せにしてくれるものだ・・・これは、オレが曲げたくないポリシーの一つだ。
ぜひ2代目横丁の読者の方にも、男性・女性を問わず。
マイ・バー、通いなれた店、人生の止まり木を見つけて欲しいと思う。
では、次回は。
お寿司屋さんのカウンターで起きた事件についてお話しよう。
その事件は、バーで起きてきた一連の連続事件とは異なる性質の事件だ。
寿司屋さんのカウンターに関するものでなく、経営者としてリーダーとして。
社員やスタッフが辞めた、そんな時に感じるストレスについて少し話したい。
ではでは、また。
次の機会に、お会いしよう。
「どうも・・・後から連れが1人来るんですけど」
「かしこまりました」
「それで、そうだな、今日はジントニックからお願いします」
「かしこまりました」
そう言うと彼、いや「彼」と言ってしまわない方が良い。
オレに16才の頃から、酒の味、文化、雰囲気を教えてくれた人。
そう、オレの酒の師匠とも言える人に「彼」はなかったな・・・。
この地域では、一番のベテラン・バーテンダーのKさん。
最近は「マスター」と呼ぶお客が多いが、馴染み客は名前で呼ぶ。
オレたち仲間にとっては、ガキの頃からずっとKさんだが。
Kさんは静かに手短な返事をすると、ボンベイサファイアのボトルに手を伸ばした。
その日も、突然の訪問だった。
もっとも、オレはバーに予約を入れるほどヤボじゃない。
そしてオレはいつもの席、一番奥のバーカウンターチェアに身を置いて。
となりの席に荷物を置くヤボなこと、コレもまた、いつもならしないのだが。
カウンターに「マスター」と呼ぶ輩(やから)が団体?で5名ほどいて。
バーカウンターにしては、騒がしくしているその連中との間に。
3席しかなかったので、あえて連れの席をキープするためカバンをおいた。
・・・バーに来て、男5人でカウンターね・・・・・。
しかも男にしては、おしゃべりでうるさいヤツラだな・・・・・・・・。
オレは心の中でつぶやいたが、「男にしては」と書けば。
バーカウンターが似合う女性に「ソレって女はおしゃべりってコト?」と怒られそうだ。
いやいや。そんなことを言うつもりは、ぜんぜんない。
またバーカウンターでは「男は黙って酒を飲め!」と言うつもりも、毛頭ない。
バーだっておしゃべりして、男も女も楽しくにぎやかに過ごして良いのだが。
にぎやか過ぎるのは、バー以外のレストランや飲食店でも迷惑な行為だと思う。
それほど彼らの話声は、他の人と隣接するカウンター席にしては大き過ぎて。
マル聞こえの内容に具体的な会社名など出ていて、ヤボな連中だっただけだ。
たとえて悪いが、ベテランのママを目当てに鼻の下を伸ばしたオッサンが。
カウンターを陣取るスナック、それはそれで味があるとしても、この店はちがうんだ。
いや、何よりも。スナックでもバーでも、カウンター席で。
男5人で連れ立って横並びなんて、絵にならない、ハッキリ言ってヤボだ。
「おまたせしました、ジントニックです・・・」
時間にして、こんなことを考えていたのも数分間だった。
オレのつまらんイラついた気持ちをすっーと静めるかのように。
Kさんの言葉と共に、そっと目の前にグラスがおかれた。
ジントニック。ジンとライムとトニックウォーターで構成された一杯。
シンプルだが、シンプルゆえにカクテルとしては奥が深いといえるだろう。
バーにより、それぞれの味があり、提供の仕方もちがう。
そのバーやバーテンダーさんの特徴、また好みが出やすいとも言える。
ちなみにマティーニも、同じジンベースで構成はシンプルだが。
まさに千差万別、カクテルのAにしてZ、入門にして卒業の一杯とも称される。
今、最新作が上映中の007、かのジェームズ・ボンドは。
ジンでなくウォッカで、しかもシェイクという指定までしている。
これが世に言うボンド・マティーニだが、シリーズ第1作で供された一杯が。
オマージュをこめて、最新作ではおもしろい形式で登場している。
そういえば。
先日の銀座のバーでお目当てにした一杯も、その店のオリジナル・マティーニ。
・・・そう、マティーニは、レシピがあるようでないのかもしれないな、と思い出しながら。
そのジントニックは、一口で心を静めるには十分すぎる一杯だった。
「いらっしゃいませ・・・」
「お待たせ・・・近いけどタクシーで来ちゃった・・・」
Kさんの声と共に、オレの隣に身を寄せる連れ。
タクシーで来た、少しでも早くアナタに会いたくて・・・なんて余分なセリフはない。
知り合いが見れば、不思議がるかもしれないが。
オレと連れは、二人きりの時は意外としゃべらない。
それでも、バーカウンターでの香水の話になって。
そして、それはシガー(葉巻)の話へと変わって言った。
「・・・反対に言えば、じゃなんでシガーはバーカウンターでOKなのか?
