2014年9月26日金曜日

リーダーが陥ってはいけない5つのこと

本日は、かの「孫子」の言葉から考えたことです。

将(リーダー)が陥ってはならない5つの状態についてです。

1.必死は殺され、
2.必生は虜(とりこ)にされ、
3.分速は侮(あなど)られ、
4.廉潔は辱められ、
5.愛民は煩(わずらわ)さる

『将に五危あり
 必死は殺されるべきなり
 必生は虜にされるべきなり
 忿速は侮られるべきなり
 廉潔は辱められるべきなり
 愛民は煩わされるべきなり』

つまり、上記のような性格を持つリーダーとか。
戦いに臨んで、このような態度や感覚になるリーダーのもとでは。

将も兵も、リーダーもチームも、言いかえれば経営者も会社も。

1.必死になりすぎるリーダーは、殺される
(駆け引きができない、バリバリ!イケイケ!タイプ)

結果として。

心にゆとりがない、冷静でない、大局が見えないと。
リーダーも部下も、結局は犬死となって全滅する。

2.反対に生に固執するリーダーは、捕虜にされる
(生きることばかりで、勇気がない卑怯ものタイプ)

結果として。

部下ばかり戦わせて、自分は涼しい顔、逃げ隠れする。
挙句には、リーダーも部下も捕虜となり、奴隷となるか処刑される。

3.気が短く直情的なリーダーは、計略に落ちる
(感情的で短気、根本的に器が小さいワンマンタイプ)

結果として。

優秀な部下ほど、裏切ったり、去っていったり。
最後は、部下がイエスマンだけの無能な組織となり、だんだんと衰退する。

4.清く正しくあろうとするリーダーは、バカにされてだまされる
(自尊心が強く、メンツやプライドが高いタイプ)

結果として。

敵からも、部下からもだまされやすく、他人のミスは厳しく、自分には甘い。
理想主義的な言動で、部下が離散したり、おだてに乗ったりして自滅する。

5.情に厚すぎるリーダーは、部下を育てられない
(部下に振り回される、甘いタイプ)

結果として。

部下に力がつかず、厳しさが身につかないで。
リーダーは忙殺されて、やがて部下は逃げていく。

・・・誰とは申しませんが。

周囲にいる経営者には、時にこのようなタイプの人がいて。
お!と顔が浮かぶような人もいますが、大事なことは。

この5つの状態に、自分が場面や状況によってなりやすいこと。

どのような場面で、必死になりすぎてムリを重ね傷を広げたか?
どのような状況で、生にこだわり勇気なく手放せず引きずり過ぎたか?
どのような状況で、カッ!と感情的になり相手のペースにはまったか?
どのような場面で、メンツにこだわりせっかくのチャンスを逃したか?
どのような場面で、社員に振り回されすぎて大局を見失ってきたか?

など、場面や状況により「五危(5つの危険)」に。
必ず遭遇する、陥りそうになる、または陥っていた自分がいる。

このように自分に置き換えて、自分が弱い点や場面を想定して。
五危をチェックポイントに、より良い判断や決断を進めることだと思います。

ではでは。また。

2014年9月23日火曜日

あのトヨタ自動車の4代目でも!

