前回お話したように日本全体で、根本的に。
これまでの護送船団方式からの脱皮が迫られています。
その流れの中で、地方経済は衰退。
そのため、地方を拠点とする中小企業は大きな変革をしなければ。
変わらなければ生き残れない、きびしい経営環境に突入します。
すると。
「そんなこと言っても昔から、変わらないと生き残れない!と言われて変わって来たよ!」
「そうそう!バブルの崩壊も、失われた20年も乗り越えて来たから!どうにかなるわ!」
「ウチはお客さんの言葉によく耳を傾けて、ドンドン商品構成を変えているから大丈夫!」
などなど。このような声も聞こえてきそうですが、これまでと今後の経営環境がちがう点を。
商品やサービスの改革や開発、またマーケティング(集客)の視点から説明したいと思います。
戦後の焼け野原、1945年から1960年代末にかけて。
モノを作れば、商品を製造すれば売れる時代がありました。
この頃はモノ不足であり、消費意欲も高く、いわゆるプロダクトアウトといわれて。
良いものを作れば売れる!という、企業が主体で発想する商品開発の時代でした。
やがて1970年代から、モノが満ち足りて、やがてモノがあふれる時代となって。
1990年前後、あのバブルの崩壊により、良いものを作れば売れる時代も吹き飛びます。
そして失われた20年とか25年とか言われる、1990年前後から近年まで。
デフレ不況と言われましたが、一方でお客さんや市場の要望から商品をつくる時代へ。
マーケットイン、お客さんや市場を主体に発想した商品なら売れるようになりました。
実は。ご存じの方もおられるでしょうが、マーケティングや市場の分析や予測とか。
企業の盛衰期の研究や予測に用いられる「成長曲線の法則」というものがあります。
それは初期の黎明(れいめい)期、中期の成長期、後期の低迷(成熟)期が。
ほぼ同じ間隔、年月によって変化していくという考え方です。
この観点からすれば、黎明期から成長期に至るまで。
戦後1945年から1960年代末、約20数年がかかって。
次に成長期から低迷(成熟)期に至るまで。
1970年から1990年前後、同じく約20数年がかかっていることがわかります。
そして1990年前後から約20数年後。
そう。この法則から考えれば、2015年前後までが低迷(成熟)期にあたって。
いよいよ今、次の黎明期、新しい時代が幕開けする時が来ていると予測できるのです。
では企業が主導する商品開発から、市場が主導する商品開発の時代を経て。
次は、どのような商品開発やマーケティングの流れになると考えられるのでしょうか。
一言でいえば、企業主導と市場主導のハイブリッド。
プロダクトアウトとマーケットインの融合になると思われます。
別の言い方をすれば、先日もこの場でお伝えした話。
市場から商品をつくるのでなく、商品が市場を生み出す時代。
言いかえれば、企業主導のプロダクトアウトで生まれた商品やサービスが。
新たな市場主導のマーケットインを生み出すという時代となるのです。
というのも。黎明期は、一部の新しいものや珍しいもの好きや好奇心旺盛な人たち。
マーケティング用語でいうイノベーター(革新者)が、市場をリードする時代だからです。
企業も革新の時代であり、戦後の黎明期には数多くの日本を代表する会社が。
革新的な経営者のもと、次々と生まれていったのは、今さら説明する必要もないでしょう。
たった一人のイノベーターが、スマホやインターネットで発信することで。
社会に大きな流れを生む時代、いいね!が集まって一気に行列ができる店となる時代。
戦後の時なら空想の産物、おとぎ話やSF小説の世界が現実となって。
コンピュータというものが生まれて、会社はおろか、家庭でも、一人に一台となって。
今やスマホやタブレットなど、時間と場所を選ぶ必要もなく。
モノすごいスピードと範囲で、イノベーターが生まれ育つ環境があります。
ではこのような時代、後にネオ・黎明期と呼ばれるであろう今後の約20数年間の日本で。
国内市場を主体とする私たち中小企業経営者、特に地方に拠点を置く若い2代目経営者は。
ネオ・黎明期を乗り越えるために、どのようにして新しい発想やアイデアに基づいて。
先代から引き継いだ商品やサービスを変えていけばよいのでしょうか。
もちろん、地域性や業界の特性、また自社のポジションや市場動向など。
100社いれば、100通りの経営環境がありますので、一概には言えませんが。
大原則ともいえる、新しい発想やアイデアのためのヒントがあります。
それは、ズバリ!
2つ以上の異なったものを組み合わせる!
という考え方です。
アメリカでは「アイデアを出そうよ!」と言うと。
相手から「お前の言うアイデアって何?」と返されるといいます。
そこでアイデアの定義として「2つ以上の異なったものを組み合わせる」と。
このような説明がされて、はじめて議論が始まるのだそうです。
なるほど。
たとえば、携帯電話にカメラといった異なった機能とか。
ガソリンエンジンに電気といった異なったシステムとか。
平安時代の町屋を改装したレストランといった異なった時代とか。
商品が市場を生み出した事例は、異なった2つ以上のものを組み合わせています。
また別の角度から考えれば、業界や自分が「あり得んでしょう!」という組み合わせ。
たとえば、高級食材による一流のシェフの料理が格安で食べられる「俺のイタリアン」とか。
このような異なった発想の組み合わせ、異業種のしくみとの組み合わせもあります。
まさにイノベーター、革新的アイデアやしくみが新たな市場を生んだわけです。
あなたが持つ、今の商品、サービスをこのような切り口で様々なものとくっつけてみる。
連休で十分に休養をとり、まだスッキリしている頭でも。
連休ボケでボーっとした頭も、もう直った頃でしょうから。
今週末あたり、じっくり腰をすえてアイデアを考えるのもイイかもしれませんね。
ではでは。また。
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