香りも強いのに、むしろ必需品として、酒のパートナーとして。
バーにはつきものだけど、香水がダメなのに!これじゃ不公平よ!って。
世の女性に言われそうな気もするね・・・」
「あら、シガーは当然でしょ?だってお酒の香りとシガーの香りのマリアージュ
きちんとしたフレンチのレストランでは、ワインとお料理と同じように
食後のお酒に合わせて、ソムリエさんがシガーをすすめてくれるわよね
・・・でも、あなたってシガーしないじゃない?いつも、お酒ばかりで・・・」
「ああ、興味があって、若い時にチャレンジしたいと思ったことがあってね
でもなんか、まだ背伸びしすぎかな、って感覚もあってさ、遠のいていたんだ
でも、そろそろ試してみようかな・・・始めるならこのKさんの店と決めていたんだ・・・」
「そうよね、アナタの師匠のお店だものね・・・でもこのお店、シガーなんてあったかしら?
目にしたことがない気がするわ?どこにあるの?見落としているのかしら?・・・」
「いや、シガーの品質を管理する意味もあって・・・
これ見よがしに、バックバー(カウンターうしろの棚)に置いていないだけさ
中には、これでもか!ってライトをあて、
バックバーのど真ん中にドーン!と飾っている店もあるけど・・・
ココはちがうんだ、シガーの状態を良好に保つためにきちんとしまってある・・・
たしか、そうですよね、Kさん?シガーのメニューもありましたよね・・・」
「はい、ウチでは品質を保つため、シガーは目に付くところにおいていません
ご興味がある、ご注文したい方にお声がけいただいて、初めてメニューをお出しします」
「そうですよね、それに銀座でしたっけ?初めてのバーでKさんがシガーを出して
アウェイ感いっぱいのカウンターが、一気に見る目が変わったという話は・・・」
「はい、銀座でなく、京都のバーの話です・・・職業柄、全国でバーはよく行きます
おもしろいもので、バーテンダーは同業者とわかるのですが、お客さんはわかりません
その日も、どこの誰が来たんだ?カウンターに陣取って・・・という目で見られていました
それがシガー大丈夫ですか?と聞いて、ポケットから出してシガー・カッターで切って
専用のライターで火をつけて味わい始めたんですが・・・ちょっとザワってして・・・・
アイツ、シガーを出したぞ!それに自分でカッター使って!専用ライターで!なんて!