日本一、いや世界一の企業。
天下のトヨタ自動車のお話です。

言わずと知れた、トヨタ自動車の創業家4代目・豊田社長さん。

この方もまた、他の2代目経営者と同様に。

入社以来「創業家だから特別なんでしょ!」と言われ続けて。
創業家のプリンスとしての噂が独り歩き、色眼鏡で見られていました。

ところが社長就任後、まだ1年もたたない時、ある大事件が起きて。
その矢面に自ら立って、戦う姿が社内の評判を変えたのです。

日経BB記事より
↓↓↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140820/270131/

この時、豊田社長は。

自らの頭で考え、自ら原稿を作り、自らの言葉で語り、自らの足で歩いて。
経営トップとして、事件解決の矢面に立ちました。

あれだけのチョー巨大な組織、そして社内の陣容からすれば。
彼が矢面に立つ必要もなく、反対に危険性もあったはずです。

「就任1年足らずで、社長を退任か・・・」

という覚悟さえ、したと言います。

そして、象徴的な言葉を自ら述べます。

「I love car!(私は、クルマが好きなのです!)」

これにより、大ピンチを乗り越えた豊田社長。
社内の評判や噂が変わり、はじめて社長として認められました。

振り返ると。トヨタ自動車より、はるかに。
どーみても、規模や実績の小さい会社の2代目や3代目が。

いつまでもオヤジさんや古参幹部に背中に隠れている。
矢面に立つどころか、尻を追いかけて口だけ挟んでいる。

オヤジは働かないとボケるから、ウチは幹部に任せているからと。
うそぶきながら、実は遊びに行く口実に使っているなど。

こんな2代目や3代目が多い気がします。

もちろん、ヒトのふりみて我フリを直すわけでして。
この2代目横丁をお読みの方は、矢面に立った経験が何回もあると思いますが。

自分の失敗が原因の時はもちろん、先代の負の財産や社員の失敗でも。
自分では、どうにもならないような社会や市場の変化も含めて。

そこから生じる矢面に立つ場面、というより豊田社長のように。
矢面に立ちざる得ない場面は、ウェルカム!と考えていきたいものですね。

ではでは。また。

2014年9月19日金曜日

「フォロワー」のための競争戦略

この本では、多くの中小企業が分類される市場での位置づけ。

フォロワー:トップ企業や2番手企業などの動きを追いかけるその他の企業

の競争戦略について論じています。



大多数のいわば平凡な中小企業、フォロワーは。
市場(お客様、お客様の候補)から見て。

差別化して特長やセールスポイントが明確で競争力のある企業とか。
絞り込んだ市場で特化して、競争力を身につけた企業など。

ニッチャー:業界他社とすみ分けが出来ている企業

とは違って。

市場の差別化も絞り込みも出来ていない、競争力に乏しい状態だと言えるでしょう。

このような多くの中小企業は、よく耳にする次のような戦略。

ランチェスター戦略(弱者の戦略):一点集中、局地戦、細分化

市場シェアNo.1・No.2戦略(GEのジャック・ウェルチ):選択と集中、弱い市場は撤退

という戦略が取れていないわけですが。

そもそもフォロワーに、このような選択と集中の戦略は。

「そのままでは当てはまらない」と著者の手塚貞治さんは述べています。

選択と集中は、根本的にハイリスク・ハイリターンな考え方であるので。
あくまでも、トップかトップと競い合えるNo.2という立場の企業だからこそ活きる戦略。

そこでフォロワーは、リスクを抑える考え方が不可欠であって。
リスクを抑えながら戦略を選択するべきだと手塚さんは指摘しています。

そのためリスクを抑えるというか、むしろリスクをさける戦略が優先。
つまり「競争回避」の戦略を最善策と示してくれていますが。

この意見には、わが意を強くしました。

というのも、誰かと競争するという発想をベースに会社経営の戦略を考えると。
どうしても固定的な考え方や一定の方向性しか見えなくなる危険があります。

しかし会社の経営、やお店での商売というものは。

もともと、市場(お客様)や社会に迷惑をかける、ダマすなどの行為がない限り。
決まりきったカタチも、やり方も、地域や国の境もなく、自由ではないでしょうか。

そのため、発想を自由に「戦わずして勝つこと」も選択肢に必ず入れておく。

特にフォロワー、中小企業や小さなお店は。
競争を避けることから発想したほうが、より良い結果が得られると思っています。

その上で、もし競争するとなった場合には。

顧客ロイヤルティ:顧客から選ばれる立場になる

持たざる強み:小資本ゆえの環境変化への対応性・低コストの強みを活かす

ポートフォリオ:リスク分散を顧客・ブランド・社員で進める

試行錯誤:小さな失敗を素早く重ねて成功していく

の4つの方向性と、その方向性に沿ったリスクをさけるための12の戦略が。
実際の成功事例を元にして、この本では解説されています。

ただ、この4つの方向性や12の戦略にしても。
あくまでも、フォロワーから脱した成功事例を分析しているので。

いわゆる「結果論」と言われると、その通り!となってしまいます。

そのため、単に「この戦略なら誰でも成功する!」とは言えないと。
手塚さんも、自らこの本の中で述べているように。

これらの4つが出来るなら、フォロワーに留まっていない!わけでして。
魔法のツエを期待して、模倣しただけではうまくいかないでしょう。

また現実に。

この本で成功事例として取り上げられている、あるネット系の人材紹介会社は。
最近の労働市場の変化に、かなり苦戦しており新規の戦略が必要となっています。

この点に関しても、手塚さんも「外部環境はめまぐるしく変化する」と書いていて。

変化のはげしい環境では、当たり前といえば当たり前ですが。
差別化や絞り込みなど「選択と集中」の戦略には、大きなリスクが伴うと指摘しています。

まさに、今の日本では。

国の財務や社会保障費の問題から、大多数の国民の雇用を支える中小企業に厳しくて。
人手不足や社員の高齢化が進む一方で、人を雇用する負担感がドンドン高くなっています。

