6年後、2020年。
お祭り騒ぎの熱病のような東京オリンピックが終わって。
東日本大震災の復興は道半ば、そして超高齢化社会に本格的に突入していく日本。
大胆な政策や方策の転換が生まれない限り、不透明で将来展望が見えづらい時代へ。
恐らく2020年以降は、低成長経済化で社会保障等の高負担社会となっていく。
これは今の経済政策、円安や株高による大企業や投機筋の優遇と格差拡大の容認。
マクロでの日本経済全体を支えるため、ミクロの弱者は倒れても仕方ないという考え方。
この政策により、一歩ずつ確実に進んでいる方向であって。
内需型産業であり、国内市場で商売する中小企業、特に地方都市の会社は。
原油や原材料の値上げ、賃上げできずさらに加速する人手不足。
そして社会保障費負担の毎年の増加など、今日までと同様に。
政府や大企業の「エサ」となり続ける。
以前、超大手の自動車会社の購買担当は。
学校を出たばかりの新人でもできる、という話を耳にしました。
「昨年より安いですか?他社より安いですか?」といった2つの日本語。
これさえ話せれば、誰でも勤まるからと下請けから揶揄されているです。
こんな関係に支えられた最高益を少しくらい、仮に還元されたとしても。
働き手も買い手も減少する社会、内需が縮小する少子高齢化が加速する中では。
どう見ても、その場しのぎに過ぎず政府に「格好をつけている」だけ。
すでにグローバル化した大企業に、国内に後戻り選択肢があるはずもない。
このようにお考えの2代目経営者の方は、いらっしゃらないでしょうか?
多くの国民の雇用と社会保障費を支え、特に地方都市に存在する中小企業の経営環境は。
2020年を目指して、加速度的に大きな曲がり角に差しかかると思われます。
そのような2020年以降も、無事に会社を経営するために。
あと6年の間に「2020年型経営」を確立させたい。
こうした意識やお考えを持つ2代目経営者の方を対象に。
2020年以降も生き抜くための「2代目社長の5つの指針」を考えてみました。
一言でいえば「原理原則」や「基本」に立ち返ること。
そういう意味では「な~んだ!あたり前のことじゃん!」とか。
どこかで耳にした話で「別に2020年型と言わなくても」とか。
このように思われる方も、おられるかもしれませんが。
2020年に向けて、中小企業の経営環境が大変な時代になるからこそ。
シンプルな原則や基本の徹底が重要になると考えます。
すでに取り組んでおられる2代目経営者の方は、再点検の意味もこめて。
5つの方針を読んでみて下さい。
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1.ガンバラない(3割バッター社長の時代:ヒットを重ねて得点)
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野球でいえば。どんなボール、変化球が来るかわからない2020年から先の時代。
最初から「ホームラン」をねらっても、三振する可能性が高い状況です。
そこで2020年型の中小企業の社長には。
ガンバル!という姿勢で、全力や全速でスイングするよりも。
ボールを見きわめて、ヒットを狙っていく経営スタイルが主流となるでしょう。
何ごとにもこだわらず、次々とやってくる変化球にバットを合わせていく。
そう。10打席で3本ヒットを打てる「3割バッター社長」を目指して。
バット(経営の指揮棒)を振り続ける工夫と努力が大事になるのです。
相手が投げる様々なボール、つまり様々に変化する経営環境についていく。
広範囲に、多種多様に変化するボールを確実に打ち返してヒットを重ねる。
その結果、イチローが広角打法で3000本安打を達成したように。
その地域、市場などでトップクラスの成績を残すようになれるのです。
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2.10年精神で(思うような経営や会社での采配には、10年かかる)
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2代目が社長になって、誰もが異口同音に一番に苦労したというか。
2代目が社長になって、多い経営上の悩みは「人」の問題ではないでしょうか。
たとえ2020年以降でも。
あたり前のことですが、ビジネスや商売には。
業種や経営環境に関係なく、人と人との良好な人間関係が欠かせません。
いや2020年に向けて、、ネットやIT技術が発達すればするほど。
ますます人と人とのつながり、密接なコミュニケーションは重要になっていく。
特に2020年以降は、それが顕著になる可能性が高まると考えられます。
一方で、いつの時代でも。
人間関係を良好にして、スムーズに自分の依頼や要望を通すには。
気心(きごころ)を知るためにも、通常は一定の年数が必要になります。
そこで。自分の思うように人を動かして、会社経営ができ始めるには。
やはり10年ほどかかるだろう、と考えておいたほうが良いと思います。
特に。多くの2代目社長が、10年経って象徴的に実感する出来事とは。