何者なんだ?アイツは?・・・という感じが他のお客さんから伝わって来ました」
「なるほどね~・・・バーに通いなれた人間は、時に通っている常連よりも
バーテンダーさんに一目置かれることがあって、シガーもその一つ、って話
この間、したばかりなんですよ・・・」
・・・こうしてその日の夜も。
シガー以外にも、いろいろな話で盛り上がったが。
とうとうシガーは試すこともなく、楽しく連れと飲んだオレは。
ホームグランドをあとにした。
それでも思ったとおり、オレは酒を教わったKさんに。
次の機会に、シガーを教わった・・・少し大人の香りがする気分を味わいながら。
実に昔からのなじみのバー、いやバーに限らず通い続けているお店があるということは。
人生を豊かに、幸せにしてくれるものだ・・・これは、オレが曲げたくないポリシーの一つだ。
ぜひ2代目横丁の読者の方にも、男性・女性を問わず。
マイ・バー、通いなれた店、人生の止まり木を見つけて欲しいと思う。
では、次回は。
お寿司屋さんのカウンターで起きた事件についてお話しよう。
その事件は、バーで起きてきた一連の連続事件とは異なる性質の事件だ。
寿司屋さんのカウンターに関するものでなく、経営者としてリーダーとして。
社員やスタッフが辞めた、そんな時に感じるストレスについて少し話したい。
ではでは、また。
次の機会に、お会いしよう。
2015年12月15日火曜日
A君を想う・・・
「先輩、ホントにコイツはエライんですよ!」
・・・あれは10年ほど前のこと。
当時、地元で少しずつ評判が上がっていた新規開店のバー。
そのカウンターで、後輩のA君と2人で飲んでいた夜です。
後から1人で来た、後輩のB君が。
オレたちと肩を並べて、カウンターに座った時の第一声でした。
一緒にいたA君は、14才年下の後輩。
後から来たB君は、2才年下の後輩。
共に、ある青年経済人が集まる異業種の会で。
A君は現役、B君は卒業したばかり、私は卒業して数年が経っていました。
その青年経済人の会で、A君は自分自身のことでなく。
その会の諸先輩から、何かといろいろ言われていたらしく。
そのことに頭を下げていた、その姿がエライ!とB君は言い出したのです。
A君が何かと言われ、頭を下げていたこと。
それはA君の会社の先代社長、お父さんのことでした。
このお父さんもまた、同じ異業種の会に所属していました。
当然ながら、A君のお父さんを知る同世代の先輩方もいます。
そしてA君のお父さんは、自分にも周りの人にも厳格で。
周囲との摩擦を恐れず、ハッキリと意見を主張する方でしたので。
同世代の先輩方の中に、お父さんとハダがあわない方、嫌う方がいて。
A君は「オマエのオヤジは・・・」と、アーダコーダと言われていたのです。
このように、先代社長のことを世間からいろいろと言われる時。
特に男性の2代目社長が、父親である先代社長の評判を耳にする時。
数多くの2代目社長やその予備軍を目にしてきた経験と。
自分自身の経験からすれば、大きく3つのタイプに分かれる気がします。
というのも、考えてみれば。
2代目として先代から経営や会社を引き継ぐのは、財産の相続と同じです。
不動産やお金だけでなく、いろいろな目に見えない資産と負債が存在します。
先代に対する評価も、経営者として引き継いだ財産の一つ。
大事な資産もあれば、返さないといけない負債もあるからです。
そう、一つは2代目社長として自覚と責任があり、客観的に先代を見ているタイプ。
A君のように先代の負債を返しながら、社長として自分自身の資産を増やせていける人です。
二番目のタイプは、2代目社長として自覚と責任が薄く先代をライバルまたは無関係と考えて。
先代から相続しながら踏み倒して、社長として自分自身の負債を積み増している人です。
このタイプで、思い出すのは。
先代のお父さんとの約束を持ち出して、守ってくれるようにお願いした時に。
ある2代目社長が「そんなことは、先代に言ってくれ!」と怒り出して。
「もし文句があるなら、先代の位牌を自宅の庭に出してXXをかけてくれてイイから!」と。
言い放った事件です。
3つ目は、2代目社長として自覚と責任がほとんどなく先代にオンブにダッコのタイプ。
先代から本当の意味で経営や会社を相続してない、社長としてカタチだけの人です。
たぶん、このタイプの2代目社長は。
アナタの身の回りにも、何人かいないでしょうか?
肩書きは社長でも、先代にお伺いを立てないと返事ができない。
こんなことをしている2代目は、決して少なくない気がしています。
そんな・・・立派に先代からの資産も負債も引き継いで、自分自身の資産を積みまして。
自らの力でも、経営者として、リーダーとして、多くの資産を積み上げていたA君・・・・・・・・。
異業種の会で、数多くの若い仲間から慕われて。
社員を大切に、そして会社の業績をガンガンと伸ばしていた彼・・・・。
・・・そのA君が、10月半ば。
1年におよぶ闘病生活の中、社長としての職責を全(まっと)うしながら。
わずか40歳そこそこの若さで・・・・・亡くなってしまいました・・・・・・・・・・・・・・。
・・・このことを。
書き留めておきたい、と思いながら。
何度、このブログに掲載すべきか?迷ったことでしょう。
誰の眼に触れるか、わからないブログに書くべきことなのか?公開してよいのか?