また若い人を中心にした働き手の意識も変わり、経済の見通しも不透明感が漂います。
さらに多くの業界で、常に新しく、より安い商品やサービスが提供され続けています。

このような外部環境の変化に生き残り、永続的に企業やお店を続けるために。
フォロワーは戦わずして「競争回避」することが、ベスト戦略ではないでしょうか。

その上で。同業他社と比べることのない、競争を意識しない視点で。
すみ分けや差別化を進め「プチ・ニッチャー」となるのが現実的な戦略だと思いました。

2014年9月16日火曜日

ライバルを見なさい!と言われても・・・

なるほど。

コンサルタントの方に、ライバル分析が大事!
ライバルを見ずして経営なし!というように。

何かにつけて「ライバル!ライバル!」と言われて。
でも自分は「ライバルでなくお客さんを見たい!」と思って。

ピン!来ないで違和感があるのですね。

ズバリ!結論からいえば。普通の中小企業は。

ライバルと競い合う、という視点や発想に主眼を置くのでなく。
ライバルと違う点、別の位置や「道」をとるという考え方で良いと思います。

そのためには、やはり「ライバルよりお客さん」を見たほうがイイでしょう。

仮にもし、ライバルや同業他社の動きを見る、分析するとしたら。
他社が見ている「市場やお客さんの動向」に着目すればどうでしょうか。

そもそも、商売やビジネスに「決まりきった勝ち負け」はなくて。
本当は競争する、競争相手としてのライバルという発想や考え方もなく。

一定のカタチも、やり方も、順番も、勝ち負けのルールも。
決まったものがあるようで、実のところはないと思うのです。

ですから、勝ち負けも、カタチも、やり方も、順番も。
経営者自身や自社で決めれば良いのであって。

自分や自社に後悔がないように、または後悔を最小にする。
お客や市場、社会に後悔させないように、または後悔を最小にする。

この点を守れば、商売は続けていけるとも思います。

それと、もう一つ。コンサルタントに関する話ですが。

世の中で「コンサルタント」と名乗っている人たち。
特にビジネスに関するコンサル業界の特色について。

私自身、何千万円もの会社のお金を使い多種多様なコンサルを受けて。
何百万円の個人のお金をつぎ込んで、教える側のコンサルタントの経験から。

そのウラ側、コンサルタント業界の実態を。
肌で感じ、学んだことについてお伝えしたいと思います。

まず、バッサリ!と切り捨てれば。

ビジネスのコンサルの人たちのルーツ、経営でも組織でも営業でも。
XXコンサルと名がつくような人たちが、教えている発想や手法は。

欧米の思想、さらに細かく言うと将官と兵隊といった軍隊におけるもの。
つまり勝つことが最大の目的であり、それ以外に価値はないというものです。

そういう意味では、根本的に軍隊の洗脳発想であり、兵隊も消耗品です。
将官の命令の元、兵隊はイェッサー!以外に口にしてはならないのです。

まさに戦争の戦略であり戦術、競争の戦略であり戦術であって。
ライバル、敵国を倒すことこそが目的であり、焼け野原にしてしまうことです。

だから敵、ライバルの弱みや強みを知り、弱点をつくため徹底的に分析する。
または自社の弱みと強みといったSWOT分析などがハバをきかせているのです。

このような発想の元に、経営や組織や営業などを展開する考え方が。
マネージメントという横文字とともに、戦後の日本に入ってきたのです。

戦争で負けた当時の日本人にとっては、このような欧米人のやり方は。
最先端のノウハウと考え方として、一気に受け入れられて広がります。

そして、そんな欧米の教えを日本式に変えていく中で。

コンサルのノウハウや発想そのものでなく。
誰から教わるか?ということに価値をおく。

このような日本人的な発想から、今度はノウハウも経験も低いまま。
コンサルタントを依頼してくる人、クライアントを弟子などと称して。
自分に従属させようと、虚像をつくりあげる人たち増えています。

