2015年4月28日火曜日

富山の薬売りにみる商売や生き方

2代目、3代目、4代目と代を重ねて。
老舗といわれる商家を築く商人の一例として。

「富山の薬売り」があります。

その富山商人に「七楽の教え」というものがあるそうです。

それは。

「楽すれば、楽が邪魔して楽ならず、楽せぬ楽が、はるか楽楽」

という言葉で。

楽しようと思って楽すると、結果として楽は出来ないもの。
反対に楽しようとせず、楽しんで努力して物事に臨むことが。

はるかに楽で、そちらの方がすばらしい人生になる、という意味だそうです。

このような考え方があって「置き薬」が全国に広まって。
320年間にわたり、今も続いているそうなのです。

私たちは、2代目や3代目、またさらに代を重ねたい者として。
商売を続けること、老舗と呼ばれる商家にしていくことが。

イの一番に考えることであり、一番の目標となることだと思います。

ある経営コンサルタントの方の言葉を借りれば。
続かない商売は成功ではない、と言っても過言ではないとも感じます。

では。商売を続けるために大事なこと、とは。
別の言い方をすれば、安定した生活を維持するコツでもありますが。

それを一言で言うならば、借金せずに収入以上に支出しないこと。
いわゆる「手仕舞い」できる範囲で、商売や生活をすること。

投資をするなら、資産を生むものにするのであって。
投資と言いながら、負債を生むようなものにしないこと。

という点につきると思います。

その一方で、2代目や3代目経営者の中には。

「でもさぁ~新商品や新事業って魅力的で、手を出して儲けている人を知ってるよ!」
「株だって儲けている人が大勢いるんだから、オレだって儲けられると思うよ!」
「レバレッジを効かせた方が、商売はグ~ンと伸びるでしょう?投資しなくっちゃ!」

という考え方で、生活や商売をしている人も少なくありません。

もちろん、中には新商品や新事業で成功したり。
株で儲けたり、借金して事業投資して会社を大きくしたり。

このような2代目や3代目経営者もいますが。

新商品や新事業でつまづいたり、本業に毀損が生じたり。
株など金融商品で失敗したり、借金が膨らんで回収できなかったり。

どちらかというと、このような人の方が多い気がします。

特に何より典型的なのが、いわゆる目先の利益や快感に誘われて。
本業外へ投資を拡大したり、遊びや趣味に走ったりする2代目や3代目。

よく世間から2代目や3代目を評してささやかれる言葉。
ボンボンとか、放蕩息子と言われる跡継ぎの男性なのですが。

彼らの特徴には、思いつきやその場の感覚で投資や趣味に支出しても。
この投資は儲かるから、これは必要であって付き合いがあるからなど。

何かと理屈をつけて正当化しながら、目移りしやすい。
すぐに別のもの、もっとイイものがほしくなってしまって。

結果として、次々と支出を増やして商売を傾けてしまうとか。
周囲の人間関係を壊す、女性とのトラブルを起こすという点があります。

同時に、支出を抑えるあまりに。
俗に言う「安物買いのゼニ失い」の2代目や3代目もおります。

安い物を買ったり、少ないお金を投資したりして。
それで性能や効果に満足したり、十分な収益があったり。

支出が少なくて済むなら、その方が良いでしょうが。

得てして、安い物は性能や効果や耐久性が低くて。
修理や余分な手間に、かえってお金や時間がかかるもの。

少ない投資や安い金融商品は、収益も少なくて。
赤字が続く、不良資産となり損益が出ることもよくあります。

こちらもまた、短期間で終わるのでなく。
永く大切に使える品物、継続的に収益や資産となることが大切。

その点、最初にお話した「七楽の教え」は。
買い物で商品を選ぶ基準や投資の考え方にも使えそうです。

そう、考えてみれば。

人間関係も、商売や買い物や投資と同じく。
安いもので終わらせないためには、安物買いせずに。

「七楽の教え」をもとに、楽や見返りを考えずに投資する。

特に大切にしたい人、信用した人たち。
お客さん、取引先、友人、仲間、家族、恋人など。

このような人たちには、つくせるだけつくしてみる。

こうして。

楽を求めないで、出来る限りお金をかけ質の高い物を買って。
楽を求めないで、出来るだけつくして質の高い人間関係を築いて。
楽を求めないで、出来るだけの支出や投資をして商売を行なって。