自己満足の追悼記事にならないか?個人的に書き留めておけば良いのでは?・・・と。
悩み続けて、しばらくブログから離れていました。
たしかに、忙しく時間がなかったのも本当のことですが。
ブログを書く気になれない、それがブレーキとなっていたのも事実です。
そう。冒頭のバーでの話は、A君との思い出のエピソードの一つです。
それから、しばらくして。後でB君に話したのが、後段の先代の資産と負債の話です。
人は身近な人が亡くなった時、近しければ近しいほど。
それも、自分よりも若い人が亡くなった時にはなおさら。
心の整理がつくまで、より多くの時間がかかると思います。
そして亡くなった人に手を合わせながら、その人と自分の人生もふり返る。
いわゆる死生観を思い、生き残った者として、これからどう生きるべきか?と考える。
その結果。私の場合、ここにA君のことを記(しる)しておこうと。
同じ2代目経営者として、懸命に生きてきた彼のことを2代目横丁に記しておこうと。
それが先輩として、生き残った私の役目と思って。
今日、彼のことを書きつづる事にしました・・・。
A君のことは。
ただただ、残念であり、若すぎると思うばかりですが・・・。
その上で、このブログを読んでいるアナタに。
少しの時間、考えてもらいたいと願っています。
人は、生まれる場所と時間と。
亡くなる場所と時間は、自分では選べないといいます。
そうだからこそ、一生どころか、数年、1年、半年、1ヶ月とは言いません。
1日とも、半日とも、数時間とも、もしかしたら1時間とも言えないかもしれません。
30分でも、10分でも、今このブログを読んだ後の数分でも。
ホンのわずかと思える時間でよいので、悔いなく生きたいと。
このように思ってもらいたいと考えているのです。
これがA君のことをブログに記した、私の思いです・・・。
本当に、若すぎる・・・。
改めて、A君のご冥福を心から祈って。
合掌。
・・・あれは10年ほど前のこと。
当時、地元で少しずつ評判が上がっていた新規開店のバー。
そのカウンターで、後輩のA君と2人で飲んでいた夜です。
後から1人で来た、後輩のB君が。
オレたちと肩を並べて、カウンターに座った時の第一声でした。
一緒にいたA君は、14才年下の後輩。
後から来たB君は、2才年下の後輩。
共に、ある青年経済人が集まる異業種の会で。
A君は現役、B君は卒業したばかり、私は卒業して数年が経っていました。
その青年経済人の会で、A君は自分自身のことでなく。
その会の諸先輩から、何かといろいろ言われていたらしく。
そのことに頭を下げていた、その姿がエライ!とB君は言い出したのです。
A君が何かと言われ、頭を下げていたこと。
それはA君の会社の先代社長、お父さんのことでした。
このお父さんもまた、同じ異業種の会に所属していました。
当然ながら、A君のお父さんを知る同世代の先輩方もいます。
そしてA君のお父さんは、自分にも周りの人にも厳格で。
周囲との摩擦を恐れず、ハッキリと意見を主張する方でしたので。
同世代の先輩方の中に、お父さんとハダがあわない方、嫌う方がいて。
A君は「オマエのオヤジは・・・」と、アーダコーダと言われていたのです。
このように、先代社長のことを世間からいろいろと言われる時。
特に男性の2代目社長が、父親である先代社長の評判を耳にする時。
数多くの2代目社長やその予備軍を目にしてきた経験と。
自分自身の経験からすれば、大きく3つのタイプに分かれる気がします。
というのも、考えてみれば。
2代目として先代から経営や会社を引き継ぐのは、財産の相続と同じです。
不動産やお金だけでなく、いろいろな目に見えない資産と負債が存在します。
先代に対する評価も、経営者として引き継いだ財産の一つ。
大事な資産もあれば、返さないといけない負債もあるからです。
そう、一つは2代目社長として自覚と責任があり、客観的に先代を見ているタイプ。
A君のように先代の負債を返しながら、社長として自分自身の資産を増やせていける人です。
二番目のタイプは、2代目社長として自覚と責任が薄く先代をライバルまたは無関係と考えて。
先代から相続しながら踏み倒して、社長として自分自身の負債を積み増している人です。
このタイプで、思い出すのは。
先代のお父さんとの約束を持ち出して、守ってくれるようにお願いした時に。
ある2代目社長が「そんなことは、先代に言ってくれ!」と怒り出して。
「もし文句があるなら、先代の位牌を自宅の庭に出してXXをかけてくれてイイから!」と。
言い放った事件です。
3つ目は、2代目社長として自覚と責任がほとんどなく先代にオンブにダッコのタイプ。
先代から本当の意味で経営や会社を相続してない、社長としてカタチだけの人です。
たぶん、このタイプの2代目社長は。
アナタの身の回りにも、何人かいないでしょうか?