そういう点では、確かにコンサル選びも人物であって。
自分と価値観が同じ、自分との相性が一番大事です。

だから、もしピン!とこないなら。
そのようなコンサルからは、そっと離れるほうが賢明です。

というのも。実績があり、優秀なコンサルタントの方は。
必ずクライアント、コンサル先を自分が選びます。

反対に、コンサルを受けたくても。
なかなか受けられないということになるのです。

こうして経験がない若造が、誰かの受け売りで。
机上で勉強した頭でっかちの人たちが、実践の経験もなく。
横文字のノウハウとか、分析立論法などをやたらと喧伝する。

こんなヤカラがきわめて多いのが、コンサル業界の実情でして。
多くのコンサルの提供する商品が、欧米系の競争原理に基づくのですから。

当然、ライバルに関するものも多くなるわけです。

さらに。

もっと言ってしまえば、ライバル分析やライバルの対抗策を否定されると。
教えるものがない、すなわち自分たちのお金にならないからです。

このような人たちは、本当はコンサルタントでありません。
単なる自分や自社の商品を売り込みたいセールスマンです。

え~ライバル!ライバルはいかがですか!と大声を上げているだけなのです。

同時に多くの日本人は、誰から教わるか?誰とやるか?というように。
コンサルタントだけでなく、経営者と社員、自社と取引先なども含めて。

良くも悪くも「属人」主義だと思います。

その点は欧米人、今は中国人も「属物」主義ではないでしょうか?

当然ながら、国際的なビジネスをする上では。
欧米人や中国人に対さなければいけません。

また人が多くなり組織が大きくなれば、人に任せるよりも。
ルールやしくみを整えて、マニュアルで動かす方が効率は良くなります。

ですから、大企業は「属人」から離れ「属物」の発想や方向性をとりますが。
そのため大きく成長するには、属物的にライバルをぶちのめす発想が大事で。
あたかも、欧米式のコンサルが良いように世の中では思われていますし。
コンサルたちも、大企業の事例をよく取り上げて売り込んでくるのです。

もちろん、コンサル、そしてライバル分析がすべて悪いとは言いません。
しかし繰り返しますが、万が一にも経営の本筋になることはないでしょう。

ライバルや市場の動向、売れ筋を分析したり。
SWOT分析などして、自社の弱みや強みを分析したり。

あくまでもツールであって、経営の主流にはなり得ない。
このように考えみれば、良いのではないでしょうか?

この「2代目横丁」は、ツールを提供するというよりも。
結果を出すノウハウ、勝ち負けだけを追求する発想よりも。

商売やビジネスにおけるプロセス、いわば「道」について。
いろいろなお話を提供したい、情報を発信したいと願っています。

なぜなら2代目、3代目、4代目と何十年、100年と続く老舗には。
やはり「道を考える」「道を追い求める」という姿勢が大切だと考えるからです。

これからも少しでも、あなたの「道」を照らす小さな灯火になりたい。
このような話で、お役に立てたなら幸いです。

2014年9月13日土曜日

商いに大事な2つの「確かな目」とは

商売、ビジネスというもの、商いは。
自分が飽きないでやれること。

そしてお客様から、飽きられることなく。
お客様と商いを通じて、良好な人間関係が続くこと。

この2つが、大事であって。

人や社会や地域などに、迷惑をかけたり。
ウソで強引に売りつけたり、ダマしたり。

そういうことさえしなければ、自分の発想で自由に進めて良い。
このような考え方が、商いを進める上で大切ではないでしょうか。

同時に。

商売やビジネスを始めて、お店や会社を開くとか。
または商売やビジネスを継いで、先代からお店や会社を譲り受けて。

自由な発想の中で、自分の思うような商いをしながら。
自分のお店や会社を何十年、100年と続く老舗にすることは。

自分の発想や意欲だけでは、なかなか難しいと思います。

数年前のことです。

知人のMさんが、独立してお店を始めようとした時に。
当時、というか今でも市場環境がきびしい業界でのビジネスでしたので。

多くの方から「やめた方が良い」とか「もう少し景気が良くなってから」と言われたり。
資金に余裕があるから遊び感覚で始めたとか、影のスポンサーがいるんだろうとか。
勤め先とケンカして飛び出すのか!とか、つまらんウワサを流されたりしたそうです。