これが買い物でも、人間関係でも、商売でも。
永く付き合える、永く続くすばらしいものとなり得るコツだと思いました。

まさに、富山商人には。

「商品を見るな、目の前の人を見ろ」

という言葉もあるそうです。

商売を考えると、ついつい商品を売り込むばかりなって。
目の前の人、つまりお客さんを見なくなってしまう。

結果、お客さんは離れて行き、商売は続かなくなるでしょう。

人間関係や買い物に出る、その人の性格やクセや価値観は。
やはり商売にも、人生にも色濃く出るものです。

「楽すれば、楽が邪魔して楽ならず、楽せぬ楽が、はるか楽楽」

自分の商売や人生における収入にも、支出にも。
楽しようとせずに、楽しんで努力をすることで、はるかに楽になる。

この「七楽」の考え方は、いろいろな場面で大切だと思いました。

ではでは。また。

2015年4月22日水曜日

夢や理想の人物や会社を追いかけるな!

もし、あなたに。

「あなたの夢や理想、目標や希望は何ですか?」と質問をしたら。
私を含めて、多くの人が「こうしたい」「こうなりたい」「こうありたい」など。

したいこと、手にいれたいこと、なりたいものを語るでしょうし。
もし、あなたが2代目経営者や社内でリーダーの立場の方なら、たとえば。

こんな会社にしたい!お客様に気に入られたい!売上げを増やしたい!とか。
収入を増やしたい!成功してほめられたい!社員を幸せにしたい!とか。

このような答も出てくると思います。

一方で、ご存じのように。

現実には、夢をかなえよう、理想を手にしよう、目標を達成しようとしても。

ノウハウを追いかけ回したり、夢や理想ばかり見てまわりを見なかったり。
その結果、まわりの人を不幸にしたり、会社をヅフしたり、心や体をこわしたり。

このように、うまくいかない人、途中で挫折する人、逆に現状を悪化させる人。
成功しない会社、かえって損害を出してしまう会社が少なくない気がします。

そう。根本的に、夢や理想や目標や希望は。
努力してかなえるものでなく、かなえられるものであると考えて。

たとえば、理想の人、あこがれの人、成功者とよばれる人を追いかけるのでなく。
成功している会社、目標を達成している会社のノウハウやしくみをマネるのでなく。

まず、自分の出来ること、今の会社で出来ることを積み重ねることで。
一つ一つの小さな夢や理想や目標をクリアしながら、一段ずつ上がることで。

その結果として、夢や理想や目標や希望がかなえられた!と。
このように考えて行動していく方が良いように思います。

スポーツでも、プロとして活躍している人は。
やたらに夢や理想や目標を追い求めていません。

たとえば、テニスの錦織選手とか、ゴルフの松山選手とか。
今の活躍のカゲで、地道な体づくりや基本練習を重ねています。

トレーニングや練習もせずに、いきなりコートやコースとか。
ボクシングのリングや野球のグランドに立つようなプロは。

一人としていない、こう言っても良いのではないでしょうか。