肩書きは社長でも、先代にお伺いを立てないと返事ができない。
こんなことをしている2代目は、決して少なくない気がしています。
そんな・・・立派に先代からの資産も負債も引き継いで、自分自身の資産を積みまして。
自らの力でも、経営者として、リーダーとして、多くの資産を積み上げていたA君・・・・・・・・。
異業種の会で、数多くの若い仲間から慕われて。
社員を大切に、そして会社の業績をガンガンと伸ばしていた彼・・・・。
・・・そのA君が、10月半ば。
1年におよぶ闘病生活の中、社長としての職責を全(まっと)うしながら。
わずか40歳そこそこの若さで・・・・・亡くなってしまいました・・・・・・・・・・・・・・。
・・・このことを。
書き留めておきたい、と思いながら。
何度、このブログに掲載すべきか?迷ったことでしょう。
誰の眼に触れるか、わからないブログに書くべきことなのか?公開してよいのか?
自己満足の追悼記事にならないか?個人的に書き留めておけば良いのでは?・・・と。
悩み続けて、しばらくブログから離れていました。
たしかに、忙しく時間がなかったのも本当のことですが。
ブログを書く気になれない、それがブレーキとなっていたのも事実です。
そう。冒頭のバーでの話は、A君との思い出のエピソードの一つです。
それから、しばらくして。後でB君に話したのが、後段の先代の資産と負債の話です。
人は身近な人が亡くなった時、近しければ近しいほど。
それも、自分よりも若い人が亡くなった時にはなおさら。
心の整理がつくまで、より多くの時間がかかると思います。
そして亡くなった人に手を合わせながら、その人と自分の人生もふり返る。
いわゆる死生観を思い、生き残った者として、これからどう生きるべきか?と考える。
その結果。私の場合、ここにA君のことを記(しる)しておこうと。
同じ2代目経営者として、懸命に生きてきた彼のことを2代目横丁に記しておこうと。
それが先輩として、生き残った私の役目と思って。
今日、彼のことを書きつづる事にしました・・・。
A君のことは。
ただただ、残念であり、若すぎると思うばかりですが・・・。
その上で、このブログを読んでいるアナタに。
少しの時間、考えてもらいたいと願っています。
人は、生まれる場所と時間と。
亡くなる場所と時間は、自分では選べないといいます。
そうだからこそ、一生どころか、数年、1年、半年、1ヶ月とは言いません。
1日とも、半日とも、数時間とも、もしかしたら1時間とも言えないかもしれません。
30分でも、10分でも、今このブログを読んだ後の数分でも。
ホンのわずかと思える時間でよいので、悔いなく生きたいと。
このように思ってもらいたいと考えているのです。
これがA君のことをブログに記した、私の思いです・・・。
本当に、若すぎる・・・。
改めて、A君のご冥福を心から祈って。
合掌。
2015年12月11日金曜日
給与所得者は納税者?納税奴隷!?
最近、地元の新聞社さんなどが中心になって。
起業家を発掘する、育てるという事業が始まりました。
その中で、2代目経営者が既存の会社をベースに。
新しい戦略で、新規事業にチャレンジした実例が。
学生部門、新設企業部門など。
他の部門とあわせた総合評価で、最優秀賞になりました。
実は。この2代目経営者さんは、同業者で知人です。
社員11名の会社。
本社は、ハッキリ言って辺鄙(へんぴ)。
田舎の国道から、少し入った所にあります。
その会社が、海外で。
環境問題に取り組むビジネスで最優秀賞をとったのです。
このように。
身近な人、知っている人、地元の人、年令が近い人など。
なんとなくイメージが持てる人が、何かを成しとげると。
「何か自分にもできそうだな」
「何か自分もてきるんじゃないかな」と。
彼(彼女)ができたんだから。
自分も!と思うことが、誰でも1度はあると思います。
しかし。できそう、と。
できる、とは無限に離れています。
できそう、を別の視点で言い換えれば。
成功ゼロ、実績ゼロ、行動ゼロの世界。
できる、とは事の大小や程度は別にして。
何かに成功した、実績を出した、行動した世界。
ゼロと0.0001でも、そこには無限の格差が広がっています。
同じように。
やれること、と。
やっていること、も違います。
やれる、とは一定のレベルや程度に達した世界。
やっている、とはレベルや程度に関係ない世界。
プロとして自覚を持って仕事をしている状態が、やれる。
プロとは名ばかりで流れ作業をしている状態が、やっていると考えます。
私たちは経営者として、自分の経営を見る視点として。
また社員の仕事ぶりを見て、それを査定する立場として。
自分自身も、社員についても。
できそう、やっている、ことに高い点数はやれません。
できそう、やっている、に満足していては。
成長も、発展も、拡大も、成功もないでしょう。
そう、私たちは、自分自身にも、社員にも。
できる、やれる、ようになりたい!なってもらいたい!