そのような中、私はMさんに「やってみればどうですか?」と話していて。
先日、Mさんから「どうして、あの時に賛成してくれたのですか?」と聞かれました。

それは、Mさんには業界でのキャリアも十分にあったとか。
人柄もよくリーダーシップがあったなど、一般的な理由もありましたが。

大きな理由の一つは。

「自己資金だけでやろう、借り入れが生じるようになったら止めよう」

とMさんが考えていたからです。

商売やビジネスを始める時、またはお店や会社を継いだ時。
コレをやりたい!アレをやりたい!こうしたい!など。

何をやりたいか?何をやれるか?と誰でも考えますが。
どうなったら止めるか?と考える方は、そう多くはありません。

商売やビジネス、商いは飽きないでやれることを。
どんなやり方でも、場所でも始めることはできますが。

どんなことになったら止めるか?
これだけは歯を食いしばってもやりたくない!

このような考え方から、常に見ていないと。
手遅れになり、致命傷を負うことが多いのです。

有名な例が、超音速旅客機「コンコルド」の話です。
コンコルドは、イギリスとフランスの政府の肝いりで。
共同で開発が進んでいた「夢のジェット機」でした。
しかし、すでに開発段階から赤字になる事が判明。

ところが、それまでの投資金額が大きかったため。
開発を止めずに、完成したのはイイものの。

赤字が大幅に拡大、より巨額の損失を生む結果となったのです。

そしてもう一つ、私がMさんの考えに賛成した理由は。

Mさんが、同業ライバルと競争しよう、マネをしようとか。
ドンドンとお店の規模を大きくする、売り上げを増やすなど。

そういう考え方とは一線を画して。
自分の求めたいお店づくりを目指そうとしていたことです。

もちろん、独りよがりに。
こんな店がイイ!と考えたわけではありません。

お店づくりの根拠、裏づけとなっていたのは。
Mさんが培ってきた、長年の業界での経験による「確かな目」です。

おもしろいことに、開店から数ヶ月の間は。
毎月のように、依頼した税務事務所さんから。

「このままだと、来月あたり運営資金がつまります!」

と言われ続けたそうですが、Mさんは。

「大丈夫、今月末までは売り上げがココくらいになるから」

と答えて、実際に資金がつまることはなかったそうです。

Mさんのお店は、開店から数年が経ちましたが。
同じ地域内の同業他社が苦戦する中で。

順調にお客様を増やし、多くのリピーターを確保しております。

思うに。このような商売やビジネスを見る「確かな目」は。
やはり本や講習では、決して身につかないでしょう。

行動を起こし、自分でやってみて始めて身につくものだと思います。

しかも、大小のさまざまな失敗や問題を乗り越えて。
始めて身につくもの、それが「確かな目」なのではないでしょうか。

残念ながら、ビジネスの神様、商売の天才と言われるような人にも。
お店や会社を始めると、想像もできないような失敗や問題が必ず起きます。

大事な点なので繰り返しますが、か・な・ら・ず!起こるのです。

もっと大きな視点で見れば人生において、人は何かのことで。

行動を起こせば、必ず大小の失敗や問題が起こる。
自分でやってみると、必ず大小の失敗や問題に遭遇する。

それは、じっと動かずにお風呂に入っていて。
動き始めると大小の波が必ずたつのと同じことです。

その人の能力や環境、年令や経験に関係なく。
自然なこと、起こるのが当たり前のことと考えられるのです。

その上で。

もし商売やビジネスで、何かの失敗や問題が起きた時に。

失敗や問題を解決しよう!という意欲や行動と同じか。
それ以上に大事なのが、止める!という選択ができること。

または。コレをしよう!アレに手を出そう!とするよりも。
コレだけはしない!アレには手を出さない!と決めていること。

これこそ、何十年と続く老舗と言われるお店とか。
2代目、3代目と代々と続く会社に共通する大きな特徴だと思います。

そう。ビジネスや商売を続けるために必要な「確かな目」とは。
商いを始める、手を広げるという将来を見据える「確かな目」と共に。
商いを止める、手を出さないという現実を見据える「確かな目」も。
同じか、それ以上に大切な視点だと考えた方が良いと思います。

