2015年7月7日火曜日

チャンスは、つかめない・計れない・わからない!?

え~ここまでお話が、だいぶ長くなりまして。
途中からお読みの方もいるんじゃないか、と。

そう思いますんで、少しここまでのあらすじをご紹介します。

とある城下町で、お城の出入り商人3人が酒席を開いておりました。

ご城下でも、中堅の規模のお店を開いております越後屋さん。
あとは大店の庄内屋の若だんな、そして庄内屋と同い年の武蔵屋の若だんなです。

庄内屋の若だんな、どちらかっていうと普段から遊び人というか。
あまり商売に身が入っておりませんが、なんと1500両もの大商いをまとめます。

いつもは厳しい庄内屋の主、父親からもほめられて。
うれしさのあまりハシャギすぎて、飲みすぎて、先に帰ってしまいます。

その自慢話や様子を見ていた、武蔵屋の若だんなは。
いつもマジメにコツコツやっているのに、なんで庄内屋が!と思いつつ。

歯がゆさに、庄内屋さんは運がいい。
それに比べ、自分は・・・と落ち込んでしまいます。

そんな武蔵屋の様子を見て、少し年配の越後屋は。
商売をする上で、大事な柱、人、モノ、お金、情報のうちで。

情報を一番に大事にしていて、その中でも商いの流れ、タイミングを。
とりわけ大切にしている、と諭すように武蔵屋の若だんなに語るのでした。

すると、タイミング、チャンスの流れ、それをつかむこと。
よく耳にする、チャンスの女神の前髪をつかむことが大事なのか?と。

こう尋ねる武蔵屋に、越後屋はチャンスの女神は神話の世界のつくり話。
前髪どころが坊主頭、だから誰にもつかめない、後付けのお話と語って。

チャンスの女神より、大事なのはジャッジの女神。
しかも女神に化けた、魔女を見抜くことが大切だと話すのです。

ますます、?マークがいっぱいの武蔵屋の若だんな。
そんな様子に理解を示しつつ、越後屋の話は続くのでした・・・・。

「いいかい、武蔵屋さん、わたしは、商いでタイミングを大切にしていると話したね?」

怪訝そうな武蔵屋の顔を覗き込みながら、越後屋は話を続けます。

「そのタイミングなんだけど、いくらタイミングをとろうとしても、自分じゃとれない
良いタイミングを計ろうとしても、自分じゃ計れない、わかんないとわたしは思っているんだ・・・」

そういうと、いつの間にか。

越後屋と武蔵屋の話をジャマしないように、そっと座敷に入ってきた女将が。
静かに微笑みながら、新しくもってきたお酒を越後屋に注ぎます。

その微笑に、微笑をかえしながらお酒に少し口をつけると。

「そういう意味では、チャンスとは、良いタイミングだった、と言えるけど
自分じゃチャンスは、とれない、計れない、わかんないわけで・・・・」

越後屋は、話を続けながら。

「だからチャンスの女神はいない、いるとしたら前髪もなく、坊主頭で
つかみようがない、いるとしたらチャンスの女神でなく、ジャッジの女神だと
あれがチャンス、良いタイミングだったか?とジャッジ、判断する女神しかいないわけで」

越後屋は、ここまで話すと。
またまた武蔵屋から見えないように、そっと女将の白い細い手を握りながら。

「そのジャッジの女神に、実は魔女がいる、と言ったわけさ・・・
ま、女は魔物、という話と同じかもしれないけどなぁ~・・・」

と今度は、武蔵屋にもハッキリわかるくらいに。
ニコリと女将を見つめると、女将もおやおや!というように越後屋を見つめ返します。

だいぶ男女の仲や女性に疎い(うとい)?武蔵屋の若だんなですが。
さすがに越後屋と女将の関係に、何ならぬ雰囲気を感じながら。

「ほっ?あっ!?え!・・・女は魔物、女神だから魔女、ってわけですか・・・」

かえって、そんな二人に自分が恥ずかしくなったかのように。
言葉につまりながら、武蔵屋は素っとん狂な声を上げて返事をします。

「そう、女は魔物、だからおもしろいんだが・・・おっと!話が横道にそれたね・・・」

武蔵屋の動揺した様子にも、気にせず手をとったまま女将を見つめていた越後屋ですが。
武蔵屋の方に目を向けて、彼の表情を確かめるように、静かに語り始めました。

「要するに、タイミング良かった、チャンスをつかめた、または良い結果だと思ったら
実はタイミングが悪い、つまりチャンスのようで落とし穴、悪い結果があるということでね」

そういうと、静かに杯(さかずき)を空けると。
そっと差し出す女将からの徳利を受けながら。

「だから良かった、チャンスをつかめた、女神に出会った!と思ったら
悪かった、落とし穴だった、本当は魔女だった!となるわけで」

こう続けた越後屋は、さらに声を低めて。

「その女神と魔女を見分ける法則、魔女を見抜く法則がある・・・・
と話したわけだけど、まだ興味があるかい?武蔵屋さんは?」

と語りかけるのでした。

すると。

「ええ!もちろんです!とういか、チャンスは、なぜ自分ではつかめないのか?
計れないのか?わからないのか?それに、なぜ女神のように見える魔女がいるのか?
そういうことも、よくわかっていないんで、そのことから教えててもらえませんか?」

武蔵屋の若だんなは、グッと身を乗り出すようにこたえるのでした。

さてさて。

なぜチャンス、つまり良いタイミングは。
自分では、つかめない・計れない・わからないのか?

また結果が出てから、良いタイミングやチャンス、良い結果だったと判断する時に。
なぜ、女神に化けた魔女がいるのか?女神の中に魔女が隠れているのか?

そして、その魔女を見抜く法則とは?いったい?・・・・・・

この話の続きは、次回へ続きます。
お後がよろしいようで・・・。

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