できる、やれる、のレベルや程度を上げる!上げたい!と。
プロならば、職業としているならば。
このように思って仕事をしなくてはいけないはずです。
ところが、今の日本では。
できそう、やっている、で満足して。
できそう、やっている、で仕事をした気になって。
平気な顔して、給料や経費のお金を頂いて。
しかも平均的なビジネスマンより、かなり高額なお金を手にしている。
こんなトンでもない人種が、ほとんどを占める業界があります。
それは政治という業界、政治家という人種です。
「反対しても、票にならない」
「賛成すれば、票が減る」
これが、政治家の行動基準です。
どんな会社でも、その規模の大小に関係なく。
社員は給与所得者であり、納税は限りなく透明です。
同時に、その規模の大小に関係なく。
法人化された企業では、社長も給与所得者です。
そして。おそらく、多くの大会社の役職さんとか。
中小企業でも、そこそこのクラスの社長なら。
給与や所与や一時金などの給与所得の年収が。
1千万を超える人が、そんなに少なくないでしょうが。
実際は、年収が1千万を超す会社員は約199万人であって。
有権者の2%足らずという立場、少数派中の少数派なのです。
残りの98%の人から、成功した人、庶民じゃないと評されているので。
2%程度の極度な少数派の人たちをいじめるような法律や制度を作っても。
政治家の行動基準からすれば「票が増えても、減るわけない」のです。
その結果、消費税の食品関係の減免が。
声高かに論議されて、連日のようにマスコミでも騒がれる一方で。
この階層の人たちの増税や税率は高止まりしていて。
かなりの重税感がある、というのがホンネではないでしょうか。
実は。この2%の199万人で、所得税全体の25%を負担しているのです・・・。
しかも、一見すると所得税はお金持ちになる高収入ほど高くて。
最高は45%にもなるので、高い税負担も仕方ないようにも見えますが。
株式など金融資産を多く持つ資産家たち。
いわば本当のお金持ち、富裕層の人たちの税率は安いのです。
現実に、たとえば東京都下の銀行には。
一つの支店に、資産ウン十億円の人たちがかなりいます。
主に金融資産による売却益や利息、家賃など不労所得者で。
そんな彼らの暮らしぶりを見ると、給与所得がいかにバカらしいか。
こんな思いまで、起きてしまうほどノンビリと優雅に。
付き合いたい人とだけ付き合いながら、手取り所得を増やしています。
こうして、給与所得者は不公平感を持って。
労働対価に重税をかけられ、手取りを減らされて。
納税者でなく、納税奴隷として日本を支えていますが。
どうやら、さらに増税されるらしいです。
「社長の仕事は、社員のモチベーション・マネージメントにつきる」
と星のリゾートの星野社長は話していましたが。
政治家は、今の国を支えている給与所得者のモチベーションを。
下げることしか頭にないようで、日本人の納税意識が低いのも。
単たる国民性でなく、このような不公平な税制度にあると言えそうです。
起業家を発掘する、育てるという事業が始まりました。
その中で、2代目経営者が既存の会社をベースに。
新しい戦略で、新規事業にチャレンジした実例が。
学生部門、新設企業部門など。
他の部門とあわせた総合評価で、最優秀賞になりました。
実は。この2代目経営者さんは、同業者で知人です。
社員11名の会社。
本社は、ハッキリ言って辺鄙(へんぴ)。
田舎の国道から、少し入った所にあります。
その会社が、海外で。
環境問題に取り組むビジネスで最優秀賞をとったのです。
このように。
身近な人、知っている人、地元の人、年令が近い人など。
なんとなくイメージが持てる人が、何かを成しとげると。
「何か自分にもできそうだな」
「何か自分もてきるんじゃないかな」と。
彼(彼女)ができたんだから。
自分も!と思うことが、誰でも1度はあると思います。
しかし。できそう、と。
できる、とは無限に離れています。
できそう、を別の視点で言い換えれば。