しかし一方で、お店や会社を起こしたばかりの創業者や起業家とか。
お店や会社を継いだ2代目や3代目など、経験が浅い経営者にとって。

止める!手を引く!手を出さない!という視点は。
先ほどのコンコルドの例のように、なかなか持ちにくい視点です。

だからこそ、止める!手を出さない!を含めた客観的に広い視点を。

キチンと示してくれるような人物が、そばにいること。
自分のお店や会社の中、または外に必ずいること。

これが老舗や100年企業となるための条件の一つだとも思います。

そして、客観的な広い視点に基づく意見やアドバイスは。

得てして、耳に痛い、腹の立つ、自分の意見と反対のことが多いもの。

それでも、ちゃんと自分に伝えてくれる信頼のおける人物を見抜く目。
お世辞やご機嫌取り、ただ単のイエスマンに過ぎない人物を見抜く目。

これもまた、商売やビジネスに必要な「確かな目」の一つではないでしょうか。

このように。

自分自身が将来や現実を見据え、客観的に判断できる「確かな目」を持つ。
または「確かな目」を持つ信頼の置ける人物を見抜く「確かな目」を持つ。

この2つの「確かな目」があれば、大小さまざまな失敗も問題も乗り換えて。
やがてお店や会社の進化の糧となって、老舗や100年企業を築く幹となる。

これは私自身、かつて会社存亡の危機に直面した時に。
痛みと共に得た発想、常に磨いておきたいと願っていることでもあります。

今回は、お店を始めて数年経ったMさんとの会話から。
Mさんのお店も、きっと老舗といわれるようになると。

改めて感じた、その中で自分を振り返ってみた話でした。

ではでは。また。

2014年9月11日木曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その4-

この状況、メンバーが仕事に追われる状況は。

2014年に入ると、ますます加速&拡大していきます。

あるメンバーは、会社の内部体制の整備に。

またあるメンバーは、大きな決断をして会社形態の大改革に。

そして別のメンバーは、新たな取引先を求めて積極的に攻めに出るなど。

自社のおかれているポジション、社内や市場の現状に合わせて。

経営者として、まさに東奔西走が続いたのです。

そんな「時間がない!」「体が2つほしい!」状態ですから。

2代目横丁の活動、勉強会も、新たな情報発信の場作りも中止。

このような状態が、今年の6月頃まで続きます。

一度、開設したこのブログも。

投稿を消して、再構成することにしました。

そして、今年はじめて開いた7月の勉強会。

ようやく、ブログの再開と「メールによる相談を広く受付よう!」と。

新生・2代目横丁がスタートしたわけです。

今後、時間を見ながら。

過去のメルマガ(150本)の開示やビジネスレポートの開示とか。

あの幻の小冊子の改訂版の復刊など。

少しずつ、コンテンツの内容を広げていければ!と考えています。

2014年9月9日火曜日

社員に気持ちが通じないのですが・・・

なるほど。

大事にしている、頼りにしている、そんな社員さんに。
自分の気持ちが通じない、ということがあったのですね。

もともと人の気持ち、人の心は。
通じにくい、わかりづらい、だから苦労や努力がいる。

それは、他の人と自分だけでなく。
自分自身、自分と自分の場合も同じ。

こーやろう!あーなりたいという気持ちや心があっても。
なかなかできない、なかなかなれない、って経験がありませんか?