プロとは、職業という意味でもありますが。
その道の名人や達人、特別な専門家という意味もあります。

その点、私たちはプロとして仕事や会社経営をしています。
自分の人生をマネージメントする専門家として、世界でただ一人の存在です。

そして、その道や仕事や経営の名人や達人になりたい。
人生の名人や達人と呼ばれたい、それがビジネスや人生において。

一つの大きな夢や理想や目標であると思います。

このよう考えれば、何より夢や理想や目標を達成するための近道も。
決まりきったノウハウも、誰でもできる方法もない、という話が。

単なる理想論や成功できない人の言い訳ではないと感じられるでしょう。

その上で。ただ一つの道があるとするなら、地道な行動を積み重ねること。
そのための一里塚、身近な夢や目標や理想を達成していくことであって。

だから、自分が夢や理想や目標とする人や会社でなく。

一里塚を一つ一つ通っていくために、導いてくれる人。
一里塚となるような会社、少し前を行くような会社。

自分の背中を押して、時にはきびしくお尻を叩いてくれる人。
ライバルとして認め、戦いながらも尊敬ができる会社。

このような人や会社を定めて、自分や会社の成長に合わせて。
次々と変えていくこと、夢や理想や目標を変えていくこと。

この考え方が、何より大事な気がします。

ではでは。また。

2015年4月14日火曜日

レスポンスの魔術師!

勝手な想像かもしれませんが。

自分が仕事をしている業界に関連したメルマガ。
たとえば新商品の紹介、新市場や新技術の情報などが出でいるものですが。

一つも登録していない方は、おそらくゼロではないでしょうか?

昨日の朝、そのようなメルマガの一つ。
ウチにとっては、バリバリの業界誌の電子版を受け取りました。

ご存じ、N経系が発行している雑誌の簡易版みたいなヤツですが。
興味を引く新商品の記事があって、資料をダウンロードできるとのこと。

そこで、早速にログインして。
次に「資料ダウンロード」をポチッ!と押すと、ページが変わります。

ふむふむ。冒頭に「個人情報の取扱い」の文面がドーン!とあります。

いつもは、いちいち「個人情報」の文面は読まないのですが。
冒頭にあったので、何気に目が勝手に追っていました。

ナニナニ・・・会社名?住所?電話?役職?もろもろ・・・へ?まさかね。

ネット上で、資料(無料)をダウンロードするのに。
今どき、コマゴマとした個人情報なんて収集するはずがない!と思って。

名前とメアドと職業だけ、登録(無料)してある身としては。
そのまま資料はダウンロードできるのだろう、と考えて。

いくつかのアンケートに答えながら、ページの最後まで進んで。
これでOK!と「資料ダウンロード」を再びポチッ!と押すと。

真っ赤な文字で「必須項目!」「必須項目!」「必須項目!」の嵐!

・・・この段階で、資料(無料)ダウンロードは止めました。

めんどくさいから?そうです!イエス!
個人情報の登録に抵抗があったから?そうです!イエス!