成功ゼロ、実績ゼロ、行動ゼロの世界。
できる、とは事の大小や程度は別にして。
何かに成功した、実績を出した、行動した世界。
ゼロと0.0001でも、そこには無限の格差が広がっています。
同じように。
やれること、と。
やっていること、も違います。
やれる、とは一定のレベルや程度に達した世界。
やっている、とはレベルや程度に関係ない世界。
プロとして自覚を持って仕事をしている状態が、やれる。
プロとは名ばかりで流れ作業をしている状態が、やっていると考えます。
私たちは経営者として、自分の経営を見る視点として。
また社員の仕事ぶりを見て、それを査定する立場として。
自分自身も、社員についても。
できそう、やっている、ことに高い点数はやれません。
できそう、やっている、に満足していては。
成長も、発展も、拡大も、成功もないでしょう。
そう、私たちは、自分自身にも、社員にも。
できる、やれる、ようになりたい!なってもらいたい!
できる、やれる、のレベルや程度を上げる!上げたい!と。
プロならば、職業としているならば。
このように思って仕事をしなくてはいけないはずです。
ところが、今の日本では。
できそう、やっている、で満足して。
できそう、やっている、で仕事をした気になって。
平気な顔して、給料や経費のお金を頂いて。
しかも平均的なビジネスマンより、かなり高額なお金を手にしている。
こんなトンでもない人種が、ほとんどを占める業界があります。
それは政治という業界、政治家という人種です。
「反対しても、票にならない」
「賛成すれば、票が減る」
これが、政治家の行動基準です。
どんな会社でも、その規模の大小に関係なく。
社員は給与所得者であり、納税は限りなく透明です。
同時に、その規模の大小に関係なく。
法人化された企業では、社長も給与所得者です。
そして。おそらく、多くの大会社の役職さんとか。
中小企業でも、そこそこのクラスの社長なら。
給与や所与や一時金などの給与所得の年収が。
1千万を超える人が、そんなに少なくないでしょうが。
実際は、年収が1千万を超す会社員は約199万人であって。
有権者の2%足らずという立場、少数派中の少数派なのです。
残りの98%の人から、成功した人、庶民じゃないと評されているので。
2%程度の極度な少数派の人たちをいじめるような法律や制度を作っても。
政治家の行動基準からすれば「票が増えても、減るわけない」のです。
その結果、消費税の食品関係の減免が。
声高かに論議されて、連日のようにマスコミでも騒がれる一方で。
この階層の人たちの増税や税率は高止まりしていて。
かなりの重税感がある、というのがホンネではないでしょうか。
実は。この2%の199万人で、所得税全体の25%を負担しているのです・・・。
しかも、一見すると所得税はお金持ちになる高収入ほど高くて。
最高は45%にもなるので、高い税負担も仕方ないようにも見えますが。
株式など金融資産を多く持つ資産家たち。
いわば本当のお金持ち、富裕層の人たちの税率は安いのです。
現実に、たとえば東京都下の銀行には。
一つの支店に、資産ウン十億円の人たちがかなりいます。
主に金融資産による売却益や利息、家賃など不労所得者で。
そんな彼らの暮らしぶりを見ると、給与所得がいかにバカらしいか。
こんな思いまで、起きてしまうほどノンビリと優雅に。
付き合いたい人とだけ付き合いながら、手取り所得を増やしています。
こうして、給与所得者は不公平感を持って。
労働対価に重税をかけられ、手取りを減らされて。
納税者でなく、納税奴隷として日本を支えていますが。
どうやら、さらに増税されるらしいです。
「社長の仕事は、社員のモチベーション・マネージメントにつきる」
と星のリゾートの星野社長は話していましたが。
政治家は、今の国を支えている給与所得者のモチベーションを。
下げることしか頭にないようで、日本人の納税意識が低いのも。
単たる国民性でなく、このような不公平な税制度にあると言えそうです。
登録:
投稿 (Atom)