時には他の人に、まったく正反対の受け止め方をされたり。
わかっているのに、なかなか行動に出られない自分がいたり。

自分自身を含め、すべての人は。
幾度となく、こんな経験を繰り返していると思います。

あえていえば、100の悩み、もがき、苦しみ、そして涙と挫折の中に。
人は1つの成功、通じた!わかってもらえた!という結果を手にできれば。

それで達成感、やる気、チャレンジ・スピリッツを感じられるもの。
意外と省エネに、人の考え方はできているのかもしれませんね。

その上で、ちよっと考えさせられる質問がありました。

1.社員や取引先と心が一つになっているけど利益が出せない経営者

2.社員や取引先と心が離れ離れになっているけど利益を出している経営者

または

a.社員や取引先から好かれて尊敬されているけど利益が出せない経営者

b.社員や取引先から嫌われ恐れられているけど利益を出している経営者

という場合、あなたは経営者として、どちらを目指すか?というものです。

もちろん、個人の人間関係、または人生という広い視野からすれば。
心が一つ、好かれている、という方が大切かもしれませんが。

ポイントは、経営者として、という点です。

そう。会社は利益集団であり、学生サークルやボランティア団体と違う。

もちろん、心が一つに、好かれながら利益が出ていれば良いのですが。
一つにしようとするあまり、好かれようとするあまり、甘くなってはアウトです。

もし、部下に気持ちが通じずに「え?ナニそれ?」とビックリしたなら。
気持ちが通じなかったことに悩むのも、その部下を心のうちで切り捨てるのも。

そのどちらも、経営者、特にトップの社長として「アリ」だと。

このように考えてみるのも、一つの手かもしれませんね。

その一方で。

もし、人を思う心、それによって自分の心が傷つくとしたら。
それは乙女チックな感性でなく、心の弱い人間がなるものでもなく。

リーダーとして大切な感性だとも思うのです。

頼りにしていた人、それが部下でも、友人でも。
また家族でも、恋人でも、相手との想いに違いがあると。

それはショックを受けます、誰でも傷つきます。
時には、土砂降りの雨の中で叫びたくもなります。

それがリーダーなら、人を束ねる立場の人ならば。
ごく自然に、まさに雨が降るように、身に降りかかることが多いでしょう。

その上で、心が雨に濡れると。

大きく分けると、自分を振り返る人、自分を省(かえり)みる人と。
相手を攻める人、相手に反省を求める人がいると思います。

その中で、時と場合によって。
自分を省みすぎたり、相手に反省を求めすぎたり・・・。

そういう意味では、どちらに偏ってもいけないとも思うのです。

今は、雨が降っても良いし。
雨の中を迷いながら歩いて、ずぶ濡れになっても良い。

ただ、そのために風邪をひかぬように。
ひきそうなら、友人や仲間が暖めてくれるように。

そんな自分をねぎらってくれるような人、またはそのような環境など。
孤独だといわれる経営者には、必要不可欠でもあります。

この2代目横丁も、そんな雨に濡れた2代目のみなさんの小さな傘。

少しでも、お役に立ちたいと思っています。

2014年9月7日日曜日

2代目横丁 物語-誕生から新店舗開店へ その3-

改築、といっても結果的には「新築・移転」となりました。

というのも、長年にわたり利用していたサーバーの会社とトラブルがあって。

過払いを要求されて、支払ったら。

そのまま預かり金とされたり、小さく書いた件で余分にお金を取られたり。

チラシや雑誌広告などにも、よくあることですが・・・。

小さく「ただし・・・」と書いてあり、実際には安そうに見えて高い!とか。

どうみても、それがなければ広告にうたった機能が使えんのでは?と。

そういう肝心なオプションが、別料金で小さく書いてあるとか。

こういう感じで、スッタモンダしたのです。

考えてみると、最初に契約した会社が某会社に買収されて。

経営母体が変わり、経営の方針も変わったのが一因かと思います。

そのため、データを引き上げ移転を決めて。

新たな情報発信の場、新たなメールマガジン配信システムなど。

いろいろな試行錯誤が始まりました。

その一方で、ちょうど同じ2012年の秋ころに。

創立メンバーから、今のメンバーへの入れ替わりもあって。

また、翌2013年は。

各メンバーも、仕事に追われる状況もありまして。

メンバー限定のメーリングリストによる発信と勉強会に終始。

こうして、アッ!という間に2013年も終わりを告げました。

2014年9月6日土曜日

今朝の話【Twitterリンク】

今朝、通勤途中の信号待ちで。

小さな女の子の手を引いて、一緒に歩くTシャツ短パン姿のお父さんを見かけた。

女の子は、3才くらいだろう。

よちよち歩きながら、何気に道端のいろいろなもの。

雑草?ただの地面?それとも電柱の根元?それとも虫?

キョロキョロ、キョロキョロ、めずらしそうに見ている。

でもお父さんは、視線を前に向けたまま。

そんな女の子に、気づかないご様子。

散歩だろうか?それとも、その信号の先のコンビニに買い物だろうか?

もし、お父さんが。

単に散歩をする、買い物に行く、でなく。

子どもとの時間、子どもと一緒に過ごすんだ、と意識していたなら。

視線を子どもに向けて、話しかけていたかな?と思った。

その時である。ふと、気づいた。

何ごとも、何かをする時には目的が大切。

ただ単に。会社を経営する、仕事をするでなく。

何のために経営するのか?何のために仕事をするのか?と。

意識を持つだけで、経営も仕事も中身が大きく変わる。

ふとした朝の光景から、学びを得た気がした瞬間でした。