社員に対して、思うままに「モノが言えるようになった」ということです。
御幣のある言い方をすれば、どんなガンコな古い体質の会社でも。
どうにか10年にわたり、曲がりなりに新・社長を続けていれば。
その頃には、新・社長の「人となり」の会社になっているのです。
なぜなら、会社が消えることなく社長を10年間続けることができたのも。
激しい経営環境の変化の中でも、社長の決断と行動がそれなりにできたからで。
社内でも、新しい2代目社長に対する評価や一種の社長像が完成して。
社内文化や風土も、ようやく新社長になじんだという結果とも言えるでしょう。
そこで、10年はかかる!10年はかける!という気持ちで。
変化が激しい時代だからこそ、じっくりと進めることが大切になると思われます。
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3.経営の「真北」を作る・探す(好みだけではなく、究極の目的をつくる)
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ちょっと過激な話ですので、社内では決して口にしないでほしいのですが。
劇的に社内の体制が2代目社長を中心に変わったと、社員が痛感するのは。
幹部社員の退職や解雇、そして先代からの社員のリストラの実行などです。
混乱も生じやすいので、慎重に進めないと「百害あって一利なし」ですが。
2020年型の経営環境を考えると、人と人のつながりを強く深める一方で。
社員の入れ替えやリストラなど、積極的な人事策も進めた方が良いでしょう。
なぜなら、2020年型の中小企業の組織形態を考えてみると。
社会補償費の負担の増大、ますます流動化する労働市場、慢性的な人不足など。
究極の「少数精鋭」組織でなければ、生き残れないと考えられるからです。
しかし。たとえば、社員と性格があわないから解雇したとか。
実際は違っていても、このように社員に思われる、社内で評判がたつと。
かえって社内の士気が落ちますし、組織崩壊の一因にもなります。
とは、言うものの・・・。人は、社長という立場にあったとしても。
重要な決断も、結局は好みや感情で判断してしまうことがあります。
もし古参幹部や社員が。何かと批判したり、反抗的な態度だったりすれば。
やはり感情的におもしろくありませんし、クビだ!と言いたくもなります。
そこで。2代目社長として、究極の目的「真北」を意識して頭において。
できる限り、感情や好き嫌いなどの判断を冷却することにしましょう。
「真北」とは、会社を成長させるといった究極の大きな目的や方針です。
戦略や個人の性格を超えた、会社への私心なき忠誠とも言えるものです。
「真北」と照らし合わせ、先代や古参幹部や社員の古い体質であっても。
アレはアレで、会社のためにやっていると理解するようにしていきます。
また。このような人事に関すること以外でも「真北」を応用します。
たとえば。進出したい新規事業を選んだり、立ち上げたりするときに。
「利益が出そうだ」ではなく、私心なき「真北」を判断基準にします。
「真北」とは、社員ならば誰でも共感できるシンプルなものでOKです。
2代目社長となったなら必ず「真北」を作る、または探す時間を設けましょう。
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4.社外の同志でチームを(ビジネスや経営の同志を集め、チームにする)
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現在のアメリカや欧米の中小企業では、社内の人材や資源だけでなくて。
プロジェクトごとに、複数の会社が手を組むビジネスモデルが主流です。
人数や技術やビジネス資源などが、小さくて体力の弱い中小企業では。
成長の速度や売上げや利益の向上に、おのずから限界があるからです。
日本でも2020年型の中小企業のビジネスモデルとして。
今でもすでに始まっていますが、今後はますます拡大していくでしょう。
そこで2020年型の2代目社長として、社外の人とのチームづくりは。
経営上の主要な指針の一つに、取り上げていくことをオススメします。
ただし、そのような社外の人とチームをつくるときには。
忘れてはいけない、はずす事のできない、大事なポイントがあります。
その主なものは、次の5つになります。
○能力や知識力も大事だが、志(こころざし)を共有する同志とつくること
※志とは、私的な目的や目標ではなく、社会的意義や公的な目的や目標!
○最初は、自分より「上」または「高い」人が多いチームに入るようにする
※上または高い人とは、自分が尊敬できる、あこがれる感覚を持てる人!
○「集まれば何かできる」という考えでは、何も生まないで不満足におわる
※何をしたいのか、何をつくりたいのか、先に具体的な目標がありき!!
○「会社などの援助なしで、個人で新しい道を切り開く」という人とつくる
※会社命令ではなく、みずから進んで取り組む気概を持てる人を集める!
