人、モノ、お金、情報。
よくビジネスや企業を構成する4つの要素と言われているものです。
おもしろいもので、世の中を見ると。
人、モノ、お金、情報の順番でなく、情報、お金、モノ、人の順番で。
業界や地域や国や人種などの境界線を越えて。
より広く、より遠くとやりとりができることになっています。
それは別に、今のインターネットやスマホといった技術が出来たからでなく。
まだ海外へ行ける人も数少なく、輸入品は高額な高級品で手に入りづらく。
1ドル=360円のように、お金のレートも固定化されて自由にならなかった時代。
こんな時代でも、テレビではオリンピック中継や大統領暗殺事件といった情報が。
リアルタイムや短期間のうちに、ほとんどんの家のお茶の間へ配信されていました。
一方で。人が一番初めにあるのは、モノも金も情報も。
すべて人が生み出して、人から人へ広げてきたからでしょう。
最初はモノ、原始時代には動物の骨で作った釣り針や矢と弓やオノだったかもしれませんが。
これら道具や製品を生み出して、人から人へ最初はモノとモノの交換で広げていきました。
次にお金を生み出して、人から人へモノとお金の交換を広げて。
やがて株や為替や利息など、お金がお金を生み出すしくみを作って。
人から人へお金とお金の直接交換も始まり、かわら版や新聞や本など。
情報がお金になるしくみも生み出して、ドンドンとお金と情報の交換が急拡大。
今やブログや投稿でお金を稼いだり、情報起業家やノウハウ販売で稼いだりなど。
モノとお金を交換するより、情報とお金を交換するほうがお金になる時代となりました。
これらすべてが、人が考えて作ったビジネスや経済の流れです。
このようなことから考えても、ビジネスや企業を構成する4つの要素の中で。
基礎となるのが人であり、人を見て商売する、企業は人なりという言葉があるように。
人と人とのつながりや人脈が、ビジネスや会社の基礎を作っているともいえます。
すると。2代目経営者の中に少なくないのは、人と人とのつながりや人脈を。
「アイツは、先代(親)から引き継いだ人脈で商売ができてうらやましい!」
「金持ちや富裕層と人脈があればなぁ~!もっと稼げるのになぁ~!」
「あの会社は政治家や大会社の役員とつながって、オイシイ商売をしている!」
などなど。利害関係やお金の大小とか、自分より上位の地位にいるとか。
何かしらの権力があるとか、このような視点だけでとらえている人たちです。
彼らの特徴は、自分より地位や権限がない人たちには冷たくて。
社員や自分がお客としていくお店、たとえば飲食店や小売のお店などで働く人には。
上から目線でモノを言ったり、極端な場合は何をしても許されると思ったり。
パワハラやセクハラ、男性だと女性関係のトラブルに発展するなどもあって。
ビジネスや私生活に悪影響が出た話も、しばしば耳にします。
もちろん、私たちは経営者であってビジネスパーソンですから。
ボランティアで、人と人とのつながりや人脈を大切にしろ!とは言いません。
ただ、人と人とのつながりや人脈をつくり広げる「人を見る目」として。
利害や地位や権力ではなく、自分ができないこと、知らないこと、苦手なことを。
できる人、知っている人、得意とする人、という視点をもつことで。
本当の意味で大切な人と人とのつながりや人脈ができると思うのです。
この考えでいけば、たとえば社員は「自分一人ではできないこと」をカバーしている人。
先代からの古参幹部も「自分の苦手なこと」や「気づかない点」を教えてくれる人。
サービス業や小売業の店員さんも、自分にはできない「笑顔で接客」に取り組んでいる人。
飲み屋さんで働く女性も、自分にはできない「酔っ払ったオッサンの相手」をしてくれる人など。
このように見ることができるのではないでしょうか。
その結果として、利害やお金に関係なく「真に大切な情報」を手に入れたり。
自分自身の発想や価値観が広がったり、精神的な成長もできたりするとも思うのです。
だからといって。当然ですが、誰とでもつながりを広げればいいものじゃありません。
また自分は利害やお金に関係がないと考えても、相手は利害やお金の場合もあります。
これらの点を含めて、経営者やリーダーという立場の人は。
多面的に「人を見る目」を養うこと、そして「人を見抜く力」をつけることが重要ですが。
特に2代目経営者が、先代から引き継いだ会社の経営に行き詰まる最大の原因は。
会社の内外での人の問題であって、この「人を見る目」がなかったことが多いと思われます。
お互い、ぜひ気をつけたいですね。
ではでは。また。
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