そして、何よりも。

コイツら(資料を配りたい会社、媒体を提供したN経系の会社)が。

アホ!だと思ったから、相手にしたくなかったのです。
そして「自分は招かれざる人物」の可能性があると判断したからです。

ネット上で無料の資料を配布する、サンプルを配布する。
無料の試供品を配布する、無料のモニターを募集する。

今回だけでなく、ネット上には何十、いや何百、何千とあります。

その多くというか100%、その目的は見込み客の情報を集めたい。
自社が提供する商品やサービスに関心がある人を集めたい。

もっと言ってしまえば、そのような方たちをリスト化して。
定期的に、またはタイミングを考えてセールスをかけたいために。

無料で、さまざまなものを配布するわけです。

その一方で、これはネットやメルマガだけでなく。
パソコンやスマホを使ったしくみだけでなく。

あたり前すぎて、今回のケースのような大手会社の媒体の担当者なら。
必ず知っていると思う、マーケティング(集客)の基本中の基本があります。

それは。

見込み客を集めて、彼らにセールして「お金を払ってくれるお客様」とするには。
いくつかのステップ、情報に触れた人が起こす行動の「階段」があって。

そのステップが高すぎると、階段を上ってこないので。
上りやすいように、工夫するといった思想が必要不可欠です。

無料もその一つ、気楽に上れるようにステップの高さを低くしているわけです。

ところが今回、最初の登録段階で。
いきなりコマゴマと登録させたのですから、ステップが高い!わけです。

そう、大事なポイントですが。
今回、私は「あきらめた」のでなく「止めた」のです。

別に今、こんな高いステップをよじ登る必要はありません。

あとで、たとえば紹介していた新商品のジャンルを扱っている問屋さんに話して。
カタログでも、なんでも取り寄せればいいのですから、特に困りません。

ハッキリ言って、この程度のオファー(資料の無料提供という特典)で。
簡単に個人情報、というかオレの情報が取れるんと思うてんのんか!アホ!という気持ち。

ただ。冷静に考えれば、最初からステップを高くして。
アホな、いや失礼しました!ホットで今すぐ買いたい!という取り組みやすい客を。

少数でよいので、集めたかったのかもしれません。

それなら、完全に私は「招かれざる客」です。

そうなれば、私が「止めた」のでなく。
彼らが私を「切り捨てた」ので、マーケティングとしては拍手もの!です。

まぁ、そこまで考えているとは思えへんけど・・・スンマセン!独り言です。
というのも、紹介されていた商品の属性や特性からして思うことですが・・・。

で。最近、ネット広告&通販で3年連続の日本一。
なんと「レスポンスの魔術師」という方が書いた本を読みました。



内容は、とやかく説明しません。

とにかく、ネットでのマーケティングや販売を考えている人は。
読んでおいて損はない、というか書籍代以上のリターンが確実でしょう。

一つだけ、おもしろいエピソードを。

先ほども話しました、無料での提供で。

①無料サンプル

②無料試供品

③無料モニター

この3つで、一番に良いレスポンスはどれだと思いますか?

答は、この本に出ています。

ではでは。また。

2015年4月9日木曜日

市場が商品でなく商品が市場をつくる時代に

さてさて。

40歳を過ぎたらお金をかけるのは。

(1)自分への投資
(2)思い出に投資

の二つである。

という言葉に出会いました。

あなたは、この言葉をどう思われますか?

たぶん、この「自分への投資」の中では。
多くの人にとって「心と体の健康」が、まず大きい気がします。

また。経験値、心、体のバランスが取れ、前向きでありながら。
同時に、守らなければいけない、助けないといけない、と思いがちな40歳代。

仕事でも、人生でも。

知識や能力が高くなり、いろいろなことも出来るようになりながら。
周囲から頼りにされて、責任の範囲も広がり、出来るのに手が出せない。

攻めたい、チャレンジしたい、冒険がしたいという気持ちや考えと。
守りたい、確実に増やしたい、着実に歩きたいという気持ちや考えのハザマで。

行動が、思うように進まないことがあるようにも思えます。

40歳を過ぎたら。

・自分の考えと違う人の発想を楽しむ余裕をもとう
・完璧を求めず失敗を楽しむゆとりを
・世間の体裁を気にして行動しないのはもったいない
・すべての人に好かれようとは思わない
・お金は人生を楽しむための手段

というように、冒頭の言葉には続きがあったのですが。

たとえば、趣味やオタクという分野は。
まさに、上記の5つに当てはまる世界ではないでしょうか。

考えてみれば、最近の成長しているビジネスのキーワードに。

自分投資の市場や商品
思い出づくりの市場や商品

があります。

今や、どの業種でも。

市場や顧客のニーズにあわせて商品をつくるのでなく。
商品が市場をつくる、顧客のウォンツを新たに喚起する商品をつくる。

こんな時代になり、特に価格競争は避けたい中小企業の経営者には。
このような発想と行動が、かなり強く求められるようになったと思います。

ということで、趣味やオタク、つまりコアなジャンルで。
自分投資となる、思い出となる商品やサービス。

このフィルターに、現行の商品やサービスをスクリーングして。
または現行の商品やサービスに付加したり、組合せしたりして。

どんな商品やサービスが生まれるのか?

新しいビジネスの予感が頭をよぎりませんか?


ではでは。また。