○チームには、ムードメーカー・和みのある人・女性なども必ず入れること
※チームの効果を足し算ではなく、掛け算にするために必要なメンバー!
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5.師と出会う(自己限定を壊し、背中を押してくれそうな人に会いに行く)
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「師」というと、いろいろな説明や定義や考え方があるでしょうが。
ここでは「自己限定を壊し、背中を押してくれる人」としてみます。
自己限定とは、たとえば「カマス」という他の小魚を食べる魚がいます。
カマスを透明な仕切り板で二つに分けた水槽の一方に入れます。
そして仕切り板のむこう側に、エサの小魚を何匹か入れてやると。
小魚を食べたいカマスは、スゴイ勢いで透明な仕切り板にぶつかります。
そして何回か、鼻先をぶつけて。しばらくすると、おとなしくなります。
その後。この透明な仕切り板をとって、同じように小魚を入れてやると。
今度は、目の前をエサの小魚がゆうゆうと泳いでいるのにもかかわらず。
このカマスは小魚に襲いかかることもなく、そのまま動かずにいます。
しかも。このまま何もしないと、飢え死にさえしてしまうのです。
これが自己限定。自分で決めつけた自分の限界やカベ、思い込みなどです。
自分にその能力や資質があっても、できない!と信じて動かない状況です。
では。エサの小魚を食べなくなった、このカマスを一体どうやったら。
エサの小魚を襲うカマスへと、変身させることができるでしょうか?
それは。元気に小魚を追いかけ回し、食べてしまう別のカマスを。
同じ水槽に入れてやれば、それだけでこのカマスも食べ始めます。
このように「師」とは、あなた自身が気づかない自己限定を壊して。
背中を押してくれる経験や気づき、きっかけをもたらすような人です。
古今東西、またビジネスという分野に限らず、「師」という存在は。
新たなチャレンジ、自己成長になくてはならないものですが。
多くの場合、この「師」との出会いは。
必要な時にタイミング良く自然にやってきます。
心理学ではシンクロニシティとも言いますが、本当にシンクロしています。
たった一通のメールで、一本の電話で、他の人からのひと言で。
「師」と出会う、色々な糸口があなたの身の回りに必ずありますので。
どのような「師」を求めているか、常に自分で意識しておきましょう。
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【番外編】日本経済の崩壊に注意!(借金はしない)
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最後に、番外編として。
2020年以降を生き抜く2代目社長の指針として、大事なことなので。
改めてこの場でも、みなさんにお伝えしておきたい話があります。
それは、日本における2020年型の中小企業の2代目社長として。
金融機関からお金を借りる、資金調達をする、借金については。
今まで以上にもっとシビアに、注意深くなってほしいという話です。
とても危険なことなのに、真にその怖さを自覚している人は少ないのですが。
今の日本という国では。個人の住宅ローンでも、会社の借入金であっても。
法律の上で、債務が一生、個人を追いかけられるしくみです。
日本では「借金をする=人生をカタにとられる」しくみなのです。
たとえて、言うならば。
江戸時代は「士・農・工・商」といった身分の格差がありましたが。
現在は「政官・金融・大企業・その他」といった格差があります。
また資本主義経済のピラミッドの頂点には。
資本家、それを取り巻く金融屋がいるのが現実です。
そして資本主義の原理原則とは、他人からの搾取です。
それが投機的、というかバクチと詐欺のように国際間で行われて。
国内でも、さまざまなしくみや体制で実施されているのが日本という国です。
※このことについては、別の記事で後日また書きたいと思います。※
言いかえれば、資本主義の根本的な考え方は。
他人のふところに手をつっこんで、お金を自分のふところに入れて。
その他人のお金で自分のお金を増やす、お金でお金を増やす思想です。
ローンや借金、あとは税金や社会保障という制度は、その典型的な手法で。
どんな美辞麗句を並べてあっても、その本質は搾取の方法の一つなのです。
ある意味では、自分でコントロールや積極的に削減が出来る借金やローンと違って。
ご存じのように、今も今後も一年ごとに自動的に社会保障負担は上がり続けます。
また高速料金、宝くじなど「目に見えない税金」のしくみはアチコチに存在します。
そのため最低限の話として、いわゆる「過払い」にならないように。
できれば無借金経営と共に、無税経営の会社体質になれるように。
このような経営指針を持って、2020年までに体制を整えることは。
思っている以上に、2020年以降を生き抜くために重要になるでしょう。
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